若手機械設計者こそChatGPTをうまく使ったほうがいい
「ChatGPTって便利そうだけど、
設計でどう使えばいいのかわからない」
そんな若手機械設計者、多いと思います。
▶ 何を聞けばいいのか分からない
▶ 聞いたけど、答えをどう使えばいいのか不安
▶ そのまま使って怒られそう
でも安心してください。
ChatGPTは“聞き方”さえ間違えなければ、設計の強い味方になります。
この記事では、
若手機械設計者向けに
そのままコピペして使えるChatGPT活用テンプレを、
目的別にわかりやすく紹介します。
大前提|ChatGPTは「答えをもらう道具」じゃない
最初に大事な話をひとつ。
ChatGPTは
設計の代わりをしてくれる存在ではありません
正しい使い方は、
この3つです。
この前提を押さえたうえで、
テンプレを使っていきましょう。
テンプレ① 設計検討前の「考え整理」
こんなときに使う
「考え整理」テンプレート
以下の条件で機械設計を検討しています。
若手機械設計者の視点で、
検討すべき項目を洗い出してください。
想定テーマ:
・用途:
・使用環境:
・荷重条件:
・制約条件:
「考え整理」テンプレの具体例(若手機械設計者向け)
想定テーマ
工場内で使用する小型ワーク搬送装置の設計
若手がよく当たる&イメージしやすい題材です。
用途(何のための装置か)
❌ 悪い例
- ワークを運ぶため
⭕ 良い例(ここまで書けると◎)
加工後のワーク(5kg)を
作業者の手作業を減らす目的で
加工機Aから検査工程Bまで搬送する
「誰が・何を・どこからどこへ」まで書くのがポイント
使用環境(どこで・どんな状況で使うか)
❌ 曖昧な例
- 工場内で使用
⭕ わかりやすい例
- 屋内工場(空調あり)
- 周囲温度:10〜40℃
- 切粉・油ミストが多少飛散
- 作業者が近くで操作する
環境を書くと材料・カバー・安全対策のヒントが出てきます。
荷重条件(どれくらい力がかかるか)
❌ ありがちな例
- ワーク重量:5kg
⭕ 若手でも書ける良い例
- 搬送ワーク重量:最大5kg
- 搬送時に加減速あり
- 停止時にワークが片持ちになる可能性あり
- 安全率を考慮する必要あり
「動くのか?止まるのか?」を入れるだけで
設計レベルが一段上がります。
制約条件(できないこと・守るべきこと)
❌ 曖昧な例
- 制約あり
⭕ 刺さる具体例
- 既存設備の間に入れるためサイズ制限あり
- 改造コストはできるだけ抑えたい
- 社内標準部品を優先使用
- 納期が短い(設計1か月)
制約条件は
「設計の自由度を決める超重要情報」
ここを整理すると、
「できる設計/できない設計」がはっきりします。
このレベルまで書ければ十分
若手機械設計者に伝えたいのはこれです。
このテンプレを埋めてからChatGPTに投げると、
という、いいことしか起きません。
ポイント
そのまま使わず、自分の考えと照らし合わせる
「自分が考えてなかった視点」を拾うのが目的です。
テンプレ② 設計アイデアの壁打ち
こんなときに使う
壁打ちテンプレート
以下の設計案について、
考えられる別案や改善ポイントを教えてください。
ただし、一般論ベースで構いません。
想定テーマ:
【現在の設計案】
・構造:
・材料:
・狙い:
「壁打ち」テンプレの具体例(若手機械設計者向け)
想定テーマ
モータ駆動の簡易昇降ユニットの設計
「とりあえずこうしたけど、正直不安…」
となりやすい題材です。
構造
❌ 抽象的な例
- モータで上下させる構造
⭕ 刺さる具体例
- ボールねじ+サーボモータで昇降
- ガイドはリニアガイド1本
- 上下端はメカストッパで制限
構成要素を並べるだけでOK
細かい寸法までは不要です。
材料
❌ よくある例
- 鉄を使用
⭕ 若手でも書ける良い例
- ベースフレーム:SS400
- 昇降プレート:A5052
- ガイド部:市販リニアガイド
「理由が弱くてもOK」
まずは何を使おうとしているかを書くことが大事。
狙い
❌ 曖昧な例
- 安定して動かしたい
⭕ 良い例
- 昇降精度よりもコスト重視
- 加工点数を減らして組立を簡単にしたい
- 将来の改造を考えて構造をシンプルにしたい
狙い=設計判断の軸
ここを書くと、ChatGPTの回答が一気に使えるものになります。
この状態でChatGPTに投げると何が起きるか
この情報を入れて壁打ちすると、例えば、
など、「自分では思いつかなかった視点」が返ってきます。
ここで大事なのは、
採用するかどうかは自分で決める
という点です。
若手設計者に伝えたいポイント
この壁打ちテンプレは、
正解をもらうためではなく、
視野を広げるためのものです。
「この案しかない」と思い込んでいる状態から、
「こういう選択肢もあるんだ」に変わるだけで、
設計の質はかなり上がります。
このレベルで十分
それだけで、
ChatGPTはかなり優秀な壁打ち相手になります。
若手機械設計者ほど、一人で悩まずに
AIを“相談相手”として使うのがおすすめです。
ポイント
「最適解」を探さない
ヒントをもらう感覚で使うのが正解です。
テンプレ③ 上司に説明する前の事前チェック
こんなときに使う
事前チェックテンプレート
以下の設計内容について、
上司やベテラン設計者から
指摘されそうなポイントを挙げてください。
想定テーマ:
【設計概要】
・目的:
・構造:
・前提条件:
「事前チェック」テンプレの具体例(若手機械設計者向け)
想定テーマ
作業者が操作する小型治具の設計
「レビューで絶対に何か言われるやつ」です。
目的
❌ ふわっとした例
- 作業をしやすくするため
⭕ 刺さる具体例
作業者が手作業で行っていた位置決めを
誰でも同じ精度で行えるようにするための治具
作業時間短縮と品質ばらつき低減が目的
「誰の」「何を」「どう改善するか」を書くのがコツ。
構造
❌ 雑な例
- プレートに部品を固定する構造
⭕ 若手向けの良い例
- ベースプレート+位置決めピン2本構成
- クランプは手動トグルクランプ
- 交換部品はボルト固定で着脱可能
レビューでは
「どんな構成か」が一瞬で伝わることが大事。
前提条件
❌ 曖昧な例
- 問題なく使える想定
⭕ 指摘されやすいリアル例
- 作業者は素手で操作(安全対策必要)
- ワーク重量は最大3kg
- 作業サイクルは1日500回
- 工場内使用、油汚れあり
前提条件=ツッコミどころ
ここを出しておくと、
指摘されても「想定してました」と言える。
この状態でChatGPTに投げるとどうなるか
この情報で事前チェックすると、
例えばこんな指摘が返ってきます。
- 指挟みリスクはないか
- トグルクランプの耐久性は十分か
- ピンの摩耗対策は考えているか
- 清掃・メンテナンス性は問題ないか
ほぼそのまま上司が言いそうな内容
先に知っているだけで、
レビューの安心感が全然違います。
若手設計者に伝えたい使い方のコツ
このテンプレの目的は、指摘を避けるではなく、
指摘に耐えられる設計にすることです。
ChatGPTに事前に指摘されておくと、
本番レビューがだいぶ楽になります。
ポイント
「防御力」を上げる使い方
指摘を想定しておくだけで、説明が楽になります。
テンプレ④ 勉強・自己学習用
こんなときに使う
勉強・自己学習用テンプレート
機械設計初心者向けに、
〇〇について
考え方と注意点をわかりやすく説明してください。
このテンプレの使い方(おすすめ)
これを繰り返すと、
知識が“使える知識”に変わります。
ポイント
参考書の代わりではなく、理解補助
最終的には自分で裏取りしましょう。
若手機械設計者がやってはいけない使い方
便利だからこそ、注意も必要です。
❌ 設計判断を丸投げする
❌ 数値や計算結果をそのまま信じる
❌ 理解せずにコピペする
これをやると、
設計力が確実に落ちます。
ChatGPTを使って成長する若手の共通点
うまく使っている若手は、
つまり、ChatGPTを使っても、使われない設計者です。
まとめ|若手機械設計者向けChatGPT活用テンプレ
ChatGPTは、
若手機械設計者にとって
正しく使えば最高の学習・設計サポートツールです。
▶ 思考整理
▶ 壁打ち
▶ 説明力強化
これらを助けてくれます。
ただし、
設計を「考えなくていい仕事」にしてしまうと、
成長は止まります。
大切なのは、
ChatGPTに頼ることではなく、使いこなすこと。
今回紹介したテンプレを使いながら、
「考える設計者」への一歩を踏み出してみてください。




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