ブロワーや送風機は、工場設備や機械装置の冷却、乾燥、集塵、搬送など
幅広い用途で活用される重要な機械要素です。
適切な機種を選定することで、
エネルギー効率の向上やトラブルの防止が可能になります。
この記事では、ブロワー・送風機の基本的な特徴と
選定ポイントについて、詳しく解説します!
ブロワーと送風機の違いとは?
「ブロワー」と「送風機」は、
どちらも空気を移動させるための機械ですが、
圧力範囲によって分類されます。
| 機種 | 静圧(圧力範囲) | 風量 | 用途の特徴 |
|---|---|---|---|
| 送風機(ファン) | 0~10kPa | 多い | 冷却、換気 |
| ブロワー | 10~100kPa | 中程度 | 空気搬送、集塵 |
| コンプレッサー | 100kPa以上 | 少ない | 圧縮空気供給 |
💡 ポイント
送風機(ファン)の種類と特徴
送風機は、主に軸流ファンと遠心ファンに分かれます。
軸流ファン(プロペラファン)
✅ 特徴
🔍 主な用途
- 機械の冷却(放熱)
- 換気設備(工場・ビル)
- 熱交換機(空調)
📌 例
パソコンの冷却ファン、エアコンの室外機ファン
遠心ファン(ターボファン)
✅ 特徴
🔍 主な用途
- ダクトを使った換気・排気
- ボイラー・焼却炉の送風
- 工業用乾燥機
📌 例
集塵機、乾燥炉
ブロワーの種類と特徴
ブロワーは、風圧が高めで空気の搬送や集塵などに適した機械です。
主に以下の種類があります。
ルーツブロワー(ロータリーブロワー)
✅ 特徴
🔍 主な用途
- 工場のエア搬送(粉体・粒体)
- 水処理設備の曝気
- ガスの供給(燃焼用エア)
ターボブロワー
✅ 特徴
🔍 主な用途
- 半導体製造装置のクリーンルーム
- 空調設備の大規模送風
- 排気ガス処理設備
サイドチャネルブロワー(リングブロワー)
✅ 特徴
🔍 主な用途
- 小型機器のエア供給
- 真空吸着システム
- バキュームポンプの代替
ブロワーの活躍!冷却装置と埃飛ばしの知られざる役割
ブロワーと聞くと、「工場で空気を送る装置」というイメージが強いですが、
実は私たちの身近なところでも大活躍しています。
特に、「冷却装置」と「埃飛ばし」 の分野では、
意外なほど重要な役割を果たしています。
本項では、ブロワーがどのように冷却や埃飛ばしに使われるのかを、
分かりやすく解説します。
ブロワーを使った冷却装置とは?

ブロワーの風を使って、熱くなった機械や部品を冷やす装置が
「エアブロワー冷却装置」です。
例えば、こんな場面で活躍しています。
工場の機械の冷却
工場の機械は、動かしているとどんどん熱を持ちます。
そのままだと部品が劣化したり、最悪の場合、故障してしまうことも…
そこで、ブロワーの出番!
勢いのある風を当てることで、熱を素早く逃がし、
機械を正常な温度に保つことができます。
📌 使用例
食品の急速冷却
食品業界でも、ブロワーが活躍しています。
例えば、パンやお菓子の製造ラインでは、
焼き上がった直後の製品を急速に冷やすために
エアブロワーを使用します。
熱をすぐに取ることで、品質を安定させ、湿気やベタつきを防ぐことができます。
📌 使用例
半導体・電子機器の冷却
スマホやパソコンの内部には、小型のファンがついていますが、
大規模な製造ラインではブロワーを使って冷却します。
特に、半導体や電子部品の製造工程では、
温度管理が重要なので、
風量・風圧の調整ができるブロワーが欠かせません!
📌 使用例
ブロワーを使った埃飛ばしの活用

さて、次はブロワーのもう一つの得意技、
「埃飛ばし」について紹介します!
実は、ブロワーは「ゴミを吸い取る」のではなく、
「風の力で吹き飛ばす」ことに特化しているんです。
自動車の塗装前処理
車のボディに塗装をする前には、
必ず埃を除去 しなければなりません。
もし、埃やゴミがついたまま塗装すると、
仕上がりが汚くなったり、
塗装が剥がれやすくなってしまいます。
そこで、ブロワーを使って車体を吹き飛ばし、
表面を綺麗にしてから塗装を行います!
📌 使用例
工場や倉庫の清掃
ブロワーは、掃除機のようにゴミを吸い取るのではなく、
風の力で埃を吹き飛ばして集めることができます。
特に、床や機械の隙間に溜まった埃を一気に吹き飛ばすのに便利です!
📌 使用例
農業・畜産での活用
農業でもブロワーは大活躍!
例えば、収穫した野菜や果物の表面に付いた土や埃を飛ばして、
綺麗にするのに使われています。
また、畜産業では、鶏舎や豚舎の埃や羽毛を
吹き飛ばして清掃するのにも使用されます。
📌 使用例
ブロワーは、ただ風を送るだけの装置ではありません。
「冷却装置」としても、「埃飛ばし」としても、
私たちの身近なところで活躍しています!
ブロワーの用途まとめ
| 用途 | 具体的な使用例 |
|---|---|
| 冷却装置 | 機械の排熱、食品の冷却、電子機器の温度管理 |
| 埃飛ばし | 塗装前の処理、工場の清掃、農業・畜産の清掃 |
ブロワーの埃飛ばしとイオナイザーの併用について
機械設計において、製品や部品の表面に付着した埃や異物を除去することは、
品質や精度を維持するうえで重要です。
特に、電子部品や光学機器、塗装前のワークなど、
微細な埃が問題となる場面では、
単にブロワーで埃を飛ばすだけでは不十分な場合があります。
そこで、ブロワーとイオナイザー(静電気除去装置)を併用することで、
より効果的に埃を除去 できます。
本項では、その仕組みと利点について詳しく解説します。
ブロワー単体での埃飛ばしの限界
ブロワーは高速のエアーを噴射することで埃やゴミを吹き飛ばす装置です。しかし、以下のような課題があります。
静電気による再付着
プラスチックやガラス、フィルムなどの素材では、静電気によって埃が強く付着している場合があります。ブロワーで吹き飛ばしても、すぐに別の場所に埃が吸い寄せられてしまうことがあります。
空気の乱流による拡散
ブロワーのエアーで埃を吹き飛ばしても、周囲に舞い上がってしまい、逆に製品表面へ再付着することがあります。
イオナイザーとの併用で解決!
イオナイザーは、空気中にイオンを
放出することで静電気を中和し、
埃を浮遊しやすくします。
この機能をブロワーと組み合わせることで、
より効果的に埃を除去できます。
静電気を中和 → 埃を飛ばしやすくする
イオナイザーは、プラスとマイナスのイオンを発生させ、
帯電した物体の静電気を中和します。
これにより、静電気で吸着されていた埃が自然に浮き、
ブロワーのエアーで簡単に除去できます。
再付着の防止
静電気が原因で埃が再付着する問題も、
イオナイザーの作用によって軽減できます。
特に、精密機器や光学レンズ、フィルムなどの
製造現場では、この対策が重要です。
ブロワーとイオナイザーの組み合わせ例
| 用途 | ブロワー単体 | ブロワー+イオナイザー |
|---|---|---|
| 電子部品の埃除去 | 静電気で埃が残る | 静電気を除去して確実に埃を除去 |
| フィルム・樹脂シートの清掃 | 再付着のリスクが高い | 静電気を抑えて飛ばしやすくする |
| 塗装前のワーク清掃 | 微細な埃が残りやすい | 均一な仕上がりに貢献 |
| 精密機器の埃除去 | 取り切れない場合あり | より確実な除去が可能 |
適切な装置の選定ポイント
| 項目 | 選定ポイント |
|---|---|
| ブロワーの風量 | 埃の種類やワークの大きさに合わせて選定 |
| エアーブロワー ファンブロワー | 強力な除去ならエアーブロワー、広範囲ならファンブロワー |
| イオナイザーの種類 | 除電ブロワー型(広範囲)or ノズル型(局所除電) |
| 設置位置 | ブロワーの前にイオナイザーを設置し、静電気を除去した後に吹き飛ばす |
ブロワーとイオナイザーを併用することで、
静電気による埃の再付着を防ぎつつ、
確実に異物を除去 できます。
特に、精密機器・電子部品・光学製品・塗装工程 などでの埃除去には、
ブロワー単体よりも圧倒的に効果的です。
埃による不良や品質低下を防ぐために、
用途に応じた最適なブロワーとイオナイザーの組み合わせを検討しましょう!
ブロワー・送風機の選定ポイント
風量と圧力のバランス
設置環境に適した選定
メンテナンス性とランニングコスト
まとめ:用途に応じた最適な選定を!
| 用途 | 推奨機種 |
|---|---|
| 冷却・換気 | 軸流ファン |
| 乾燥・集塵 | 遠心ファン |
| エア搬送(粉体・粒体) | ルーツブロワー |
| クリーンルーム・排気設備 | ターボブロワー |
| 真空吸着・低圧搬送 | サイドチャネルブロワー |
適切なブロワー・送風機を選定することで、
エネルギー効率の向上・設備の長寿命化・メンテナンスコストの削減が実現できます!
💡 最後にワンポイント!
「風量が足りない」「圧力が不足している」と感じたら、
ブロワーや送風機の種類を見直すことで改善できる可能性が高いです!
用途に合った選定を行い、最適なエアシステムを構築しましょう!

モーターやアクチュエーターなど、
機械の駆動源に関する基礎知識と
選定基準をまとめています。




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