【深さ測定】デプスゲージの選定ポイントと注意点【ミツトヨ】

図面・CAD

部品の寸法測定では、長さや直径だけでなく、穴の深さや溝の深さを正確に測る必要があります。
このような深さ測定に特化した測定具がデプスゲージ(Depth Gauge)です。

本記事では、デプスゲージの種類や特徴、選定ポイント、使用時の注意点について詳しく解説します。


デプスゲージとは?

デプスゲージ(Depth Gauge)は、部品の穴の深さや溝の深さを測定するための測定工具です。
ノギスやマイクロメーターでは測れない、垂直方向の寸法測定を行うのに最適です。

用途:穴、溝、段差の深さ測定
測定範囲:数ミリ~数百ミリまで対応(モデルによる)
測定精度:±0.02mm~±0.001mm(種類による)


デプスゲージの種類と特徴

デプスゲージには用途に応じた様々な種類があります。
主な種類とそれぞれの特徴を見ていきましょう。

ノギス型デプスゲージ

📌 特徴:ノギスの測定部を利用して深さを測定するタイプ

低コストで導入しやすい
0.05mm程度の精度が必要な測定に向いている
測定範囲が広い(最大300mm以上のモデルもあり)

👉 用途:一般的な穴や溝の深さ測定


マイクロメーター型デプスゲージ

📌 特徴:マイクロメーターのスピンドルを使い、高精度に深さを測定するタイプ

測定精度が高い(±0.001mmクラス)
小さい穴や精密部品の測定に最適
デジタル表示タイプもあり

👉 用途:精密加工部品の深さ測定、金型加工など


ダイヤルゲージ型デプスゲージ

📌 特徴:ダイヤルゲージを使い、瞬時に測定値を読み取れるタイプ

測定値がアナログで直感的に分かる
バネ荷重により一定の測定圧が保たれる
変位測定(部品の歪みなど)にも活用可能

👉 用途:深さ変動の測定、組立時の段差測定


デジタルデプスゲージ

📌 特徴:デジタル表示で測定値を簡単に読み取れるタイプ

数値を即座に確認でき、読み取りミスがない
データ転送機能付きモデルもあり、品質管理に最適
クーラントプルーフ(防水)仕様のものもあり

👉 用途:大量測定が必要な現場、品質管理のデータ記録


デプスゲージの選定ポイント

デプスゲージを選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

(1) 測定範囲

浅い溝や穴(~50mm程度) → ノギス型やマイクロメーター型が適用
深い穴(50mm以上) → ダイヤル型やデジタル型が適用

(2) 測定精度

一般測定(±0.05mm以内) → ノギス型デプスゲージ
精密測定(±0.001mm以内) → マイクロメーター型デプスゲージ

(3) 測定環境

屋外・油がかかる環境 → クーラントプルーフ仕様が望ましい
データ記録が必要な場合 → デジタルタイプ(PC接続可)を選択


デプスゲージの使用時の注意点

デプスゲージの測定精度を確保するためには、適切な使い方と管理が重要です。

測定面をきれいにする
測定前に穴や溝にゴミや切削油がないか確認しましょう。異物があると測定誤差の原因になります。

測定器の軸を垂直にする
測定時にデプスゲージが傾かないように注意し、常に垂直に当てるようにしましょう。

定期的な校正を行う
デプスゲージは使用を続けると摩耗し、精度が低下します。定期的にマスターゲージで校正することが大切です。


デプスゲージのメーカー「ミツトヨ」について

測定工具の世界的リーディングカンパニーである**ミツトヨ(Mitutoyo)**は、高精度な計測機器を提供する日本の企業です。
特に、**デプスゲージ(Depth Gauge)**の分野でも、優れた製品を多数展開しており、国内外の製造業で広く活用されています。

本記事では、ミツトヨのデプスゲージの特徴や種類、選定ポイントについて詳しく解説します。


ミツトヨとは?

ミツトヨは、1934年に創業した日本の計測機器メーカーで、ノギスやマイクロメーターをはじめとする精密測定機器を数多く開発・販売しています。
その高い品質と精度は世界的に評価されており、多くの製造業や研究機関で使用されています。

創業:1934年
本社:日本(神奈川県川崎市)
主な製品:ノギス、マイクロメーター、デプスゲージ、三次元測定機など
強み:高精度・高耐久の測定工具、ISO規格準拠の信頼性


ミツトヨのデプスゲージの特徴

ミツトヨのデプスゲージは、以下のような特徴を持っています。

高精度な測定が可能

ミツトヨのデプスゲージは、精密加工技術により高い測定精度を実現しています。
特に、±0.001mm単位の測定が可能なモデルもあり、精密部品の測定に適しています。

耐久性が高く長期間使用できる

ミツトヨのデプスゲージは、高品質な素材と精密加工技術を採用しており、摩耗や経年劣化に強い設計がされています。
定期的なメンテナンスを行えば、長期間にわたって高い精度を維持可能です。

デジタル・アナログの両タイプを展開

ミツトヨでは、アナログ(目盛式)とデジタル(電子式)の両方のデプスゲージをラインナップしています。
これにより、用途や測定環境に応じて最適なモデルを選択可能です。

豊富な測定範囲とモデル

ミツトヨのデプスゲージは、小型部品の測定から大きな加工物の測定まで対応できるよう、多彩な測定範囲のモデルが用意されています。


ミツトヨのデプスゲージの主な種類

ミツトヨは、多様なニーズに応じた複数のデプスゲージを提供しています。
以下に、代表的なモデルを紹介します。

アナログ式デプスゲージ(ノギス型)

📌 特徴

  • 目盛り式で電源不要
  • 手軽に測定が可能
  • 一般的な深さ測定に最適

代表モデル:「129シリーズ アナログデプスゲージ」
測定範囲:0~150mm、0~200mm など
最小目盛:0.02mm

👉 用途:一般的な穴や溝の深さ測定


デジタルデプスゲージ

📌 特徴

  • デジタル表示で数値を簡単に読み取れる
  • 測定データを転送可能(USB・Bluetooth対応モデルあり)
  • 誤読を防ぎ、作業効率が向上

代表モデル:「571シリーズ ABSデジタルデプスゲージ」
測定範囲:0~150mm、0~300mm など
最小表示:0.01mm
IP67防水仕様モデルあり(耐環境性向上)

👉 用途:高精度な測定、データ記録が必要な場面


マイクロメーター型デプスゲージ

📌 特徴

  • マイクロメーター機構を採用し、高精度な深さ測定が可能
  • ±0.001mmの測定精度を実現
  • 細かい溝や狭い部分の測定に適している

代表モデル:「129シリーズ マイクロメーターデプスゲージ」
測定範囲:0~25mm、0~50mm など
最小目盛:0.001mm

👉 用途:精密加工部品や金型の深さ測定


ダイヤルデプスゲージ

📌 特徴

  • ダイヤルゲージを使用し、直感的に数値を確認できる
  • 小さな変位の測定に最適
  • 連続測定に強い

代表モデル:「7シリーズ ダイヤルデプスゲージ」
測定範囲:0~100mm など
最小目盛:0.01mm

👉 用途:段差測定、金型の変位測定


ミツトヨのデプスゲージの選び方

ミツトヨのデプスゲージを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

測定精度:高精度(±0.001mm)が必要ならマイクロメーター型やデジタル型が最適
測定範囲:深さに応じて適切な測定範囲のモデルを選択
表示方式:アナログ(目盛)かデジタル(電子表示)か
使用環境:防水・防塵仕様(IP67)モデルが必要か


ミツトヨは、世界的に信頼される計測機器メーカー
デプスゲージは、精度・耐久性・ラインナップが豊富
デジタル・アナログ・マイクロメーター型など、多彩なモデルを展開
測定精度や測定範囲、使用環境に応じた選定が重要

ミツトヨのデプスゲージは、機械設計・加工の現場において精密測定を支える重要な工具です。
適切な製品を選び、正しく使用することで、高精度な測定と品質管理を実現できます。

まとめ

デプスゲージは、穴や溝の深さ測定に特化した測定工具
ノギス型、マイクロメーター型、ダイヤル型、デジタル型など種類が豊富
測定範囲・精度・環境に応じて最適なモデルを選定することが重要
測定誤差を防ぐために、測定面の清掃や正しい使い方を心がける

デプスゲージは、機械設計や加工の現場で重要な測定工具です。
適切な種類を選び、正しく使用することで、高精度な測定が可能になります。


はじめ
はじめ

図面とCADはアイデアを具体的な形にし、設計意図を正確に伝えるための重要な手段です。

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