機械設計において、静電気の影響を受ける製品や工程では、
イオナイザー(静電気除去装置) が重要な役割を果たします。
静電気が原因で発生するトラブル(埃の付着・異物混入・放電による故障など)を
防ぐために、適切なイオナイザーを導入することで、
品質向上と生産効率の向上が可能になります。
本記事では、イオナイザーの活用方法と
選定ポイント について詳しく解説します。
イオナイザーとは?
イオナイザー(Ionizer)とは、
空気中にプラスイオンとマイナスイオンを放出し、
物体表面の静電気を中和する装置 です。
静電気を効果的に抑えることで、
以下のような問題を解決できます。
イオナイザーの活用方法
静電気による埃の付着防止
静電気によって埃や異物が付着すると、
製品の品質低下や後工程でのトラブルにつながります。
🔍 対策
ブロワー + イオナイザーの併用 で
静電気を除去しながら埃を飛ばす
🔹 活用例
静電気放電(ESD)の防止
半導体や電子機器の基板に静電気が蓄積すると、
放電が発生し、電子回路が損傷する可能性があります。
🔍 対策
作業台や搬送ラインにイオナイザーを設置し、ESDリスクを低減
🔹 活用例
フィルム・シート材料の搬送トラブル防止
薄いフィルムや樹脂シートは静電気によって貼り付いたり、
搬送時に絡まることがあります。
🔍 対策
コンベア上にイオナイザーを設置し、材料のスムーズな移動を確保
🔹 活用例
静電気による加工不良の防止
放電によるスパークや、埃の付着による不良を防ぐために、
加工機や測定装置周辺にイオナイザーを設置する。
🔍 対策
工作機械や測定機器にイオナイザーを配置し、安定した加工・測定を実現
🔹 活用例
なぜ静電気があると埃や異物がくっつくの? わかりやすく解説!
「気がついたらテレビやパソコンの画面が埃だらけ…」
「プラスチック製品を触ると、細かいゴミがくっつく…」
こんな経験、ありませんか? 実はこれは 静電気 が原因です!
では、なぜ静電気があると埃や異物がくっつきやすくなるのでしょうか?
静電気とは?
静電気とは、物の表面にたまった電気 のこと。
特に、プラスチックやガラスなどの絶縁体は
電気を逃がしにくい ため、静電気がたまりやすくなります。
例えば、冬にセーターを脱ぐと「バチッ!」とくるのも静電気 ですね。
静電気が埃や異物を引き寄せる理由
静電気には「引き寄せる力」がある!
静電気が発生すると、周りの埃や異物が 電気の力(クーロン力) で引き寄せられます。
埃や異物も微弱な電気を持っている!
埃や小さな異物も プラスやマイナスの電気を帯びている ため、
反対の電気を持つ物にくっつきやすくなります。
静電気による埃・異物付着を防ぐには?
💡 湿度を上げる(加湿する)
→ 空気中の水分が増えると、静電気が逃げやすくなる!
💡 イオナイザー(静電気除去装置)を使う
→ 電気を中和して、静電気を抑える!
💡 ブロワーで埃を飛ばす
→ 静電気でくっついた埃を吹き飛ばす!
静電気があると、埃や異物が電気の力で引き寄せられる!
湿度管理・イオナイザー・ブロワーを活用すると静電気対策ができる!
静電気をコントロールすれば、
埃がつきにくい清潔な環境を保つことができます!
イオナイザーとブロワーの併用で効率的な静電気対策と埃除去!
工場や生産ラインでは、静電気による埃の付着や異物混入
が製品の品質に大きな影響を与えます。
これを防ぐために有効なのが、イオナイザーとブロワーの併用 です。
イオナイザーとブロワー、それぞれの役割
単体使用の問題点
併用するメリット
✨ 静電気と埃を同時に除去!
- イオナイザーで静電気を除去
(埃を付着しにくくする) - ブロワーで埃を吹き飛ばす
(異物混入を防ぐ) - 静電気の再発生を防ぎ、清潔な状態を維持
🎯 活用例
効果的な設置方法
「イオナイザーブロワー」を使用(静電気除去+エアブローが1台で可能)
イオナイザー → ブロワーの順に設置(埃を効率よく飛ばす)
集塵機と併用するとさらに効果UP!
イオナイザー+ブロワーの併用 で、静電気の問題を解決しながら埃も除去!
品質向上・作業効率UPのために、最適な組み合わせを選定しましょう。
イオナイザーの選定ポイント
イオナイザーの種類を選ぶ
| 種類 | 特徴 | 適用例 |
|---|---|---|
| バー型イオナイザー | 広範囲の除電が可能 | フィルム 搬送ライン 塗装工程 |
| ノズル型イオナイザー | ピンポイントで強力な除電 | 精密部品の除電 狭いスペース |
| ファン型イオナイザー | 局所的に除電しつつ、空気を循環 | 作業台 検査工程 |
| ブロワー型イオナイザー | エアーで埃を吹き飛ばしつつ除電 | 組立ライン 清掃工程 |
風量・風速を調整できるか
ブロワー型やファン型の場合、
風量・風速調整機能 があると用途に応じた除電が可能
イオンバランス(±のイオンの均衡)
イオンバランスが崩れると、
逆に静電気を帯びる可能性があるため、
自動補正機能付き の機種が望ましい
メンテナンスのしやすさ
イオン発生部の電極針の清掃が簡単 であるか
(汚れによって性能が低下する)
フィルター付きの機種なら、埃の侵入を防ぎ長期間安定稼働
設置スペースに適合するか
まとめ
イオナイザーは、静電気による品質トラブルを防ぎ、
安定した製造・加工環境を実現する重要な機器です。
▶ 埃の付着防止 には、ブロワーと組み合わせる
▶ ESD対策 には、作業台や搬送ラインに設置
▶ 搬送トラブル防止 には、バー型やノズル型のイオナイザー
▶ 加工や測定の安定性向上 には、ファン型や局所除電型
適切なイオナイザーを選定し、トラブルを未然に防ぐことで、
製品の品質向上と生産性の向上につなげましょう!

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