製造ラインや自動機において、ワーク(加工物)を正確な位置に
回転・移動させる装置 が必要になることがあります。
その際に活躍するのが 「インデックスユニット」 です。
本記事では、インデックスユニットの基本的な役割、特徴、種類、
そして活用方法について、わかりやすく解説します。
インデックスユニットとは?
インデックスユニットとは、
一定角度ごとに正確に回転・停止を繰り返す機構 のことを指します。
主に 自動組立機や加工機、搬送装置 で使用され、
ワークを一定の間隔で移動させる役割を担います。
例えば、ボトルのキャップ締め機 や 電子基板の部品挿入装置 などで、
ワークを決められた位置へ正確に移動させるために使われます。
インデックスユニットの特徴
インデックスユニットには、以下のような特徴があります。
高い位置決め精度
インデックスユニットは、機械的なカムやギアによって正確な角度で停止するため、高精度な位置決め が可能です。
繰り返し精度が高い
停止位置のズレが少なく、
何度も同じ動作を繰り返しても誤差が小さい のが特徴です。
高速動作が可能
カム式インデックスユニットなどは、
高速での回転・停止をスムーズに行うことができ、生産性の向上に貢献 します。
耐久性が高い
機械的なカムやギアを用いるため、
シンプルな構造でありながらも耐久性が高く、長寿命 です。
インデックスユニットの主な種類
カム式インデックスユニット(ローラーギアカム方式)
カム式の特徴
🔍用途
ラチェット式インデックスユニット
ラチェット式の特徴
🔍用途
モーター制御式インデックスユニット(サーボモーター式)
モーター制御式の特徴
🔍用途
インデックスユニットの活用方法
インデックスユニットは、さまざまな場面で活用されています。
自動組立機での活用
電子部品の挿入やねじ締めなど、
複数の作業を順番に行う装置 に
インデックスユニットが組み込まれます。
🔍例)
スマートフォンの組み立てライン
- インデックスユニットがワーク(スマートフォン本体)を一定角度で回転
- 各ステーションでカメラや基板の組み立てを実施
- 最終的に完成品が搬出される
加工機でのワーク回転
CNC旋盤などの自動工具交換機構(ATC) にも
インデックスユニットが使用されます。
🔍例)
自動旋盤でのワーク位置決め
- ワークをセット
- インデックスユニットで90°回転
- 別の面の加工を開始
- 次の工程へスムーズに移行
搬送ラインの位置決め
ベルトコンベアではなく、
円形のインデックステーブルを用いた搬送装置 でも
インデックスユニットが活躍します。
🔍例)
食品工場での活用
- お菓子のパッキング工程で、
インデックステーブルが製品を一定間隔で送り出す - 包装機や検査機へ正確に搬送
インデックスユニット選定時の注意点
インデックスユニットを選定する際には、以下の点に注意しましょう。
回転角度とステップ数を考慮
必要な回転角度や停止位置の数に応じて、最適なタイプを選ぶ。
動作速度と負荷のバランス
高速で動かしたい場合はカム式、
柔軟に制御したい場合はモーター制御式を選ぶ。
メンテナンス性を確認
ラチェット式は簡単な保守で済むが、
高精度なカム式は定期的なグリスアップが必要。
コストと精度のバランス
高精度が求められる場合はカム式やモーター制御式を選び、
コストを抑えたい場合はラチェット式を検討。
インデックスユニットの間欠動作とは?
インデックスユニットの最大の特徴は 「間欠動作(かんけつどうさ)」 です。
これは、ワーク(加工物)を
決められた角度ずつ回転・停止を繰り返す動作 のことを指します。
例えば、時計の秒針 をイメージすると分かりやすいでしょう。
秒針は 1秒ごとにカチッと動いては止まる を繰り返しますよね。
これが 間欠動作 です。
本項では、間欠動作の基本原理や仕組み、
代表的な動作パターンをわかりやすく解説します!
間欠動作とは?
間欠動作の基本
インデックスユニットの動作は 「回転(移動)」と「停止」 を交互に繰り返します。
この動作を 間欠動作(Intermittent Motion)と呼び、以下のような流れになります。
- 回転(移動)
→ ワークを一定角度だけ動かす - 停止
→ 次の加工や作業が終わるまで静止 - 再び回転(移動)
→ 次の位置へ移動
このように 「動く → 止まる → 動く」 を繰り返しながら、
正確に位置決めを行うのがインデックスユニットの特徴です。
間欠動作の代表的なパターン
間欠動作には 動き方のパターン があります。
代表的なものを3つ紹介します。
等速間欠動作
加減速間欠動作(カム方式)
可変間欠動作(サーボモーター制御)
インデックスユニットの間欠動作のメリット
高精度な位置決め
何度も同じ位置で停止できるので、
組立や加工のズレが少ない
作業の同期がとりやすい
他の工程とタイミングを合わせやすく、
自動化ラインでの活用 に最適
高速化が可能
カム式を使うことで、
短い時間で確実に動作 させられる
機械の負担が少ない
加減速を調整することで、
機械への衝撃を減らし、寿命を延ばせる
間欠動作を使う際の注意点
停止精度に注意
ラチェット式は位置ズレが発生しやすいため、
高精度な作業にはカム式を選ぶ
衝撃を抑える工夫が必要
急停止するとワークや装置に
ダメージを与える可能性があるため、
加減速制御を取り入れる
作業スピードとのバランスを考える
高速動作が必要ならカム式、
柔軟な動作が必要ならモーター制御式を選ぶ
インデックスユニットの間欠動作は、
ワークを決められた角度ずつ移動・停止する動作 であり、
機械設計において重要な役割を持ちます。
| 動作パターン | 特徴 | 使用例 |
|---|---|---|
| 等速間欠動作 | 一定速度・一定間隔で動く | ボトリング装置 |
| 加減速間欠動作 | スムーズな動作で衝撃が少ない | 自動組立ライン |
| 可変間欠動作 | プログラム制御で柔軟に変更可能 | CNC工作機械 |

適切なインデックスユニットを選定し、
機械の性能を最大限に活かしましょう!
インデックスユニットの繰り返し精度が高い理由をわかりやすく解説!
インデックスユニットは、自動組立機や工作機械の回転テーブルなどに使われ、
ワーク(部品や製品)を一定角度ずつ正確に動かす 役割を果たします。
この装置が持つ最大の特徴のひとつが「高い繰り返し精度」です。
では、なぜインデックスユニットは
同じ位置に正確に停止できるのでしょうか?
繰り返し精度が高い理由とは?
カム機構による高精度な制御
インデックスユニットの多くは「カム機構」を利用しています。
カムは、滑らかな曲線を持つ部品 で、
決まった動きを正確に伝えることができます。
カムの特徴
そのため、一度決まった停止位置に対して、
常に同じ動きを再現できる のです。
機械的ロックで位置決めが安定
カム式インデックスユニットには、
停止時にガッチリと固定する機構 があります。
この仕組みにより、外部からの振動や負荷があっても、
ズレることなく同じ位置で止まる ことができます。
🔍例)
- マルタクロス機構
(時計の針のような動作) - カムフォロワーの接触方式
(常に密着して動く)
こうした機械的ロック機構があるため、
毎回正確に同じ場所に停止できるのです。
ガタつきの少ない高精度な部品を使用
インデックスユニットには、
高精度なベアリングやカムフォロワー が使われており、
部品のガタつきを最小限に抑えています。
これにより、動作中のブレが少なくなり、
何度動かしても同じ位置にピタッと止まることができます。
また、摩耗が少ない特殊な材質 を使うことで、
長期間にわたって精度を維持する工夫もされています。
高い繰り返し精度を活かした活用例
インデックスユニットの高い精度は、次のような場面で活躍します。
これらの用途では、
少しでも位置がズレると不良品が出る ため、
高い繰り返し精度が求められます。
注意点:高精度を維持するために必要なこと
いくらインデックスユニットが高精度でも、
適切な使い方をしなければ精度が低下 してしまいます。
特に、カムやベアリングの摩耗が進むと、
停止位置が微妙にズレてくる ため、定期的な点検が重要です。
カム機構を使った精密な動作制御 により、高い繰り返し精度を実現している
機械的ロック機構 があり、停止時にズレにくい
ガタつきの少ない高精度な部品 を使用し、正確な位置決めを可能にしている
正しく使えば、自動化ラインや精密加工で大活躍 する

インデックスユニットの繰り返し精度の高さを活かし、
生産ラインの効率化や品質向上 に役立てましょう!
まとめ
インデックスユニットは、ワークを一定角度ずつ
移動・停止する「間欠動作」 を実現する装置です。
主に自動組立ラインや搬送装置 で活用され、
高精度な位置決めや効率的な生産を可能にします。
インデックスユニットの主な特徴
▶ 間欠動作(動作→停止を繰り返す)で正確な位置決めが可能
▶ カム式、ラチェット式、マルタクロス式 などの機構で実現
▶ 高速・高精度な動作 により、生産ラインの最適化に貢献
主な用途
▶ 自動組立ライン(部品を一定位置で加工・組立)
▶ 充填機(ボトルの充填、キャッピング)
▶ 工作機械(CNCの回転テーブル)
導入時の注意点
▶ 必要な停止精度に応じた機構選定が重要
(カム式は高精度、ラチェット式は簡易的)
▶ 動作スピードとワークの負担を考慮する
(急停止による衝撃を抑える工夫が必要)
▶ 柔軟な動作制御が必要ならサーボモーター式も検討
インデックスユニットを適切に選定し、
生産効率の向上や機械の最適化 に役立てましょう!




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