機械図面においては、必要最小限の図で正確な形状や寸法を伝えることが大切です。その中でも、寸法補助記号「φ(ファイ)」はとても重要な役割を果たします。
今回は、「φ記号を使えば、側面図を省略できるケースがある」というポイントについて解説します。
φ記号の意味とは?
「φ(ファイ)」は、円や円筒の直径を示す記号です。たとえば、正面図に「φ20」と記載されていれば、直径20mmの丸い形状(円または円柱)を意味します。
正面図のφ記号で軸形状が明確に
機械図面においては、必要最小限の図で正確な形状や寸法を伝えることが大切です。その中でも、寸法補助記号「φ(ファイ)」はとても重要な役割を果たします。
今回は、「φ記号を使えば、側面図を省略できるケースがある」というポイントについて解説します。
正面図だけで形状がわかるケース
図面では、通常「正面図」「側面図」「上面図」など複数の視点から描かれますが、φ記号がある場合、以下のように側面図を省略できることがあります。
🔍 例) 軸部品(円柱形状)
- 正面図に「φ50 × 100」と書かれている
→ 直径50mm、長さ100mmの円柱形状(軸)を意味する - 真ん中にφ25の穴が書かれている
- 直径が明記されており、かつ円柱形状であることが明確

この場合、あえて側面図を描かなくても、設計者や加工者にとって十分理解できる情報が得られるため、側面図は省略可能です。
側面図を省略するメリット
▶ 図面がスッキリする
→ 不要な図を省略することで見やすくなります。
▶ 作図時間の短縮
→ 必要最小限の情報で済むため、作成も効率的になります。
▶ 情報の重複を避けられる
→ 同じ情報を複数の視点で繰り返す必要がなくなります。
側面図が必要になるケースは?
ただし、以下のような場合には側面図が必要です。
- 軸の側面加工やキー溝などがある場合
- 円柱の一部が切り欠かれている形状など、正面図だけではわかりにくい場合
項目 | コンテンツ |
---|---|
φ記号の意味 | 円・円筒の「直径」を表す記号 |
省略できる条件 | φ記号だけで軸形状が完全に把握できるとき |
省略のメリット | 図面が簡潔に、作図効率もアップ |
省略できない場合 | 段付き、溝、特殊な切欠きがある場合など |
「φ記号で軸形状が明確にわかる場合は、側面図を省略できる」という考え方は、図面を効率よく作成・読み取るうえで重要なポイントです。

はじめ
必要な情報を過不足なく伝えることが、良い図面の基本です。
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