機械設計や製造現場では、作業効率を向上させるために
エアツール(空圧工具)が広く活用されています。
エアツールは、軽量・高トルク・耐久性が高いといった特長を持ち、
電動工具に比べて多くの利点があります。
本記事では、エアツールの種類と用途、
導入時のポイントについて詳しく解説します。
エアツールとは?
エアツール(空圧工具) は、圧縮空気を動力源として作動する工具のことです。
主にコンプレッサーから供給される圧縮空気を利用して動作し、
電動工具とは異なる特性を持っています。
✅ エアツールの主なメリット
これらの特性から、機械加工、組み立て、
研磨・研削、塗装など幅広い分野で活用されています。
エアツールの主な種類と用途
エアツールには多くの種類があり、それぞれ異なる用途で活用されます。
ここでは代表的なエアツールとその特徴について紹介します。
エアインパクトレンチ(Air Impact Wrench)
🛠️ 用途:ボルト・ナットの締め付け&取り外し
🔍 使用例
自動車のホイールナットの取り外し、工場設備のメンテナンス
エアラチェットレンチ(Air Ratchet Wrench)
🛠️ 用途:狭いスペースでのボルト・ナットの締め付け
🔍 使用例
自動車整備、精密機器の組み立て
エアドライバー(Air Screwdriver)
🛠️ 用途:ネジの締め付け&取り外し
🔍 使用例
電子機器や機械部品の組み立てライン
エアグラインダー(Air Grinder)
🛠️ 用途:金属や樹脂の研磨・バリ取り・切削
🔍 使用例
鋳物や金属部品のバリ取り、溶接後の仕上げ
エアリューター(Air Die Grinder)
🛠️ 用途:精密研削・彫刻・バリ取り
🔍 使用例
金属部品のバリ取り、彫刻、プラスチック成形品の仕上げ
エアサンダー(Air Sander)
🛠️ 用途:表面の研磨・仕上げ
🔍 使用例
自動車の塗装前研磨、家具の仕上げ
エアスプレーガン(Air Spray Gun)
🛠️ 用途:塗装作業
🔍 使用例
自動車ボディの塗装、金属部品の塗装
エアブローガン(Air Blow Gun)
🛠️ 用途:ゴミ・切粉・ホコリの除去
🔍 使用例
切削加工後のワーク清掃、塗装前のホコリ除去
エアツールの給油について:適切なメンテナンスで長寿命化を実現!

エアツールを長期間にわたって快適に使用するためには、適切な給油が不可欠です。
給油を怠ると、動作不良・寿命短縮・トラブルの原因となります。
本項では、エアツールの給油の重要性・方法・注意点について詳しく解説します!
なぜエアツールには給油が必要なのか?
エアツールは、圧縮空気の力で内部の部品を高速回転または駆動させる工具です。
しかし、エア供給に伴い以下の問題が発生することがあります。
❌ 給油を怠ると起こるトラブル
✅ 適切な給油を行うと…
エアツールの給油方法
エアツールの給油には、手動で行う方法と自動で行う方法があります。
ここでは、それぞれの方法を詳しく解説します。
手動でオイルを注入する方法(簡単&確実)
もっとも一般的な方法で、多くの作業現場で行われています。
🔧 給油の手順(手動給油)
- エアツールの使用前 or 使用後に給油する
- 最適なタイミングは使用前(動作をスムーズにする)
or
使用後(防錆効果を高める)
- 最適なタイミングは使用前(動作をスムーズにする)
- エアツールのエア接続口に専用オイルを数滴たらす(3~5滴が目安)
- エアツールを短時間(5秒程度)空回しする
- オイルが内部に行き渡り、適切な潤滑が得られる
- 余分なオイルが排出されるので、ウエス等で拭き取る
✅ この方法のメリット
🚨 注意点
ルブリケーター(自動給油装置)を使用する方法
作業頻度が高い場合や、
多数のエアツールを使用する現場では、
ルブリケーターを設置すると便利です。
🔧 ルブリケーターとは?
コンプレッサーからのエアライン上に設置し、
エアの流れに合わせて自動で適量のオイルを供給する装置。
✅ ルブリケーターのメリット
🚨 注意点
使用するオイルの選び方
エアツールには専用のエアツールオイルを使用するのが基本です。
市販の機械油やエンジンオイルを代用すると、
粘度や成分が合わず、故障の原因になります。
✅ 適したオイルの条件
🚨 使用NGなオイル
給油頻度の目安
エアツールの使用頻度によって給油の間隔を調整します。
💡 使用頻度ごとの給油目安
適切な給油でエアツールを長持ちさせよう!
🔹 エアツールは給油しないと摩耗やサビで寿命が縮む!
🔹 手動給油 or エアラインオイラーを活用して、適切なメンテナンスを行う
🔹 専用のエアツールオイルを使用し、他のオイルはNG!
🔹 使用頻度に応じて、こまめな給油を心がける!
エアツールの給油を習慣化することで、長期間にわたり安定した性能を維持できます。
日々のメンテナンスをしっかり行い、エアツールを最適な状態で活用しましょう!
エアツール導入のポイント
必要なエア供給量を確認する
エアツールはコンプレッサーからの供給エア量(L/min)を満たす必要があります。
例えば、エアグラインダー(250L/min)を使用するなら、
最低300L/min以上のコンプレッサーが必要です。
使用圧力に注意する
一般的なエアツールの使用圧力は 0.4~0.7MPa(4~7kgf/cm²) です。
コンプレッサーが適切な圧力を供給できるか確認しましょう。
ホース&レギュレーターを適切に選定する
エアホースの内径が細すぎると、
エア流量が不足し、ツールの性能が低下します。
また、レギュレーターを設置し、
ツールごとに適正なエア圧を調整するのが重要です。
オイル式 or オイルフリー式コンプレッサーを選ぶ
まとめ:エアツールの導入で作業効率UP!
エアツールは軽量・高トルクで作業効率を向上させる
エアインパクト・エアグラインダー・
エアドライバーなど用途に応じて選定する
適切なコンプレッサー・ホース・レギュレーターを導入し、
最適なエア供給環境を構築する
エアツールを活用すれば、作業の効率化と品質向上が実現できます!
導入を検討している方は、ぜひ最適なエアツールを選んでみてください。

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