製品をつくるときには、さまざまな部品が使われます。
どんな部品を、いくつ使うのかを整理しておかないと、部品の手配ミスや組立トラブルの原因に。
そこで重要なのが 「部品リスト(BOM)」 です。
この記事では、部品リストの役割やメリットを初心者にもわかりやすく紹介します。
部品リスト(BOM)とは?
BOM(Bill of Materials) は、
「製品を作るのに何の部品がいくつ必要か」を一覧にしたリストです。
たとえば、ロボットアームのBOMには、
モーター・ボルト・フレームなど、すべての部品名と数量が書かれています。
なぜ部品リスト(BOM)が必要なのか?
~ 組立・発注・設計変更がスムーズに!~

製品を作るには、たくさんの部品が必要です。
それをまとめて管理するのが 「部品リスト(BOM:Bill of Materials)」。
部品リストがあると、モノづくりが驚くほどスムーズになります。
理由①:組立作業がスムーズに!
部品リストがあれば、組立担当者は
「どの部品を、何個、どの順番で使うのか」がひと目でわかります。
🔧 組立現場では
- 必要な部品を見落とさない
- 順番どおりに効率よく作業できる
- ミスややり直しが減る
つまり、時間と手間を大幅に削減できます。
理由②:発注・在庫管理がしやすくなる!
購買や資材担当者も、BOMを見れば
「必要な部品」と「その数量」がすぐ分かります。
📦 このように役立ちます:
- 必要な部品を一括発注できる
- 在庫があるかすぐ確認できる
- 過不足によるトラブルを防げる
つまり、ムダな発注・在庫切れを防げるというわけです。
理由③:設計変更にも対応できる!
製品の設計は、試作や改善でよく変わります。
そんなときも、部品リストを更新するだけで変更内容を全体に反映できます。
✏ 設計変更時は…
- 増減した部品をすぐ共有できる
- 関係者全員が同じ情報を使える
- 古い部品を間違って使うリスクを減らせる
BOMがあれば、情報のズレが防げて安心です。
部品リスト(BOM)は、ただの一覧表ではありません。
設計・購買・組立すべてをつなぐ「設計情報のハブ」です。

作業の効率アップ、ミスの削減、設計変更への対応力――
モノづくりに関わるすべての人にとって、欠かせない仕組みです。
機械設計における部品リスト(BOM)に必要な項目とは?
~初心者でもすぐに理解できるBOMの基本構成~

モノづくりでは、どの部品が何個必要かを把握するために「部品リスト(BOM)」を作成します。
BOM(Bill of Materials)は、設計図面と並んで重要な設計資料のひとつです。
この記事では、機械設計においてBOMに最低限必要な項目とその意味を、初心者にもわかりやすく解説します。
1. 部品番号(品番)
各部品を識別するための番号です。
図面上のバルーン表示とリンクさせることで、どの部品かすぐに特定できます。
例: 001
, BLT-06020
, SHAFT-A-02
など
2. 部品名(名称)
部品の呼び名です。見ただけで何の部品かイメージしやすくなります。
例: ベースプレート
, 六角ボルト
, モーターカバー
3. 数量(必要数)
その部品を1台の製品をつくるのに何個使うかを示します。
組立・在庫管理・発注の基本になる重要な情報です。
例: 4個
, 1個
, 12個
4. 材質(材料)
部品の素材情報です。機能・強度・コストなどに関わります。
例: SS400
, SUS304
, A5052
, MCナイロン
5. 備考・仕様
ねじの長さ、処理、表面仕上げなど、特記事項を記載します。
例:
亜鉛メッキ処理
M6×20mm
黒アルマイト処理
6. 購買区分(外注/社内製)
その部品を外部から購入するのか、社内で製作するのかを区別します。
例:
購入品のメーカー、型式(標準部品)
社内加工品
支給品
7. 図面番号(リンク)
該当する部品の個別図面番号を記載することで、図面との追跡がしやすくなります。
例: DRW-001
, P-04567
その他、必要に応じて追加される項目(任意)
- 改訂番号(Rev.):設計変更の履歴管理に使用
- 納期・リードタイム:調達にかかる時間を把握
- 単価:コスト見積もりや見積書作成用
- 在庫番号・ロケーション:倉庫内の管理用
BOMは製品の「設計図」だけじゃない!
BOMは、設計者だけでなく、製造・購買・在庫管理・品質保証など、
製品づくりに関わるすべての人の共通言語です。

正確でわかりやすいBOMを作成することは、
「良い製品づくり」と「トラブル防止」の第一歩です。
部品番号とBOMの関係
~図面と部品表をリンクさせて、モノづくりをもっとスムーズに!~
製品を設計するうえで、図面と部品表(BOM:Bill of Materials)はとても大切な資料です。
この2つをつなぐカギになるのが 「部品番号」です。
部品番号とは?
部品番号とは、部品ひとつひとつに割り当てられる「識別用の番号」です。
たとえば、ボルト1本にも「BLT-06020」のように番号をつけます。
図面上では、部品ごとに番号をバルーン(丸囲み)などで示します。
これにより、どの部品がどこに使われているのか、視覚的に一目でわかるようになります。
図面とBOMをつなぐ「部品番号」
部品番号があることで、図面とBOMを正確にリンクできます。
- 図面を見る人は「バルーン番号」を見て、
- BOMからその部品の名前・数・材質などをすぐに確認できます。
- 組立や発注に関わる人は、BOMの情報だけで
- 図面のどこに使われているかがすぐわかります。
このように、部品番号が図面と部品表をつなぐ共通言語になるのです。
部品番号と部品リストの連携メリット
✅ 図面とBOMの整合性が取れる
✅ 作業者・購買担当者・設計者の情報共有がスムーズ
✅ 設計変更や部品差し替え時も追跡が簡単
図面に部品番号を記載し、BOMと連携することは、
設計から調達・組立までの全体を効率化する基本のしくみです。

モノづくりの現場で混乱を防ぎ、正確で無駄のない作業を実現するためにも、
部品番号とBOMの連携を正しく理解しておきましょう!
まとめ:部品リストは“モノづくりの設計図の一部”
部品リストは、設計図と同じくらい大切な情報です。
部品の種類や数量を正しく把握することで、発注ミスや組立ミスを防ぎ、
設計変更にもスムーズに対応できます。
正確なBOMを作ることは、モノづくり全体の効率と品質を大きく左右する、
とても重要なステップなのです。
BOMの管理は設計者だけでなく、製造・資材・品質など
全社で共有される重要情報です。
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