CAD作業では、マウスとキーボードを頻繁に行き来するため、右手の負担が大きくなりがちです。
特にテンキー入力が多い場面では、右手でマウスを握ったままテンキーまで移動する動作が何度も発生します。これが積み重なると、作業効率の低下や疲労の原因になります。
そこでおすすめなのが、テンキーレスキーボード+左手テンキーの組み合わせです。
CAD操作において右手が忙しすぎる理由と対策
CADソフトを使って作図やモデリングをしていると、多くの人が感じるのが「右手が休まらない」ということです。
なぜそんな状況になるのでしょうか?そして、どうすれば改善できるのでしょうか?

右手の負担が大きくなる理由
CAD操作では、右手がほぼ常にマウス操作に使われます。
しかし、それだけではありません。
寸法入力やコマンド切り替えなどのキーボード操作も頻繁に行うため、右手は「マウス ⇔ キーボード」を行ったり来たりします。
この動作は数分では気にならないかもしれませんが、長時間作業では手首や肩に疲労がたまり、作業効率も低下します。
よくある右手の動きの流れ
- マウスで図面上の位置をクリック
- キーボードで数値、コマンド、文字入力(右手が移動)
- Enterを押す
- 再びマウスに戻って位置を指定
このように、右手が常に移動しているため「忙しい右手」状態になるわけです。
効率化のポイント
右手の負担を減らすには、「キーボード操作を左手に分担させる」工夫が有効です。
特に有効なのが、テンキーレスキーボード+左側テンキーの組み合わせです。

左側テンキー導入のメリット
- 数値入力を左手で行えるため、右手はマウスから離れない
- マウスとキーボードのホームポジションが近くなるので、手の移動量が減る
- 長時間作業でも肩や手首の疲労が軽減される
- 作業リズムが途切れず、効率アップ
CADでは右手に「マウス+キーボード操作」の両方を背負わせると負担が大きくなります。
テンキーを左に配置するだけで、右手はマウス操作に集中でき、作業効率も向上します。

「右手を休ませてあげる」=作業スピードと快適さの両立につながります。
テンキーレスキーボード+左手テンキーのメリット
1. テンキーレスでホームポジションが近づく
テンキーレスキーボードは右側にテンキーがないため、キーボードの幅が短くなり、マウスとの距離が近くなります。
これにより、右手を大きく動かす必要がなくなり、CAD操作のマウス⇔キーボードの行き来がスムーズになります。
2. テンキーは左側に設置して左手で操作
テンキーを左手側に置けば、数値入力は左手で担当、右手はマウス操作に専念できます。
これにより、右手の移動が減って効率が上がるだけでなく、右手の負担を軽減して疲れを防止できます。
3. 効率アップの理由
- 右手はマウスに固定 → 図面操作が途切れない
- 左手で数値入力 → 両手をフル活用
- マウスとキーボードの位置が近い → 動作距離が短く疲れにくい
左手テンキーのデメリットと注意点
~導入前に知っておきたいポイント~
CADや表計算などで右手の負担を減らすために「左手テンキー」を導入する人は増えています。
確かに効率アップの効果はありますが、メリットだけでなくデメリットもあります。
ここでは、導入前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
1. 慣れるまで時間がかかる
長年、右手でテンキーを操作してきた人にとって、左手で数値入力するのは最初かなり違和感があります。
脳が「数字入力=右手」という動きを覚えているため、最初は打ち間違いや入力スピード低下が起こりやすいです。
慣れるまで数日~数週間かかることもあります。
2. 左手の細かい操作性が落ちる
利き手ではない左手で素早く正確にテンキーを押すのは、慣れるまでは難しいです。
特に小数点や記号を多用する入力では、指が迷ったり押し間違えるリスクがあります。
3. ショートカットとの干渉
左手は通常、Ctrl・Shift・Altなどのショートカット操作に使うことが多いです。
左手テンキーを使うと、ショートカットキーとの同時押しがしにくくなる場合があります。
4. コストがかかる
通常のキーボードに加えてテンキーを別途購入する必要があるため、導入コストが発生します。
無線タイプや高品質モデルだと数千円〜1万円以上になることもあります。
5. 他の作業に戻ると混乱する
CAD以外の作業や別の職場で右手テンキー環境に戻ると、しばらく操作がぎこちなくなります。
左手テンキーに完全適応すると、右手テンキーが使いづらく感じる逆効果もあります。
左手テンキーは、慣れれば確かにCADや長時間作業の効率を上げられます。
しかし、慣れるまでの練習期間・デスク環境の調整・コストといったデメリットもあります。

導入する場合は、しっかり環境を整え、慣れるための時間を確保することが大切です。
おすすめキーボードとテンキー
テンキーレスキーボード
テンキー
まとめ
CAD作業は長時間の繰り返し動作が多く、小さな効率改善が大きな作業時間短縮につながります。
テンキーレスキーボード+左手テンキーという配置は、
✔ 作業効率の向上
✔ 右手負担の軽減
✔ 疲労の低減
という3つの効果が得られるおすすめの方法です。
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