機械設計では、材料にかかるさまざまな力を理解することがとても大切です。今回はその中でも 「曲げ力」 に注目し、どのように作用するのか、設計上のポイントなどを分かりやすく解説します!
曲げ力とは?
✅ 曲げ力(Bending Force)とは、材料を曲げる方向に作用する力のこと
✅ 棒や板の中央に力を加えたときに生じる「たわみ」が曲げ力の影響
✅ 橋や梁(はり)、シャフトなど、多くの機械部品に関係する力
例えば、以下のような場面で曲げ力が発生します。
📌 机の上に長い板を置いて、その上に重い物を置くと板がたわむ
👉 曲げ力がかかっている!
📌 鉄の棒を両手で持って押し曲げる
👉 曲げ力が発生している!
曲げ力が材料に与える影響
材料に曲げ力が加わると、上側と下側で異なる力が発生 します。
部位 | 作用する力 |
---|---|
上側 | 引張力(伸ばされる力) |
下側 | 圧縮力(押し潰される力) |
📌 曲げられる材料の外側(表面側)は引っ張られ、内側(裏面側)は圧縮される!
このため、材料の設計では「曲げ強度」を考慮する必要があります。
曲げ力を考慮した設計のポイント
曲げモーメントを理解する
曲げ力がかかると、「曲げモーメント」という力の大きさを考える必要があります。
🔹 曲げモーメントが大きいほど、たわみも大きくなる。
🔹 曲げモーメント = 力(N)× 腕の長さ(m)で計算できる。
💡 たわみを小さくしたいなら…
✅ 支点の間隔を短くする(長い梁よりも短い梁のほうがたわみにくい)
✅ 材料の断面を大きくする(板厚を厚くする、I型鋼を使う など)
曲げ強度の高い材料を選ぶ
材料によって「曲げ強さ」が異なります。
✅ 強度の高い材料を選べば、曲げに対する耐久性が上がる!
✅ 重量と強度のバランスを考慮することが重要!
H型鋼やパイプ構造を活用する
曲げに強い構造を選ぶことも重要です。
✅ H型鋼(I形鋼) → 上下に厚みがあり、曲げに強い
✅ パイプ構造 → 軽量なのに曲げ強度が高い
例えば、橋や建物の梁に H型鋼 がよく使われるのは、曲げ強度を高めるためです!
材料の「曲げ強さ」と「曲げ応力」を分かりやすく解説!
機械設計において、材料の「曲げ強さ」と「曲げ応力」は重要な概念です。これらを理解することで、構造物や部品の破損を防ぎ、適切な設計ができるようになります。
今回は、「曲げ強さ」と「曲げ応力」の違いや関係性を解説します!
曲げ強さとは?
✅ 曲げ強さとは、材料が曲げられたときに耐えられる最大の応力
✅ 材料の限界値を表し、それを超えると破壊する
✅ 単位:MPa(メガパスカル)または N/mm²
📌 身近な例
- 木の板に体重をかけると曲がるが、ある程度の力を超えると折れる
- 金属の棒を強く曲げると、最後には破断する
曲げ応力とは?
✅ 曲げ応力(Bending Stress)とは、外部から力が加わったときに材料内部に発生する応力
✅ 材料にかかる実際の力を示し、曲げ強さを超えると破壊する
📌 身近な例
- 長い板の両端を固定し、中央に荷重をかけると曲がる
- ハンガーを強く曲げると、曲がった部分に応力が集中する
曲げ強さと曲げ応力の関係
曲げ強さは「材料の限界値」、曲げ応力は「実際に発生する力」
📌 関係性を分かりやすく説明
- 曲げ応力 < 曲げ強さ → 材料は安全に使える
- 曲げ応力 = 曲げ強さ → ギリギリの状態(設計的に危険)
- 曲げ応力 > 曲げ強さ → 材料が破壊する!
📌 具体例(木の板のたわみ)
- 軽い荷物を載せる → 曲げ応力が小さく、破損しない
- 人が乗る → 曲げ応力が大きくなり、板がたわむ
- 重すぎる荷物を載せる → 曲げ強さを超え、板が折れる
設計におけるポイント
✅ 曲げ応力が曲げ強さを超えないように設計する!
✅ 材料の厚みや断面形状を工夫することで、曲げ強さを向上できる
✅ 安全率を考慮して、余裕のある設計をする
📌 対策例
- 厚みを増やす → 断面二次モーメントが増加し、曲げ応力を低減できる
- 異なる材料を選ぶ → より曲げ強さの高い材料を使用する
- 補強リブを追加する → 構造を強化し、曲げ強さを向上
✅ 曲げ強さは、材料が耐えられる最大の曲げ応力(限界値)
✅ 曲げ応力は、実際に材料に発生する応力
✅ 曲げ応力が曲げ強さを超えると材料が破壊する
✅ 設計では、曲げ応力が曲げ強さを超えないように工夫することが大切!

材料の選定や構造設計の際には、この関係をしっかり理解して、安全かつ効率的な設計を行いましょう!
「曲げ強さ」と「靭性」の関係とは?
機械設計では、「材料がどれくらいの力に耐えられるか?」を考えることがとても重要です。その中でも 「曲げ強さ」 と 「靭性」 は、材料選定の際に欠かせない特性です。今回は、この2つの特性の違いや関係性について、分かりやすく解説します!
靭性とは?
✅ 靭性(Toughness)とは、材料が割れずにどれだけエネルギーを吸収できるかを示す特性
✅ 数値が高いほど、「しなやかさ」があり、衝撃に強い
📌 具体的な例
- ハンマーやスプリング → 強く叩いても割れない材料が求められる
- 自動車のバンパー → 衝撃を吸収して壊れにくい素材が必要
🔍靭性が高い材料の例
- 軟鋼(SS400) → しなやかで割れにくい
- 炭素繊維強化プラスチック(CFRP) → 衝撃を受けても壊れにくい
「曲げ強さ」と「靭性」の関係性
曲げ強さと靭性は 必ずしも比例しない ことがポイントです!
🔹 曲げ強さが高くても、靭性が低いと「ポキッ」と折れる
🔹 靭性が高いと、衝撃を受けても「グニャッ」と変形して壊れにくい
📌 分かりやすい例
材料 | 曲げ強さ | 靭性 | 特徴 |
---|---|---|---|
ガラス | 高い | 低い | 強い力を加えると割れる |
アルミ | 中程度 | 高い | しなやかで衝撃に強い |
鋼鉄 | 高い | 中程度 | 強い力には耐えるが、急な衝撃には注意 |
例えば、ガラス は曲げ強さは高いですが、靭性が低いため割れやすいです。一方、アルミ は曲げ強さが中程度でも、靭性が高いため衝撃に強いのです。
材料選定のポイント
用途によって、どちらの特性を優先するかが異なります。
目的 | 優先する特性 | 代表的な材料 |
---|---|---|
強度重視(折れないことが重要) | 曲げ強さが高い | S45C、A7075 |
衝撃を吸収(割れにくいことが重要) | 靭性が高い | SS400、POM(樹脂) |
バランス重視(適度にしなやかで強い) | 曲げ強さ+靭性 | SCM440、SUS304 |
✅ 曲げ強さが高い材料は、強い力に耐えるが、衝撃に弱い場合がある
✅ 靭性が高い材料は、衝撃を吸収しやすく、割れにくい
✅ 設計の目的に応じて、曲げ強さと靭性のバランスを考慮することが重要!
例えば、「たわみを抑えたいなら曲げ強さ重視」「衝撃を受けるなら靭性重視」 という考え方をすると、より適切な材料選定ができます!

機械設計において、「どんな環境で、どのように使われるのか?」を考えながら、最適な材料を選びましょう!
まとめ
機械設計では、部品や構造物に作用する 「曲げ力」 を理解することが重要です。曲げ力とは、材料の一部が引張られ、別の部分が圧縮されるような力のことを指します。この力が大きくなると、材料が変形したり破壊したりするため、適切な設計が求められます。
✅ 曲げ力は、材料を曲げるように作用する力
✅ 外側は引張力、内側は圧縮力が発生する
✅ 曲げモーメントを小さくすることで、たわみを減らせる
✅ 曲げ強度の高い材料を選ぶことが大切
✅ I型鋼やパイプ構造を活用すると、曲げに強い設計ができる
曲げ力を正しく理解して、より強く安全な設計を目指しましょう!
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