機械設計や設備設計でよく使われる
シール部品といえばOリングです。
図面や部品表を見ると、
▶ Pシリーズ
▶ Gシリーズ
▶ Sシリーズ
といった表記を見かけたことがあると思います。
例えば
□ P10
□ G25
□ S20
などです。
しかし機械設計を始めたばかりの頃は、
「この PとかGって何?」
「サイズの違い?」
と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
実はこの記号は、
Oリングの用途や形状に関係するJIS規格の分類を表しています。
この記事では、
OリングのP・G・Sなどの種類の意味や違いを、
機械設計初心者でも理解できるようにわかりやすく解説します。
さらに、
➡ それぞれの用途
➡ 設計時の選び方
➡ 注意点
についても紹介します。
Oリングは小さな部品ですが、
機械のシール性能を左右する重要な機械要素です。
Oリングとは?
まず簡単におさらいです。
Oリングとは、断面が円形のゴム製シール部品です。
名前の通り、形は
アルファベットの「O」
の形をしています。
主な用途は
などです。
例えば
など、非常に多くの機械に使われています。
シンプルな部品ですが、機械の信頼性を支える重要なパーツです。
Oリングの「P」「G」「S」「V」は何を意味している?
OリングにはJIS規格によって、用途ごとにシリーズが分かれています。
代表的なものが次の4種類です。
| 種類 | 主な用途 |
|---|---|
| Pシリーズ | 運動用(ピストン・ロッドなど)・固定用(フランジなど) |
| Gシリーズ | 固定用(フランジなど) |
| Sシリーズ | 小径固定用(精密機器など) |
| Vシリーズ | 真空用(真空装置など) |
つまり
P・G・S・Vは用途の違い
を表しているのです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Pシリーズ(運動用Oリング)
Pシリーズは、主に動く部分のシールに使われるOリングです。
例えば
などです。
これらの部分は摺動(動く)するため、Oリングにも
がかかります。
そのためPシリーズは、運動用に適したサイズ設計になっています。
Gシリーズ(固定用Oリング)
Gシリーズは、固定部のシールに使われるOリングです。
例えば
などです。
このような場所では部品は動きません。
そのためOリングも押しつぶされて密封するだけになります。
つまり、Gシリーズは静的シール用(固定用)のOリングです。
ポンプ、バルブ、配管などでよく使われます。
Sシリーズ(小径用Oリング)
Sシリーズは小さな径の固定用Oリングです。
主に使われるのは
などです。
サイズが小さいため、コンパクトな機械でよく使われます。
Vシリーズ(真空用Oリング)
Vシリーズは真空用途向けのOリングです。
主に使われるのは
- 真空装置
- 真空チャンバー
- 半導体製造装置
などです。
真空環境では
- 空気漏れを防ぐ必要がある
- ガス透過を抑える必要がある
といった特徴があります。
そのためVシリーズは、真空シールに適したサイズ設計になっています。
主に真空機器や研究設備などの装置で使われることが多いOリングです。
OリングのP・G・S・Vの覚え方とは?規格の違いをわかりやすく解説
機械設計や設備設計をしていると必ず登場する部品がOリングです。
しかし機械設計を始めたばかりの頃は
「PとかGって何の意味?」
「覚えにくい…」
と感じる人も多いと思います。
実はOリングの規格は、
ある覚え方をするととても理解しやすくなります。
本項ではOリングのP・G・S・Vシリーズの覚え方を、
機械設計初心者でもわかるように解説します。
一度覚えてしまえば、図面を見たときに
「あ、この用途のOリングだな」
とすぐに理解できるようになります。
覚え方① Pシリーズ = パッキン
まず一番よく使われるのがPシリーズです。
覚え方はシンプルです。
P = パッキン(Packing)
つまり「普通のパッキン」というイメージです。
実際の設計でもPシリーズは
など、幅広い場所で使われる最も一般的なOリングです。
機械設計では
迷ったらPシリーズ
と言われるくらい、よく使われます。
覚え方② Gシリーズ = ガスケット
次にGシリーズです。
覚え方は
G = ガスケット(Gasket)
ガスケットという言葉からも分かるように、Gシリーズは
固定部分のシールとして使われることが多いOリングです。
覚え方③ Sシリーズ = スモール
次にSシリーズです。
これはとても覚えやすいです。
S = Small(スモール)
つまり小さいOリングです。
その名の通り
などで使われます。
コンパクトな機械では、このシリーズが登場することがあります。
覚え方④ Vシリーズ = バキューム
最後がVシリーズです。
これは
V = Vacuum(バキューム)
つまり真空用Oリングです。
主に
など、真空環境のシールで使われます。
通常の機械ではあまり登場しませんが、装置設計ではよく見かけることがあります。
『覚え方』まとめ
Oリングの覚え方をシンプルにまとめるとこうなります。
| シリーズ | 覚え方 | イメージ |
|---|---|---|
| P | パッキン | 一番よく使う |
| G | ガスケット | 固定・省スペース |
| S | スモール | 小径 |
| V | バキューム | 真空 |
この覚え方を知っていると、図面を見たときに
「このOリングはこの用途だな」
とイメージしやすくなります。
よく使うPシリーズとGシリーズの違い(わかりやすく比較)
機械設計でよく使われるOリングは、主に
の2種類です。
どちらも同じOリングですが、
サイズの考え方や使われ方に違いがあります。
特に初心者の方は
「PとGって何が違うの?」
「どっちを使えばいいの?」
と迷うことも多いと思います。
ここでは、設計の現場でイメージしやすいように
PシリーズとGシリーズの違いをわかりやすく比較してみましょう。
① 断面の太さの違い
まずわかりやすい違いがOリングの太さ(断面径)です。
一般的には
Pシリーズの方が太い
Gシリーズの方が細い
という特徴があります。
これは用途というより、設計思想の違いによるものです。
Pシリーズは比較的しっかりした断面になっているのに対して、
Gシリーズは省スペース設計を意識したサイズになっています。
② 用途の違い(実際の使われ方)
よく
- Pシリーズ=運動用
- Gシリーズ=固定用
と説明されることがありますが、
実際の設計ではそこまで厳密に分かれているわけではありません。
実際には
Pシリーズは固定用としてもよく使われます。
例えば
- カバー部
- フランジ部
- 機械の接合部
など、固定部分のシールとして
Pシリーズが使われるケースは珍しくありません。
つまり実際の現場では
Pシリーズは「汎用Oリング」
として扱われることが多いのです。
③ Gシリーズは「省スペース用」として使われることが多い
ではGシリーズはどんな時に選ばれるのでしょうか。
多くの場合、スペースが限られているときに使われます。
Gシリーズは断面が比較的細いため、
というメリットがあります。
そのため設計では
「スペースに余裕があるならPシリーズ」
「スペースが厳しいならGシリーズ」
といった使い分けがされることも多いです。
④ 溝サイズも少し違う
Oリングは溝に取り付けて使用します。
当然ですが、Oリングの断面が違うため溝のサイズも変わります。
一般的には
| 種類 | 溝の特徴 |
|---|---|
| Pシリーズ | 標準的な溝サイズ |
| Gシリーズ | 小さめの溝で設計可能 |
そのためコンパクトな機械設計では、Gシリーズが選ばれることがあります。
⑤ 設計者向けの覚え方
設計の現場では、次のようなイメージで覚えるとわかりやすいです。
Pシリーズ → 標準的で使いやすいOリング
Gシリーズ → 省スペース設計用Oリング(固定用)
このイメージで考えると、選定がかなりわかりやすくなります。
PシリーズとGシリーズの簡単比較
最後に、PシリーズとGシリーズの違いを整理してみます。
| 項目 | Pシリーズ | Gシリーズ |
|---|---|---|
| 断面径 | 太め | 細め |
| 主な用途 | 汎用(固定用でもよく使う) | 省スペース設計(固定用) |
| 溝サイズ | 標準 | 小さめ |
| 特徴 | 使いやすい標準タイプ | コンパクト設計向き |
実際の機械設計では
Pシリーズが最も一般的に使われるOリングです。
一方で、設計スペースが限られている場合には
Gシリーズが選ばれることも多いというイメージになります。
そのためOリング選定では、
- スペースに余裕がある → Pシリーズ(汎用)
- コンパクト設計 → Gシリーズ(固定用)
と考えると、実務でも判断しやすくなります。
まとめ
OリングのP・G・S・Vといった記号は、JIS規格で決められた用途ごとの分類を表しています。
主な違いは次の通りです。
| 種類 | 主な用途 | 覚え方 |
|---|---|---|
| Pシリーズ | 運動用・固定用 | P = パッキン |
| Gシリーズ | 固定用 | G = ガスケット |
| Sシリーズ | 小径固定用 | S = スモール |
| Vシリーズ | 真空用 | V = バキューム |
機械設計では特に
がよく使われます。
Oリングは小さな部品ですが、
油圧機器や空圧機器などのシール性能を左右する重要な機械要素です。
そのため設計では
- 用途に合ったシリーズ選定
- 材質選定
- 適切な溝設計
を意識することが大切です。
図面で「P10」や「G80」といった表記を見たときは、
ぜひOリングの用途を表している記号
ということを思い出してみてください。





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