機械設計におけるセンサーまとめ|種類・選定・設計の基本を徹底解説!

機械要素

機械設計においてセンサーは、
自動化・安全対策・品質向上に欠かせない重要な要素です。

このページでは、センサーに関する基礎から、
各種類の特徴・選定ポイント・設計の注意点まで、体系的にまとめています。

各項目には詳しい個別記事へのリンクもありますので、
必要な情報をすぐにチェックできます!


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センサーの基礎知識

設備設計におけるセンサー配置とその重要性

現代の機械設計において、
センサーは設備の精度・効率・安全性を支える欠かせない要素です。

特に設備設計においては、
「どの動作を、どのタイミングで、どこで検知すべきか」という視点で、
センサーの配置計画を行うことが非常に重要です。

動作イメージの具体化と可視化

センサー配置を最適化する第一歩は、設備全体の動作を把握し、
それを図やフローチャートで「見える化」することです。

たとえば、ワークの位置確認や作業開始・終了タイミングの把握、
安全の確保など、各工程ごとの目的を整理し、
必要な検知ポイントを洗い出します。

動作ごとのセンサーの役割定義

動作に応じて必要な情報を収集するため、
以下のようなセンサーを適材適所に配置します。

  • 光電センサー
    • ワークの有無や通過確認に。
  • 近接センサー
    • 金属部品の有無や取り付け確認に。
  • エリアセンサー
    • 作業エリアへの人の侵入を検知し、安全確保。
  • ロードセルや圧力センサー
    • 荷重や圧力の異常検出。

動作イメージが設計に与えるメリット

動作を具体的にイメージすることで、
以下のような効果が得られます。

  • センサー設置位置の最適化
    • 検出精度が高く、誤作動の少ない位置に配置可能。
  • 誤動作の予防
    • センサーの死角や干渉リスクを事前に排除。
  • 設備効率の向上
    • センサーとアクチュエータが連携し、
      無駄のない動作を実現。

設置計画の進め方

  1. 必要な情報のリスト化
    • 工程ごとに必要な検知情報を洗い出します。
  2. センサーの種類選定
    • 対象物や環境条件(材質、距離、温度、粉塵など)に
      応じて適したセンサーを選定します。
  3. センサー配置の検討とシミュレーション
    • 動作イメージをもとに最適な位置へ設置し、
      設計段階で動作確認・調整を行います。

センサー活用の主な目的と例

  • 動作制御
    • 光電・近接センサーで位置や有無を検知。
  • 異常検出
    • 圧力・温度センサーで装置異常を早期発見。
  • 自動化
    • リミットスイッチやレーザーセンサーで
      ロボットの動作制御。
  • 安全管理
    • エリアセンサーで作業者を検知し機械を停止。
  • データ収集・分析
    • 流量・荷重データを収集し、
      保守予知や効率改善に活用。

このように、機械設計におけるセンサー配置は、
設備の品質・効率・安全を大きく左右します。

はじめ
はじめ

設計の初期段階から動作の具体化を行い、
最適なセンサー選定と配置を行うことで、
高信頼・高性能な設備設計が実現できます。

センサーの重要性と活用法についての詳細記事はこちら

機械設計におけるセンサーの役割と種類

センサーの役割と重要性

センサーは「位置・速度・温度・荷重」などの
物理量を電気信号に変換する装置で、
機械の監視・制御・安全・効率化に欠かせない要素。

IoTやAIとの連携で、設計の高度化にも貢献。


センサーの主な役割

  • 状態監視
    • 異常・過熱・負荷をリアルタイム検知
      (例:温度・圧力センサー)
  • 動作制御
    • 精密な制御
      (例:位置センサー)
  • 安全性の確保
    • 異常時の停止や警報
      (例:距離センサー)
  • 効率向上
    • データを基に最適運転
      (例:流量センサー)

機械設計で使われる主要センサーと用途

センサー名特徴・用途例
光電センサー光で対象物を検知。部品の有無や位置決めに使用。
例:コンベアでの検出、カウント作業。
近接センサー一定距離内に近づいた物体を非接触で検出。
例:ロボットアームの停止制御、安全カバー制御。
オートスイッチエアシリンダのピストン位置を磁石で検知。
例:組立工程での動作確認、シーケンス制御。
リミットスイッチ機械的接触で検出。
例:テーブル終端検出、搬送停止位置確認、安全装置。
レーザー距離センサー高精度な距離測定。
例:AGVの障害物検知、建築距離測定。
ロードセル荷重を電気信号化。
例:重量計、プレス機の圧力監視。
エア圧力センサー圧縮空気の圧力検出。
例:エア漏れ検知、安全監視。
流量センサー液体や気体の流量測定。
例:冷却水・薬液の供給管理。

センサーの活用で得られるメリット

  • 安全対策 → 人や装置を守る設計に
  • 高精度な動作制御 → 品質・生産性の向上
  • 異常の早期発見 → 故障予防と信頼性向上
  • 効率運転 → 省エネとコスト削減
センサーの種類と役割についての詳細記事はこちら

センサー選定は“動作の見える化”から始めよう!

センサーの選定を考える際、
いきなり「どのセンサーを使うか?」を検討するのは早すぎます。

まず重要なのは 設備全体の動作フローを見える化すること です。

なぜ「見える化」が必要なのか?

センサーは「どこで・何を・どう検知するか」が
明確でないと効果を発揮しません。

動作の流れを整理することで、
センサーが必要な箇所が自然と見えてきます。


見える化のポイント

  1. 作業のスタート/完了の把握
    • 例:ワーク搬入 → 光電センサー、処理完了 → オートスイッチ
  2. ワークの位置・状態の確認
    • 例:所定位置 → 近接センサー、向きや有無 → 画像・レーザーセンサー
  3. 安全性の確保
    • 例:作業者接近 → エリアセンサー、カバー未閉 → リミットスイッチ

フローチャートが鍵!

✔ フローチャートを使うメリット

  • 動作の順番、条件、判断基準が明確になる
  • 電気設計(PLCやラダー)との共通言語になる
  • 設計ミスや漏れを防止できる

✔ フローチャートに含めるべき内容

  • スタート/ストップ条件
  • 各動作(センサーON、シリンダー動作など)
  • 各タイミングの条件分岐(例:「センサーAがONなら次へ」)

構想段階でのフローチャート作成が重要!

✔ フローチャートを描くことで…

  • センサーの数・位置・役割が明確に
  • 設計変更を回避しやすくなる
  • 電気設計とのスムーズな連携が可能に
  • 設置スペースや干渉の問題も早期発見できる

「とりあえず設計して、あとでセンサーを追加」では遅い!

はじめ
はじめ

センサー選定の第一歩は、「設備の動作を可視化すること」
フローチャートを活用して、
設計段階からセンサー配置を計画することで、
安全で効率的な設備設計が実現します。

フローチャートについての詳細記事はこちら

センサーの種類と特性・選定ポイント

光電センサー

光電センサーの概要

  • 光を利用して対象物を検知するセンサー。
  • 透過型、反射型、回帰反射型などの方式があります。
用途
  • コンベア上の部品検出。
  • 箱詰めラインでの有無検知。
  • カウント作業や位置決め。

光電センサーの活用例

  • 部品検出(コンベアライン)
    • 自動車部品工場のコンベア上で、
      光電センサーを使って部品の有無を検知。
    • 部品が検出されない場合、
      自動的にラインを停止してミスを防止します。
  • パッケージング工程でのカウント
    • 飲料の自動箱詰めラインで、
      光電センサーにより所定の本数が
      詰められているかを確認し、
      不足があればアラームを鳴らします。

光電センサーについての関連記事はこちら

近接センサー

近接センサー概要

  • 対象物が一定距離内に近づいた際に反応するセンサー。
  • 非接触で動作するため、耐久性が高い。
用途
  • 機械の位置決め。
  • 回転体やスライド機構のエンド検出。
  • 金属製品の有無検知。

近接センサーの活用例

  • ロボットアームの停止位置制御
    • 工場内のロボットアームが動作範囲内で
      確実に停止するように、近接センサーを設置。
    • センサーが対象物を検出した時点で
      アームの動作を制御します。
  • 安全カバーのインターロック制御
    • 近接センサーが安全カバーを感知し、
      取り外されていれば設備の動作を停止。
    • 耐久性が高いため、
      長期間にわたって安定して動作します。

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レーザー距離センサー

レーザー距離センサー概要

レーザー光を使用して対象物との距離を高精度に測定するセンサー。

用途
  • 自動車の衝突防止システム。
  • 設備間距離の測定。
  • 部品の厚さ測定や位置確認。

📌レーザー距離センサーの活用例

  • 倉庫の自動搬送ロボット(AGV)のルート制御
    • レーザー距離センサーを搭載したAGVが、
      障害物を検知して衝突を回避。
    • スムーズな自動搬送を実現します。
  • 建築現場での距離測定
    • 高精度なレーザー距離センサーを使用して
      建築資材間の距離を測定。
    • 施工精度を向上させます。

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ファイバーセンサー

ファイバーセンサー概要

  • ファイバーケーブルを用いて光信号を送受信するセンサー。
  • 狭い場所や小型機器に適用可能。
用途
  • 微小部品の検出。
  • 狭い空間での物体検知。
  • 高速ラインの安定検出。

ファイバーセンサーの活用例

  • 電子部品の有無確認
    • 小型基板上の微小な部品の有無を確認。
    • 狭いスペースに対応可能なため、
      精密機器の生産に適しています。
  • 高速ラインでの物体検知
    • 高速で流れるライン上の製品を正確に検出し、
      不良品を素早く排除します。


マイクロフォトセンサ

マイクロフォトセンサの概要

非常に小型の光電センサーで、
狭い空間や微細な対象物を検出可能。

用途
  • 精密機械内での部品検出。
  • 電子部品の位置確認。
  • ロボットアームの細部制御。

マイクロフォトセンサの活用例

  • 精密部品の位置決め
    • 小型機械内でマイクロフォトセンサを使い、
      細かい部品の位置を正確に確認。
    • 作業の精度が向上します。
  • ロボットの指先検出
    • ロボットアームの指先に設置して、
      部品の把持を高精度に制御。
    • 組立作業の効率を向上させます。
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エリアセンサ・ライトカーテン

エリアセンサ・ライトカーテンの概要

複数の光電センサーを並べたもので、
広い範囲を一括して監視可能。

用途
  • セーフティガードとしての人員検出。
  • 製品ラインの異常検出。
  • 高速移動体の位置検知。

エリアセンサの活用例

  • 機械安全対策
    • 工作機械の危険ゾーンにエリアセンサを配置。
    • 作業者が手をかけた瞬間に
      機械の動作を停止させ、事故を防ぎます。
  • 物流ラインでの欠品検知
    • 物流ラインに置かれた製品が規定のエリア内に
      正しく配置されているかをエリアセンサで確認。
    • 不良品や欠品を即座に検出します。


リミットスイッチ

リミットスイッチ概要

機械的な接触によって対象物を検出するスイッチ型センサー。

用途
  • スライドテーブルの終端位置の検出。
  • 工作機械の安全装置。
  • 搬送機の停止位置の確認。

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オートスイッチ(エアシリンダ)

オートスイッチの概要

エアシリンダーのピストン位置を磁石で検出するセンサー。

シリンダー本体に取り付け、
ピストンに内蔵された磁石の位置を検出します。

有接点タイプと非接点タイプがあり、
検出方法や応答性、耐久性が異なります。

用途
  • エアシリンダーの動作確認
  • ストローク端の検知による制御信号出力
  • 自動装置におけるタイミング制御安全確認

オートスイッチの活用例

  • 自動組立ラインでの位置検出
    • 部品挿入工程で、前進端にオートスイッチを取付けて、
      ピストンが正しく動作したかを確認。
    • 検出信号がなければ装置を一時停止し、
      不具合を防止します。
  • 多軸装置のシーケンス制御
    • 複数のシリンダーを使う自動装置において、
      オートスイッチを使って順序制御を実現。
    • 前工程のシリンダーが所定位置に達したことを検出してから、
      次の動作に進めるようにします。

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ロードセル

ロードセル概要

荷重や力を検出するためのセンサー。
ひずみゲージを利用して力を電気信号に変換。

用途
  • 産業用の計量装置。
  • 機械の締付力の監視。
  • 圧縮や引張試験機。

ロードセルの活用例

  • 重量計の計量システム
    • 食品工場でロードセルを使い、
      原材料の正確な計量を実現。
    • 一定の重量以上になると自動的に
      ラインを停止して材料を補充します。
  • プレス機の力制御
    • 金属加工のプレス機にロードセルを設置し、
      加工時の圧力をリアルタイムで監視。
    • 過剰な圧力がかかった場合、
      自動的に動作を停止します。

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エア圧力センサー

エア圧力センサー概要

圧縮空気の圧力を検出するセンサー。
圧力範囲の設定やモニタリングに使用。

用途
  • 空気圧システムの状態監視。
  • 生産ラインのエア漏れ検出。
  • 空気圧駆動装置の安全管理。

エア圧力センサーの活用例

  • エア供給ラインの漏れ検知
    • 製造ラインでエア圧力センサーを用いて圧力を監視。
    • 漏れが発生した場合に異常を検知して、
      早期に修理対応を行います。
  • 空気圧駆動装置の安全監視
    • 空気圧シリンダーの動作状態をセンサーでモニタリングし、
      圧力の低下等以上があった場合はシステムを停止させます。

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流量センサー

流量センサー概要

液体や気体の流量を測定するセンサー。
熱式や超音波式などの方式があります。

用途
  • 工業プラントでの流量管理。
  • 冷却水や潤滑油の供給量測定。
  • ガス供給システムのモニタリング。

流量センサーの活用例

  • 冷却装置の水流監視
    • 機械設備の冷却装置において、
      流量センサーを使って冷却水の流れを監視。
    • 水流が不足した場合、
      警告を出して機器の過熱を防ぎます。
  • 薬液の供給量管理
    • 化学工場で流量センサーを使用して、
      薬液の正確な供給量を管理。
    • 誤差を最小限に抑えます。

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センサーの出力・仕様の理解

「A接点・B接点」センサー接点動作の違いと選定ポイント

A接点(常開)とB接点(常閉)とは?

  • A接点(NO)
    • 通常は開回路。検出時に閉じて出力ON。
      用途:動作検知、機械停止、アラーム用など
  • B接点(NC)
    • 通常は閉回路。検出時に開いて出力OFF。
      用途:安全監視、異常検知、非常停止ボタン

A接点・B接点の選定ポイント

  • 通常はOFFで、動作時のみONにしたい
    → A接点
  • 断線検出や安全監視をしたい
    → B接点

光電センサー:ライトオンとダークオンの違い

【ライトオン】
  • 光が当たっているときに出力ON
      • 透過型:物体がないときにON
      • リフレクタ型:反射光を受けてON
      • 拡散反射型:物体に反射してON
【ダークオン】
  • 光が当たっていないときに出力ON
      • 透過型:物体が光を遮るとON
      • リフレクタ型:光が遮られるとON
      • 拡散反射型:背景の反射がなくなるとON

選定ポイント

  • 光を受けてONにしたい
    → ライトオン
  • 光を遮ってONにしたい
    → ダークオン

検出対象の有無・設置環境に応じて選ぶことが重要。


近接センサー:NO(ノーマリーオープン)とNC(ノーマリークローズ)

NO(A接点と同等)
  • 通常:OFF
  • 検出時:ON
    動作の検知用途
NC(B接点と同等)
  • 通常:ON
  • 検出時:OFF
    異常検知・断線検出

総合的な選定ポイント

項目NO / A接点 / ライトオンNC / B接点 / ダークオン
通常状態OFF(開)ON(閉)
動作時ON(閉)OFF(開)
安全性低め(断線検知しにくい)高め(断線検知しやすい)
主な用途検出による動作トリガー異常監視・非常停止

センサーの接点についての詳細記事はこちら

NPN出力とPNP出力の基礎と配線ミスの注意点

NPN出力とは

  • 方式
    • 出力端子が0V(GND)に接続される
      「シンク出力(電流を吸い込む)」
  • 動作
    • 検出時に0Vを出力。
  • 特徴
    • シンプルな回路設計が可能。
    • 日本では主流(既存設備との互換性・歴史的背景)

PNP出力とは

  • 方式
    • 出力端子が+電源に接続される
      「ソース出力(電流を供給する)」
  • 動作
    • 検出時に+電源を出力。
  • 特徴
    • 欧州規格に適合。
    • 電圧出力で直感的に扱いやすい。

NPNとPNPの比較表

項目NPN出力PNP出力
動作方式シンク(電流を吸い込む)ソース(電流を供給する)
検出時の出力0V(負極)+電源(正極)
外部回路の抵抗プルアップが必要プルダウンが必要
主流地域日本・アメリカ欧州・アジアの一部

NPN/PNPを間違えて接続すると?

  • 動作不良
    • 期待する信号が得られず、
      センサーや装置が正常動作しない。
  • 故障リスク
    • 短絡や過電流により、
      センサー・入力機器が損傷する可能性あり。
  • トラブル例
    • センサーやPLCが異常発熱。
    • 意図しないタイミングでON/OFF。
    • 生産ラインの停止など大きな損害も。

正しい接続・配線をするための対策

  • 設計段階で仕様確認
    • センサーやPLCの仕様を図面に明記。
  • 現場での確認手順
    • 配線作業前にセンサーの型番・出力方式を再確認。
  • ミス防止の工夫
    • 出力方式で配線色を分ける。
    • センサーにNPN/PNPのラベルを貼付。
    • 設備全体で出力方式を統一する(標準化)。

選定時のポイント

  • 接続機器の仕様を確認(NPN or PNP対応か)
  • 設備の地域性(日本はNPNが基本)
  • ノイズ耐性など環境条件も考慮

NPNとPNPはセンサー出力方式の基本であり、
配線ミスが大きなトラブルに直結します。

はじめ
はじめ

選定時は制御機器の仕様を確認し、
仕様に適合した出力方式を選ぶことが重要です。

センサー出力の違いについて詳細記事はこちら

センサーの応答速度と応答周波数

応答速度とは?

  • 定義
    • 検出対象が変化してから、
      センサーが反応するまでの時間。
  • 単位
    • ms(ミリ秒)やμs(マイクロ秒)で表される。
  • 重要性
    • 応答が遅いと、ワークの見逃し・
      誤動作・装置クラッシュなどの原因になる。

応答速度の具体例

  • 搬送ライン
    • 部品が高速で流れる場合、
      応答が遅いと誤検出や見逃しが起こる。
  • シリンダー制御
    • タイミングズレで機械が誤動作することも。

センサーの応答速度目安

センサー種別応答速度目安用途例
近接センサー(高性能)約1〜5ms金属部品検出など
光電センサー約0.5〜1ms高速カウント
オートスイッチ(有接点)約2〜5msエアシリンダー制御
オートスイッチ(非接点)約0.5〜1ms高速応答が必要な場合

応答周波数とは?

  • 定義
    • センサーが1秒間に何回オン・オフを検出できるか
      (単位:Hz)
  • 目安
    • 一般近接センサー:200〜500Hz
    • 高速タイプ:1kHz〜5kHz
    • 静電容量式:10〜100Hz(遅い)

応答時間との違い

指標応答周波数応答時間
意味1秒間の検出回数1回の検出にかかる時間
単位Hzms

応答周波数が重要な場面

  • 高速コンベアでのワーク検出
  • 回転体の回転数検出(シャフトやローラーなど)

設計時のチェックポイント

  • 1秒間のワーク通過数を見積もる
  • センサ仕様書で「応答周波数」確認
  • 実運用より2〜3倍の余裕を持つのが理想

応答遅延によるリスク

  • 検出ミスや見逃し
  • タイミングずれやカウントミス
  • 安全機構の遅れや装置不良

応答速度を考慮した設計のポイント

  • センサー仕様(応答時間・応答周波数)の確認
  • 実際の動作速度とのバランス調整
  • ノイズ対策(デジタルフィルタ等)も考慮

センサー選定では、
検出対象の速度に応じた応答性能(応答時間・応答周波数)
意識することがトラブル防止のカギ。

はじめ
はじめ

「何を・どれだけの速さで検出したいか」を明確にし、
余裕を持ったセンサーを選定しましょう。

設計・実装時の注意点

センサー実装における注意点

設置場所の選定

  • 感度の最適化
    • センサーは対象物との距離や角度により感度が変化するため、
      取扱説明書に準拠した適正な距離と向きで設置する必要がある。
        • 光電センサーは近すぎると誤検出、遠すぎると感度低下。
        • 近接センサーは金属の影響を受けやすいため、
          スペーサー等の工夫が必要。
  • 環境条件の考慮
    • 温度、湿度、振動、汚れなどが性能や寿命に影響するため、
      IP規格を考慮し、防水・防塵対応製品を選定。

電磁波干渉(ノイズ)対策

  • 影響と不具合例
    • 電磁波干渉により、
      ノイズ混入・誤動作・信号途切れ・感度低下が発生する。
  • 主な発生源
    • Wi-Fi機器、インバーター、
      モーター、高電圧機器、雷など。
  • 対策例
    • シールドケーブルの使用と正しい接地
    • 接地(アース)の徹底
    • フィルタ回路(フェライトコア等)の挿入
    • 配線方法の工夫(電源線と信号線を分離、直角交差)
    • 干渉源からの距離を取る、金属シールドを追加
    • ノイズ対策機器(ラインフィルタ等)の活用
  • 設計段階での工夫
    • ノイズ耐性のあるセンサー選定、
      現場での電磁波試験の実施により信頼性を確保。

メンテナンス性の確保

  • 交換しやすい設置
    • 工具が届きやすく、位置調整が簡単なように
      ガイドや目盛付き固定具を活用。
  • 定期点検と清掃
    • センサーの種類や使用環境に応じて、
      検出面の清掃や校正をスケジュール化。

センサーの校正

  • 校正の目的
    • 正確な測定と品質保証、規格対応のために
      定期的な校正が必須。
  • ロードセルの校正例
    • 標準分銅などを用いて、
      無負荷→段階的荷重→出力測定→校正曲線作成の流れで実施。

センサーの性能を最大限に発揮するには、
適切な設置環境・ノイズ対策・メンテナンス性・定期的な校正が不可欠。

はじめ
はじめ

信頼性の高いシステム構築のためには、
設計段階からこれらを考慮することが重要です。


センサーにおけるチャタリングとは?

チャタリングとは?

センサーやスイッチがオン/オフを切り替える際に、
一瞬の間に信号が何度も変化する現象のこと。

この“信号のバタつき”が原因で誤作動や誤カウントを引き起こす。


主な発生原因

  • 機械的要因
    • スイッチの接点が跳ねる、可動部がバウンドする
  • 電気的要因
    • ノイズ、電源の揺らぎ
  • 環境要因
    • 振動、金属粉や油の付着

チャタリングが起こるセンサー

センサー種類チャタリングの可能性
機械式スイッチ非常に高い
近接センサ低いが発生可能
光電センサ反射具合によってはあり得る
オートスイッチ(有接点)発生する可能性あり
オートスイッチ(非接点)基本的に少ない(内部で処理済)

チャタリングによるトラブル

  • 誤カウント(1つを2回カウント)
  • PLCが誤信号を処理
  • モーターやシリンダーの誤作動
  • 安全機能の誤動作リスク

対策方法

  • ハード的対策
    • 非接点センサーの使用
    • コンデンサやバッファ回路で信号平滑化
    • 感度・取付位置の調整
  • ソフト的対策(PLC・マイコン)
    • ON時間のフィルタ処理(例:20ms以上で有効)
    • デバウンス処理(一定時間変化がなければ信号確定)
    • 信号一致のロジックでフリッカ除去

実例と効果

  • 問題
    • 1つのワークが2回カウントされる
  • 対策
    • 非接点センサーに変更し、PLC側で0.05秒未満の信号を無視
  • 効果
    • 誤カウント解消!

初心者向けポイント

  • チャタリング=“信号のガタつき”と覚える
  • 初めての設計では「非接点+タイマ処理」が安心
  • トラブル時は「チャタリングかも?」と疑ってみよう

チャタリングはセンサー誤動作の大きな要因。
非接点センサーの選定、取り付け工夫、ソフトでの信号処理などの対策が重要。

はじめ
はじめ

問題が起きたときは「チャタリングを疑う」ことが解決の第一歩。

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まとめ|センサーを理解して、より精密で安全な設計を!

センサーは単なる部品ではなく、
制御・安全・品質管理を支える神経のような存在です。

種類や原理だけでなく、
配線方式・応答性・設置位置・干渉対策なども理解しておくことで、
トラブルを防ぎ、信頼性の高い設計が実現できます。

本まとめページをブックマークして、
いつでもセンサー設計に役立ててください!


はじめ
はじめ

ボルトやナット、軸受け、ギアといった
基本的な要素部品の機能と選び方を
詳しく紹介します。

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