サーボモータのZ相とは?|原点復帰に欠かせない役割と仕組みをわかりやすく解説

動力選定

サーボモータを使った機械や装置では、
「原点復帰」や「位置決め精度」が非常に重要になります。

その中で欠かせないのが、サーボモータのZ相です。

Z相は普段あまり意識されませんが、
装置の位置基準を決める重要な信号です。

この記事では、サーボモータのZ相とは何か、
何のために使われるのかを、
機械設計・制御初心者にも分かりやすく解説します。


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サーボモータのZ相とは?

Z相とは、サーボモータに内蔵されたエンコーダから出力される基準信号のことです。
一般的に、エンコーダには

  • A相
  • B相
  • Z相

の3種類の信号があります。

このうちZ相は、
モータが1回転する間に1回だけ出力される特別なパルスです。


A相・B相・Z相の役割の違い

簡単に整理すると、役割は次のようになります。

  • A相・B相
    回転量や回転方向を検出するための信号
  • Z相
    回転位置の「基準点」を示す信号

A相・B相だけでは「どれだけ回ったか」は分かりますが、
「今どこにいるか(絶対位置)」は分かりません。

そこでZ相が使われます。


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Z相が使われる主な目的

① 原点復帰(ホームポジション検出)

Z相の最も代表的な用途が原点復帰です。

  • 機械起動時
  • サーボON時

に、一度Z相を検出することで、
「ここが基準位置だ」と装置に教えます。

Z相=回転系の原点
と考えると分かりやすいです。


② 高精度な位置決めの基準

Z相を基準にすることで、

  • 繰り返し位置決め精度の向上
  • バックラッシや誤差のリセット

が可能になります。

特に、

  • ボールねじ
  • 直線ステージ
  • 回転テーブル

などでは、Z相を基準にした制御がよく使われます。


原点センサとの違い

原点検出には、

  • リミットスイッチ
  • 近接センサ

が使われることもあります。

しかしこれらは、

  • 機械的ばらつき
  • 取付誤差

が避けられません。

一方Z相は、

  • モータ内部の信号
  • 毎回同じ位置で出る

という特徴があります。

最終的な原点位置はZ相で決める
という制御構成が多い理由です。


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機械設計者が知っておくべきZ相の設計ポイント

💡 原点復帰トラブルを防ぐ考え方

サーボモータのZ相は
電気・制御の話と思われがちですが、
実際には機械設計と強く結びついた重要な要素です。

Z相の扱いを誤ると、
原点復帰時の衝突や位置ズレなど、
重大なトラブルにつながります。

ここでは、機械設計者の立場で
必ず意識すべきZ相のポイントを、
分かりやすく解説します。


原点復帰動作が本当に必要かを考える

まず最初に考えるべきなのは、
その機械に原点復帰動作が必要かどうかです。

  • 電源投入時に位置が分からなくなる装置か
  • 繰り返し精度が重要な装置か
  • 安全のために基準位置へ戻す必要があるか

これらに該当する場合、
Z相を使った原点復帰がほぼ必須になります。

原点復帰が不要な設計であれば、
不要なリスクやコストを減らすこともできます。


Z相を「どの位置」で使うかが重要

Z相はモータ1回転につき1回しか出ない信号です。
そのため、Z相が出る位置=原点位置になります。

ここで重要なのは、

  • 機構的に意味のある位置か
  • 制御上、使いやすい位置か

という点です。

例えば、

  • ストローク中央付近
  • ボールねじの端部付近

など、原点としてふさわしい位置かどうか
設計段階で検討する必要があります。


機構上、その位置が安全かを必ず確認する

Z相を検出する位置では、
機械が必ずその位置を通過します。

そのため、

  • 周囲に干渉物はないか
  • エンド付近で無理な力がかからないか
  • 低速でも安全に動かせるか

を必ず確認しましょう。

Z相は信号ですが、
実際には機械を強制的に動かすトリガーになります。


「信号」と「機械動作」を切り離して考えない

Z相は電気的にはただのパルス信号です。
しかし機械設計者にとっては、

  • 原点復帰の開始点
  • 動作範囲の基準
  • 安全設計の一部

という意味を持ちます。

制御任せにせず、
機械がどう動くかをイメージした設計が不可欠です。


設計段階で制御担当とすり合わせる

Z相の扱いは、

  • 制御方式
  • 原点復帰シーケンス
  • センサ併用の有無

によって変わります。

設計段階で、

  • どこを原点にするのか
  • Z相とリミットスイッチの役割分担

を制御担当と共有することで、
後工程でのトラブルを防げます。


サーボモータのZ相は、
単なる信号ではなく、
機械の動きを決定づける重要な要素です。

機械設計者は、

  • 原点復帰が必要か
  • Z相を使う位置は適切か
  • その位置は安全か

を必ず意識しましょう。

はじめ
はじめ

Z相を正しく理解し、
機構・制御を一体で考えることが、
安定した装置設計につながります。


Z相を使う際の注意点|原点復帰トラブルを防ぐために知っておくべきこと

サーボモータのZ相は、
原点復帰や高精度位置決めに欠かせない信号ですが、
使い方を誤ると思わぬトラブルの原因になります。

ここでは、機械設計・制御の両方の視点から、
Z相を使う際に必ず押さえておきたい注意点を分かりやすく解説します。


Z相は「1回転に1回」しか出ない

Z相の最大の特徴は、
モータが1回転する間に1回だけ出力される信号であることです。

そのため、

  • Z相を検出し損ねると次の1回転まで原点が分からない
  • 高速で通過すると検出できないことがある

といったリスクがあります。

Z相は常に出ている信号ではない、
という前提で設計・制御を考えることが重要です。


原点復帰では「低速動作」が必須

Z相を確実に検出するためには、
原点復帰時は必ず低速で動かす必要があります。

高速のまま原点復帰を行うと、

  • Z相を飛ばしてしまう
  • 制御側で認識できない

といった問題が起こりやすくなります。

そのため多くの装置では、

  1. まず原点センサなどで大まかな位置を検出
    • リミットセンサや近接センサなど
  2. その後、低速でZ相を探す

という二段階の原点復帰動作を行います。


機械的干渉が起きない位置で使う

Z相を検出する位置は、
必ず機械がその位置を通過することになります。

そのため、

  • エンドストッパー直前
  • 干渉ギリギリの位置

にZ相基準を置くのは非常に危険です。

Z相の位置は、
低速でも安全に動かせる余裕のある範囲に設定しましょう。


設計段階で「原点復帰動作」をイメージする

Z相は信号ですが、
原点復帰時には実際に機械が動きます。

設計段階で、

  • どの方向に動くのか
  • どの速度で動くのか
  • どこまで動く可能性があるのか

を具体的にイメージしておくことが重要です。

制御任せにせず、
機械設計者自身が動作を理解すること
トラブル防止につながります。


Z相を使う際は、

  • Z相は1回転に1回しか出ない
  • 原点復帰は低速で行う
  • 機械的に安全な位置で使う

という基本を必ず押さえましょう。

これらを考慮せずに設計すると、
原点復帰時の衝突や位置ズレなどのトラブルが発生しやすくなります。

Z相は正しく使えば非常に便利な信号です。
信号=機械動作」という意識を持って設計することが重要です。


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まとめ

サーボモータのZ相とは、
エンコーダから出力される回転位置の基準信号です。

Z相を使うことで、

▶ 正確な原点復帰
▶ 安定した位置決め
▶ 高い再現性

が実現できます。

機械設計・制御の基礎として、
「Z相は原点を決めるための重要な信号」
という点をしっかり押さえておきましょう。


はじめ
はじめ

モーターやアクチュエーターなど、
機械の駆動源に関する基礎知識と
選定基準をまとめています。

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