CADや設計業務では、マウス操作とキーボードショートカットの組み合わせが欠かせません。
しかし、標準のキー配置のままだと「右手でマウス、左手でキーボード」と手を行き来させる動作が多くなり、作業効率が落ちてしまいます。
そこで効果的なのが、キーボードショートカットを左手に集中配置する方法です。
これにより、右手は常にマウスに置いたまま、左手だけでショートカット操作が可能になり、作業のリズムが格段に良くなります。
なぜ左手にショートカットを集中させるのか?

マウス操作との同時進行が可能
右手でマウスを動かしながら、左手だけでズーム・回転・寸法入力などを瞬時に実行できます。
手の移動距離を最小化
「ショートカットのために右手をキーボードに伸ばす」という動作がなくなるため、タイムロスを削減できます。
疲労軽減
左右の手の役割分担がはっきりすることで、右手の酷使を防ぎ、長時間作業でも疲れにくくなります。
左手にショートカットを集中させる方法

使うキーを左側に集める
標準のショートカットを見直し、以下のように左手で届く範囲(Esc、Tab、Q〜T、A〜G、Z〜V、Spaceなど)に重要コマンドを配置します。
Ctrl・Shift・Altとの組み合わせ活用
左手は小指でCtrl・Shift・Altを押しやすい位置にあるため、組み合わせショートカットを割り当てると効率的です。
キー割り当てを変更する
CADソフトにはほとんどキー割り当て変更機能があります。
Fusion 360やIRONCADでは「キーボードショートカット編集」から、AutoCAD、IJCADでは「CUI(カスタマイズ)」で設定可能。
左手デバイスやテンキーを利用する
- 左手テンキーに数値入力やショートカットを登録
- プログラマブルキーボードで独自のレイアウトを作成
ショートカット効率を高めるためのポイント
CADや設計ソフトで作業をスピードアップするためには、ショートカットキーの活用が欠かせません。
しかし、やみくもに設定を増やすと逆に混乱してしまい、効率が落ちることもあります。

そこで、初心者が確実に作業効率を上げるための3つのポイントを解説します。
同系統の機能を近いキーにまとめる
ショートカットの配置は「覚えやすさ」が重要です。
同じジャンルの機能を近くにまとめることで、指の移動が短くなり、操作の流れがスムーズになります。
同系統の機能の例
- 画面操作系
- 画面分割
- 画面移動
- 作図系
- 直線作図
- 円作図
- 長方形作図
- 寸法系
- 寸法作成
- 距離測定
このように、機能が似ているものを隣同士に置くと、迷わず直感的に押せます。
「指が自然に動く配置」を目指しましょう。
1週間は練習期間を設ける
新しいショートカット配置は、最初の数日は必ず使いにくく感じます。
これは脳と指がまだ新しい操作を覚えていないからです。
練習期間のコツ
- まずは新しいショートカットだけを意識して使う
- マウスやメニュー操作に戻らず、あえてショートカットを使い続ける
- 1週間経つと、無意識で指が動くようになります
「覚えるまでが面倒」ではなく、「覚えたら一生ラク」と考えるとモチベーションが続きます。
ショートカットは10個前後から始める
最初から20個も30個も設定すると、どれがどの機能か分からなくなり、結果的に覚えられません。
まずは使用頻度が高い10個前後に絞るのがおすすめです。
✅ 近い機能は近くのキーに置くことで指が迷わない
✅ 1週間は慣らし期間としてあえて使い続ける
✅ まずは10個前後から始めて少しずつ増やす

この3つを守るだけで、ショートカットの習得スピードと作業効率が格段に上がります。
一度慣れてしまえば、もうメニューから探す作業には戻れなくなるはずです。
ショートカット設定の注意点
- ソフト更新で設定がリセットされる場合がある
→ ショートカット設定はエクスポートして保存 - 他の作業との干渉
→ 他のソフトでも使うPCでは、共通ショートカットとの競合に注意 - 左手デバイスのサイズ感
→ 大きすぎるとマウスとの距離が広がって逆効果
まとめ
左手にショートカットを集中配置すると、
✔ マウス操作と同時進行
✔ 手の移動距離の最小化
✔ 作業効率の向上
が実現できます。
まずは重要な10個の操作だけを左手側のキーに割り当て、慣れてきたら徐々に拡張するのがおすすめです。
自分の作業スタイルに合わせた左手ショートカット配置を作れば、設計作業のスピードと快適さが一段階上がります。
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