機械の中には、
「モーターは回っているのに、部品は上下に動いている」
という場面がたくさんあります。
この「回転運動 → 直線運動」の変換を
うまく行っているのが、カム機構です。
この記事では、
「なぜカムが往復運動を生み出すのか?」
という疑問を、図をイメージしながらやさしく解説していきます。
回転を「押し上げる力」に変える仕組み
カムとは、特定の形に加工された回転体のこと。
そのカムに沿って、
「フォロワー(押される棒)」が接触しています。
カムの基本動作
- カムが回転する
- フォロワーがカムの形に沿って上下する
- 上下の動き=往復運動になる!
カムの「盛り上がった部分(リフト)」が
フォロワーを押し上げ、低い部分では元に戻る。
これを繰り返すことで、
一定のリズムで動かすことができるのです。
カム形状が運動を決める!
― カムの形で「動きのプログラム」が変わる ―
カムは、機械にリズムよく動きを与える
「動作の指揮者」のような存在です。
そのカムの形(形状)によって、
動かされる部品=フォロワーの動き方がまったく変わるのをご存知ですか?
今回は、
「なぜカム形状が重要なのか」
「どんな形でどう動くのか」
をやさしく解説します。
カムとは?そしてフォロワーとは?
カムが回転することで、
フォロワーはカムの形に沿って
押されたり、戻されたりする=往復運動になります。
カムの形で「動き」が変わる!
カムの形を変えると、フォロワーの動きも変わります。
つまり、カムの形=「動作のプログラム」なのです。
以下に代表的なカム形状と、
それによって生まれるフォロワーの動きの例を紹介します。
| カムの形 | フォロワーの動き |
|---|---|
| 正円カム | 動きなし(回るだけ) |
| 卵形カム | ゆっくり上がって急に下がる(非対称な動き) |
| ハート形カム | 一定速度で上下する(リズムよく動く) |
| 溝付きカム | 複雑な上下+回転動作なども可能 |
ポイント
カム形状で「制御レスでも正確に動く」
カムのすごいところは、
センサーやコンピュータがなくても、
決めた動きを正確に繰り返せることです。
つまり「機械的なプログラム」が
形状として埋め込まれているようなもの。
カム形状=機械の動きの「設計図」
カムの形を変えることで、フォロワーの動き方が自由に設計できる
正確なタイミングや速度変化を形状で作れる
カムの形=動きのプログラム
制御装置がなくても、形だけで自動動作を作り出せるのが最大の魅力

カムはシンプルだけど奥深い、
まさに「形で動きをデザインする」部品です。
機械設計において、非常に頼れる存在なのです!
カムの使いどころ
カムは、自動機や精密装置などで広く使われています。
その理由は、電気制御なしで、
機械的に正確な動作を繰り返せるから。
カムの代表的な使用例
センサーやコンピュータが不要なシンプルな機械制御として、
今も多くの場面で活躍しています。
カム設計で気をつけたいポイント

― 動きを形で決めるカムだからこその注意点 ―
カムは、回転運動を「押す・引く」といった
直線運動に変える機械要素です。
動作タイミングや速度変化を形だけで設計できるという
大きな魅力がありますが、反面いくつかの注意すべき点もあります。
ここでは、初心者の設計者がカムを扱うときに
気をつけたいポイントをやさしく解説します。
注意点①:摩耗しやすい
カムとフォロワーは常に接触して動作する仕組みです。
そのため、摩耗(すり減り)しやすいという特徴があります。
対策
特に長時間の使用や高速動作が多い場合は、摩耗対策が重要です。
注意点②:加工精度が必要
カムの形状がそのまま動きになるため、
ちょっとした寸法ズレでも動作に影響が出てしまいます。
たとえば…
対策
「どうせ回るだけだし…」と油断すると、
期待した動作にならないので要注意です。
注意点③:動作音が出やすい
カムとフォロワーが金属同士で擦れ合うことで、
「カチャカチャ」「ゴリゴリ」と音が出ることがあります。
特に高速回転や衝撃的な動作を伴うカムは、
騒音の原因になることも。
対策
静音性が求められる装置では、
構造そのものの見直しも検討したほうがよいでしょう。
注意点④:動きの変更が難しい
カムの動きは「形」で決まっているため、
一度作ってしまうと後から自由に動作変更できないという欠点があります。
「もう少し早く押したい」「タイミングをずらしたい」と思っても、
カムそのものを再設計・再製作する必要が出てきます。
対策
カムは「形が命」。でも慎重な設計が必要
| 注意点 | 内容 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 摩耗 | 接触しながら動くので擦れやすい | 材質・表面処理・潤滑 |
| 加工精度 | わずかな形状ズレが影響大 | 高精度加工とシミュレーション |
| 騒音 | 金属同士の接触で音が出やすい | 動作設計と潤滑の工夫 |
| 柔軟性 | 動きの変更が難しい | 試作で十分な確認が大切 |

カムはシンプルながら、緻密さが求められる設計部品です。
使いこなせれば、制御装置が不要な美しい「機械式の動き」を実現できます。
まとめ:カムは「動きを形にした機械の心臓」
▶ カムは、回転運動を往復運動に変換する装置
▶ 形状によって動きが決まるのが最大の特徴
▶ 正確なタイミング制御や繰り返し動作に強い
▶ 設計・メンテナンスの工夫で、長く安定して使える
カムは「動きの設計を形にした部品」といえます。
初心者の方も、実物のカムやアニメーションを見ると、
もっと理解が深まりますよ!





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