【H鋼】H形鋼の規格寸法と選定ポイント【H型断面】

材料選定

H形鋼は、建築や機械設計において高い強度と安定性を必要とする
構造部材として広く使用されています。

その断面が「H」の形状をしていることから名付けられ、
荷重を効率的に分散する特性を持っています。

この記事では、H鋼の規格寸法、特徴、および選定ポイントについて詳しく解説します。


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H鋼の規格寸法

H形鋼は日本工業規格(JIS G 3192)で規定されており、
サイズが標準化されています。


呼称 (H×B)フランジ (t1) [mm]ウェブ (t2) [mm]断面積 [cm²]単位重量 [kg/m]断面2次モーメント [cm⁴]断面係数 (Zxx) [cm³]
100×505711.859.30Ix:187
Iy:14.8
Zx:37.5
Zy:5.91
100×1006821.5916.9Ix:378
Iy:134
Zx:75.6
Zy:26.7
125×606816.6913.1Ix:409
Iy:29.1
Zx:65.5
Zy:9.71
125×1256.5930.0023.6Ix:839
Iy:293
Zx:134
Zy:46.9
150×755717.8514.0Ix:666
Iy:49.5
Zx:88.8
Zy:13.2
150×1006926.3520.7Ix:1000
Iy:150
Zx:135
Zy:30.1
150×15071039.6531.1Ix:1620
Iy:563
Zx:216
Zy:75.1
175×905822.9018.0Ix:1210
Iy:97.5
Zx:138
Zy:21.7
175×1757.57.551.4240.4Ix:2900
Iy:984
Zx:331
Zy:112
200×1005.5826.6720.9Ix:1810
Iy:134
Zx:181
Zy:26.7
200×1506938.1129.9Ix:2630
Iy:507
Zx:271
Zy:67.6
200×20081263.5349.9Ix:4720
Iy:1600
Zx:472
Zy:160
250×1256936.9729.0Ix:3960
Iy:294
Zx:317
Zy:47.0
250×17571155.4943.6Ix:6040
Iy:984
Zx:495
Zy:112
250×25091491.4371.8Ix:10700
Iy:3650
Zx:860
Zy:292
300×1506.5946.7836.7Ix:7210
Iy:508
Zx:481
Zy:67.7
300×20081271.0555.8Ix:11100
Iy:1600
Zx:756
Zy:160
300×3001015118.493.0Ix:20200
Iy:6750
Zx:1350
Zy:450
350×17571162.9149.4Ix:13500
Iy:984
Zx:771
Zy:112
350×25091499.5378.1Ix:21200
Iy:3650
Zx:1250
Zy:292
350×3501219171.9135Ix:39800
Iy:13600
Zx:2280
Zy:776
400×20081383.3765.4Ix:23500
Iy:1740
Zx:1170
Zy:174
400×3001016133.2105Ix:37900
Iy:7200
Zx:1940
Zy:480
400×4001321218.7172Ix:66600
Iy:22400
Zx:3330
Zy:1120
450×20091495.4374.9Ix:32900
Iy:1870
Zx:1460
Zy:187
450×3001118153.9121Ix:54700
Iy:8110
Zx:2490
Zy:540
500×2001016112.288.2Ix:46800
Iy:2140
Zx:1870
Zy:214
500×3001118159.2125Ix:68900
Iy:8110
Zx:2820
Zy:540
600×2001117131.7103Ix:75600
Iy:2270
Zx:2520
Zy:227
600×3001220187.2147Ix:114000
Iy:9010
Zx:3890
Zy:601
700×3001324231.5182Ix:197000
Iy:10800
Zx:5640
Zy:721
800×3001426263.5207Ix:286000
Iy:11700
Zx:7160
Zy:781
900×3001628305.8240Ix:404000
Iy:1260
Zx8990
Zy:842

表の項目説明

  • 呼称 (H×B)
  • フランジ厚 (t1)
    • フランジの厚み。
  • ウェブ厚 (t2)
    • ウェブ(縦方向の板部分)の厚み。
  • 断面積
    • H形鋼の断面積。
  • 単位重量
    • H形鋼1メートルあたりの重量。
  • 断面2次モーメント
    • 曲げ剛性を示す値。
    • 断面形状と材料の特性による。
  • 断面係数
    • 曲げ応力に関する設計の指標。

注意事項

上記はJIS G 3192で標準的に規定されるH形鋼の一部を基にした例です。
実際の寸法や数値は詳細なカタログや設計条件を確認してください。

断面2次モーメント断面係数は、
荷重や支持条件によって重要な設計指標となります。
特殊用途のH形鋼(軽量型、重量型など)は、異なる数値を持つ場合があります。


H鋼の選定ポイント

H鋼を選定する際には、以下のポイントを考慮します。

荷重条件

使用環境における荷重(静荷重、動荷重)の種類や大きさを考慮し、
適切な寸法と規格を選定します。

例えば、大きな曲げモーメントがかかる場合にはフランジが広いH鋼が適しています。

強度についての関連記事はこちら

耐久性と使用環境

使用する環境条件(屋内、屋外、湿度、塩害地域など)に応じて、
表面処理(防錆塗装や溶融亜鉛メッキなど)や材質を選択します。

重量とコストのバランス

必要な強度を満たしながらも、過剰な重量を避けることでコスト削減が可能です。
軽量H形鋼は、低荷重条件でコストと施工性を改善できます。

規格と製造可能性

JIS規格の寸法と供給状況を確認し、加工・輸送が容易なサイズを選ぶことが重要です。

製造性についての詳細記事はこちら

加工後の残留応力

溶接や切削加工を行う際に、材料の内部応力が変化し、
構造全体に歪みが生じる場合があります。

この場合、黒皮材や焼鈍材の使用を検討することも有効です。


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形鋼の種類について

H形鋼やI形鋼など、強度と剛性に優れた形鋼があり、
建築や機械フレームに広く使用されます。

山形鋼(アングル)や溝形鋼(チャンネル)は、
補強材やフレーム構造の部品として利用されます。

はじめ
はじめ

アングルやチャンネルでは
強度が足りないときに、H鋼なら安心です。
柱や梁として使えば、
高い耐荷重性能と安定性を確保できます。

まとめ

H鋼は、その高い強度と剛性、そして多用途性により、
機械設計や建築構造物において非常に重要な役割を果たします。

適切なH鋼を選定するためには、荷重条件や使用環境、
重量とコストのバランスを考慮する必要があります。

また、寸法や種類が豊富であるため、
用途に応じた最適なH鋼を選択することで、
設計の効率性と耐久性を向上させることが可能です。

H鋼の選定には、JIS規格や各メーカーのカタログ情報を参考にしながら、
使用条件を十分に理解して選択することが求められます。

正確な選定により、構造全体の性能を最適化し、
トラブルのリスクを低減することができるでしょう。


はじめ
はじめ

設計において欠かせない材料の特性や用途を解説しています。
適材適所の選定をサポートします。

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