【新JIS・旧JIS 1種・2種】キー材の規格寸法表|平行キーの種類・選定ポイント・使い道を解説

材料選定
0

キー材の寸法は、JIS規格(日本産業規格)によって標準化されており、
設計時にはこの規格に従って選定することが一般的です。

以下は、JIS B1301に基づく平行キーの規格寸法の一例です。

スポンサーリンク

キー材の規格寸法表

平行キーの寸法は、JIS B 1301によって規格化されています。
キーの呼び寸法は、一般的に「幅(b)×高さ(h)」で表されます。

例えば「8×7」のキー材であれば、幅8mm、高さ7mmを意味します。

キーには幅・高さだけでなく長さもあり、
用途に合わせて適切な寸法を選定する必要があります。

また、新JISと旧JISではキーの寸法や許容差が異なる場合があるため、
既存設備の修理や部品交換では特に注意が必要です。

新JIS規格表(JIS B 1301:1996 抜粋)

以下は、平行キーの代表的な規格寸法です。

単位:mm

呼び寸法b
(mm)
許容差
(h9)
h
(mm)
許容差適応する軸径
(mm)
2×22 0
-0.025
2 0
-0.025
h96 ~ 8
3×3338 ~ 10
4×44 0
-0.030
4 0
-0.030
10 ~ 12
5×55512 ~ 17
6×66617 ~ 22
8×78 0
-0.036
7 0
-0.090
h1122 ~ 30
10×810830 ~ 38
12×812 0
-0.043
838 ~ 44
14×914944 ~ 50
16×10161050 ~ 58
18×111811 0
-0.110
58 ~ 65
20×1220 0
-0.052
1265 ~ 75
22×14221475 ~ 85
25×14251485 ~ 95
28×16281695 ~ 110
32×1832 0
-0.062
18110 ~ 130

※JIS B 1301:1996(2009年追補あり)を参考にした抜粋表です。

※適用軸径は一般用途における参考値です。実際の設計では伝達トルクやキーの強度を確認してください。

※括弧付きの特殊な呼び寸法などは省略しています。

ここで重要なのが、キー材の寸法にはマイナス公差が設定されていることです。

例えば、幅8mmのキー材で許容差が0 / -0.036mmの場合、
実際の幅は7.964~8.000mmの範囲になります。

したがって、キー材を購入する際は、
呼び寸法だけでなく寸法公差も確認することが重要です。

旧JIS規格表(JIS B 1301:1959 抜粋)

旧JIS規格では、主に1種キーと2種キーが区別されていました。
それぞれキーの幅や高さに設定される公差が異なります。

現在でも、古い機械や既存設備の補修などで旧JISのキーが使用される場合があります。

旧JIS規格 1種キー

1種キーは、幅にプラス公差を持つタイプです。

単位:mm

呼び寸法旧JIS規格 1種
b
(mm)
許容差
(p7)
h
(mm)
許容差
(h9)
2×22+0.016
+0.006
2 0
-0.025
3×333
4×44+0.024
+0.012
4 0
-0.030
5×555
7×77+0.030
+0.015
7 0
-0.036
10×8108
12×812+0.036
+0.018
8
15×101510
18×1218120
-0.043
20×1320+0.043
+0.022
13
24×162416
28×182818
32×2032+0.051
+0.026
20 0
-0.052
35×223522
38×243824
42×264226
45×284528
50×31.55031.50
-0.062

旧JIS規格 2種キー

2種キーは、幅にマイナス公差を持つタイプです。

単位:mm

呼び寸法旧JIS規格 2種
b
(mm)
許容差
(h8)
h
(mm)
許容差
(h10)
2×22 0
-0.014
2 0
-0.040
3×333
4×44 0
-0.018
4 0
-0.048
5×555
7×77 0
-0.022
7 0
-0.058
10×8108
12×812 0
-0.027
8
15×101510
18×121812 0
-0.070
20×1320 0
-0.033
13
24×162416
28×182818
32×2032 0
-0.039
20 0
-0.084
35×223522
38×243824
42×264226
45×284528
50×31.55031.5 0
-0.100

※旧JISの抜粋表です。旧設備で使用する際は、キーだけでなく軸側・ハブ側のキー溝寸法も確認してください。

1種キーと2種キーの違いとは?

旧JISの1種キーと2種キーは、主にキーの寸法公差が異なります。

1種キー

1種キーは、幅にプラス公差が設定されています。

そのため、2種キーと比較して、キーとキー溝のはめあいがきつくなる傾向があります。

  • キー幅がプラス公差
  • 比較的きついはめあい
  • 打ち込みを伴う構造などで使用

ただし、はめあいがきついからといって、必ず高いトルクを伝達できるわけではありません。

2種キー

2種キーは、幅にマイナス公差が設定されています。

1種キーと比較すると、組み立てや取り外しを行いやすい特徴があります。

  • キー幅がマイナス公差
  • 比較的組み立てやすい
  • 分解やメンテナンスを考慮する場合に使用

なお、2種キーを使えば必ず軸方向に摺動できるわけではありません。

ハブを軸方向に移動させる場合は、キーとキー溝の公差を
滑動に適した組み合わせにする必要があります。

また、旧JISの1種・2種という区分と、新JISにおける結合方式は
同じ分類ではないため、混同しないようにしましょう。


キーの材質

キー材には、主にS45CやS50Cなどの機械構造用炭素鋼が使用されます。

また、耐食性が必要な場合にはステンレス鋼、
高い強度が必要な場合には合金鋼なども選択肢になります。

代表的な材質と特徴をまとめると、以下のようになります。

材質主な特徴使用時の注意点
S45C強度・加工性・コストのバランスが良い腐食対策や熱処理状態の確認が必要
S50C炭素鋼の選択肢の一つ製品ごとの強度や熱処理状態を確認
ステンレス鋼耐食性が求められる用途に適する材質によって強度・硬度が異なる
合金鋼高い強度などが求められる用途で検討材料費や熱処理条件を考慮

キー材の材料選定では、強度だけでなく、軸やハブとの組み合わせも重要になります。

例えば、キーの強度が十分でも、軸側やハブ側のキー溝に
過大な面圧が作用すると、キー溝が変形する可能性があります。

また、S45Cだから必ず高硬度というわけではなく、
熱処理の有無によって特性が異なることにも注意が必要です。

キー材を購入する際は、材質名だけで判断せず、
メーカーが示す材質・機械的性質・熱処理状態を確認しましょう。


キーのはめあいと精度

平行キーは、軸とハブの間でトルクを伝達する重要な部品です。

適切なはめあいを設定しないと、ガタや摩耗、組立不良などの原因になることがあります。

一方で、必要以上にきついはめあいを設定すると、組み立てや取り外しが難しくなります。

重要なのは、使用目的に合わせて適切なはめあいを選択することです。

はめあいの種類

はめあいには、一般的にすきまばめ、中間ばめ、しまりばめがあります。

また、新JISでは、キーによる軸とハブの結合方式として「滑動形」「普通形」「締込み形」が区分されています。

すきまばめ

キーとキー溝の間にすきまを設けるはめあいです。

組み立てや取り外しが容易になる特徴があります。

軸方向に移動するハブなどに使用する場合は、滑動に適したキー溝公差を設定します。

ただし、すきまが大きすぎると、回転方向のガタや摩耗が発生する可能性があります。

中間はめあい

すきまばめとしまりばめの中間に位置するはめあいです。

寸法公差の組み合わせによって、わずかなすきまや締め代が発生します。

キーの保持と組立性のバランスを考慮したい場合に使用されます。

ただし、実際のはめあい状態はキーとキー溝の寸法公差によって決まるため、
組み合わせを確認する必要があります。

しまりばめ(圧入)

キーとキー溝の間に締め代を設けるはめあいです。

キーを確実に保持したい場合などに使用されます。

ただし、組み立て時に打ち込みや圧入が必要になる場合があり、
取り外しが難しくなることがあります。

また、しまりばめを採用しても、
キー自体のせん断強度や面圧強度が高くなるわけではありません。

伝達トルクに対する強度は別途確認する必要があります。

はめあい精度の重要性

キーのはめあい精度は、トルク伝達の安定性や部品の耐久性に影響します。

特に、以下の3点が重要です。

トルク伝達の安定化

適切なはめあいによって、回転方向の過大なガタを抑えることができます。

平行キーでは、主にキーの側面を介してトルクを伝達します。

そのため、キーとキー溝の接触状態が重要です。

なお、キーの許容伝達トルクを確認する際は、
キーのせん断応力や面圧なども考慮する必要があります。

振動と騒音の低減

キーとキー溝のすきまが大きすぎると、
回転方向のガタが生じる場合があります。

特に、正転・逆転を繰り返す機構では、
ガタによる衝撃や接触面の摩耗が問題になることがあります。

適切なはめあいを設定することで、
こうしたトラブルのリスクを抑えることができます。

部品の破損防止

キーの強度が不足すると、
せん断破損や接触面の変形が発生する可能性があります。

また、キー溝を加工した軸には断面欠損や応力集中が生じます。

そのため、キー単体だけでなく、
軸やハブを含めて強度を確認することが重要です。

設計および製造における考慮点

平行キーを設計する際は、寸法公差だけでなく、
材料やメンテナンス性についても検討する必要があります。

製造公差

キーとキー溝の寸法公差は、JIS規格などを参考に設定します。

特に注意したいのが、キーの幅だけでなく、
軸側とハブ側のキー溝幅も確認することです。

また、キー溝の深さが不適切だと、
キー上面がハブに干渉するなど、
正常に組み付けられない可能性があります。

平行キーでは、基本的にキー側面でトルクを伝達するため、
キー上面の干渉にも注意しましょう。

材料の選定

キーの材質は、伝達トルクや使用環境、軸・ハブの材料などを考慮して選定します。

必ずしもキーを軸やハブより柔らかくする必要はありません。

特に大きな負荷が作用する場合は、キー材の強度だけでなく、
キー溝部分の面圧や軸の強度にも注意が必要です。

メンテナンス性

機械設計では、部品の組み立てや取り外しのしやすさも重要です。

例えば、頻繁に分解する機構では、
必要以上にきついはめあいを避けた方がよい場合があります。

一方で、正逆転を繰り返す機構では、ガタや摩耗への配慮が必要です。

使用条件に応じて、はめあい精度とメンテナンス性のバランスを考慮しましょう。


スポンサーリンク

トルク伝達以外の使い道と工夫

キー材は、主に軸とハブのトルク伝達に使用されますが、
規格化された寸法を持つため、機械設計ではそれ以外の用途にも活用できます。

特に、長方形断面のキー材は、
簡易的な位置決めや高さ調整などに利用しやすい部材です。

ここでは、キー材の代表的な活用方法について紹介します。

調整用ブロックのガイド

キー材は、調整用ブロックのガイドとして使用できます。

例えば、長穴と調整ねじを組み合わせた機構で、
キー材を直線方向のガイドとして利用する方法があります。

キー材を基準面として使用することで、
調整時にブロックが意図しない方向へ動くことを抑えられます。

精密な位置調整

キー材をガイドとして利用することで、ブロックの移動方向を一定に保ちやすくなります。

ただし、位置決め精度はキー材だけでなく、相手部品の加工精度や調整機構によっても変わります。

必要な精度に応じて、ガイド面のすきまや直角度などを確認しましょう。

分解可能な設計

長穴や調整ねじを組み合わせることで、
位置調整と分解を両立した構造を作れます。

メンテナンス時に位置を再調整する必要がある機構などで便利です。

ただし、再組立時に同じ位置を再現したい場合は、
別途位置決め基準を設けることも検討しましょう。

摩擦の軽減

キー材をガイドとして使用する場合、
接触面の摩擦にも注意が必要です。

特に頻繁に摺動する機構では、
摩耗や焼付きが発生する可能性があります。

必要に応じて、材質や表面処理、潤滑方法を検討しましょう。

嵩増しブロックとして使用

キー材は、部品の高さを調整するための
嵩増しブロックとして利用することもできます。

例えば、既存設備の改造時に部品の高さを少し変更したい場合、
キー材をスペーサーとして使用する方法があります。

規格化された寸法を利用できるため、
条件によっては部品を新規製作するよりも簡単に対応できます。

寸法調整

キー材の高さ寸法を利用して、
部品間の距離や取付高さを調整できます。

ただし、キー材には寸法公差があるため、
呼び寸法どおりの高さが必ず得られるわけではありません。

精密な高さ調整が必要な場合は、
シムなどの調整部品を併用することも検討しましょう。

また、荷重を受ける場合は、接触面積や固定方法にも注意が必要です。

プレートの位置決め

キー材は、プレートやブロックの位置決めにも活用できます。

特に、長い直線部分を基準面として利用できることが特徴です。

平行位置決め

キー材を基準面として利用することで、
プレートを一定方向に位置決めできます。

例えば、2つの部品を平行に配置したい場合、
キー材をガイドとして使用する方法があります。

ただし、位置決め精度はキー材の寸法精度だけでなく、
取り付け面の加工精度にも左右されます。

角度位置決め

キー材を加工された角度基準面に沿って設置することで、
プレートの角度位置決めに利用することもできます。

ただし、キー材を斜めに設置するだけでは正確な角度は保証されません。

高い角度精度が必要な場合は、
基準面の加工精度や固定方法を確認することが重要です。

その他の用途

キー材は、工夫次第でさまざまな用途に利用できます。

スペーサーとしての利用

部品間に一定のすきまを設けたい場合、
キー材をスペーサーとして使用できます。

ただし、必要な寸法精度や荷重条件に応じて使用を判断しましょう。

補強部材としての利用

キー材を、簡易的な支持部材や補強部材として使用することもできます。

ただし、強度が必要な用途では、固定方法や荷重の伝わり方を考慮する必要があります。

仮固定治具としての利用

組み立て時や加工時の仮固定治具として利用する方法もあります。

例えば、部品の位置を一時的に保持したい場合などに活用できます。

このように、キー材はトルク伝達以外にも、
位置決め、ガイド、スペーサーなど幅広い用途で使用できます。

ただし、規格材であっても、用途に必要な寸法精度や
強度を満たしているか確認することが重要です。


はじめ
はじめ

それぞれの用途に合わせて、
キー材料の形状や材質を工夫することで、
より効果的に利用することができます。

まとめ

キー材(平行キー)は、軸とハブを結合し、トルクを伝達するための重要な機械要素です。

JIS規格によって寸法が標準化されているため、軸径や使用条件に応じて適切なキーを選定できます。

設計する際は、特に次のポイントを確認しましょう。

  • 規格寸法
    • 新JIS・旧JISの違いと、キーの幅・高さ・長さを確認する
  • はめあい
    • キーと軸・ハブのキー溝公差を適切に設定する
  • 強度
    • 伝達トルクに対するせん断強度と面圧強度を確認する
  • 材質
    • 使用環境や負荷条件に応じた材料を選定する
  • メンテナンス性
    • 組み立てや取り外しのしやすさを考慮する

また、キー材はトルク伝達だけでなく、
位置決めやガイド、スペーサーとしても活用できます。

規格寸法や材料特性を正しく理解することで、
設計の効率化や部品コストの削減にもつながります。

キー材を選定する際は、寸法表だけで判断せず、
はめあい・強度・使用目的を総合的に考慮することが重要です。



はじめ
はじめ

設計において欠かせない材料の特性や用途を解説しています。
適材適所の選定をサポートします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました