【紫外線】耐候性の重要性について【風雨】

材料選定

機械設計では、部品や材料が使用される環境を考慮することが重要です。その中でも、「耐候性」は長期間の使用において欠かせない要素の一つです。

耐候性とは?

耐候性とは、雨・風・紫外線・温度変化などの自然環境に対する耐久性を指します。例えば、屋外で使用される機械の部品は、日光や湿気にさらされるため、耐候性の低い材料を使うと劣化が早まります。

耐候性が低いとどうなる?

耐候性が低い材料を使うと、次のような問題が発生します。

🚫紫外線劣化:ゴムやプラスチックがひび割れたり、脆くなる。
🚫腐食・サビ:金属が錆びて強度が低下する。
🚫膨張・収縮:温度変化により寸法が変わり、部品同士のかみ合わせが悪くなる。

これらの問題は、機械の寿命を縮めたり、故障の原因になります。

なぜ紫外線で材料が劣化するのか?

機械設計において「耐候性」とは、屋外や過酷な環境での耐久性を意味します。特に、太陽光にさらされる環境では、紫外線(UV)が材料を劣化させる原因となります。

では、なぜ紫外線で材料が劣化するのか? 初心者にもわかりやすく解説していきます。


紫外線が材料を劣化させるメカニズム

紫外線は目に見えない光の一種で、非常にエネルギーが強い波長を持っています。このエネルギーが材料の分子構造を破壊することで、劣化が進みます。

具体的な劣化の仕組みは次の通りです。

🚫 紫外線が分子を破壊する

材料を構成する分子(ポリマーや化学結合)は、紫外線を浴び続けると結合が切れ、化学的に不安定になります。これが劣化の第一歩です。

🚫 酸素や水分と反応し、ボロボロになる

  • 分子が壊れると、空気中の酸素や水と反応しやすくなります。
  • これにより、ひび割れや表面の粉化(チョーキング現象)が発生します。

🚫 色あせ・強度低下が起こる

  • 紫外線は色のもとになる顔料や染料も分解するため、色あせ(褪色)が起こります。
  • また、強度が低下し、ゴムやプラスチックが硬くなったり、もろくなったりします。

紫外線に弱い材料と対策

特に紫外線に弱い材料と、その対策をまとめました。

材料紫外線による影響主な対策
ゴム(NBR, PU)硬化・ひび割れ耐候性の高いEPDMシリコンゴムに変更
プラスチック(PP, PE, ABS)色あせ・脆化UVカット剤を添加
またはアクリルやポリカーボネートを使用
金属(鉄, 銅)錆びる(酸化)塗装・メッキ処理で保護

屋外で使用するなら、耐候性の高い材料を選びましょう。
紫外線対策として、UVカット加工や表面処理を活用する。


耐候性を考えた材料選びをしよう!

紫外線による材料劣化は、分子の破壊→酸化・水分反応→強度低下・色あせという流れで進みます。

🔍設計時のポイント
🔹 屋外使用なら、耐候性のある材料を選ぶ(EPDM, シリコン, アクリルなど)
🔹 紫外線に弱い材料は、UVカット処理やコーティングを検討する
🔹 金属は塗装やメッキで保護する

はじめ
はじめ

適切な材料選定と対策を行うことで、長期的な耐久性を確保し、劣化によるトラブルを防ぐことができます!

耐候性を考慮した材料選定

環境に適した材料を選ぶことで、耐候性を向上させることができます。以下は、代表的な耐候性の高い材料です。

材料特徴主な用途
ステンレス鋼
(SUS304, SUS316)
錆びにくく、耐食性に優れる屋外機器、食品機械
アルミニウム
(A5052, A6061)
軽量で錆びにくい建築部材、車両
EPDM(ゴム)紫外線・オゾンに強いシール材、パッキン
ポリカーボネート(PC)高耐候性・高耐衝撃性窓材、防護カバー

耐候性を向上させる方法

材料だけでなく、以下の対策を施すことで耐候性を高めることができます。

表面処理:メッキや塗装を施し、腐食を防ぐ(例:アルマイト処理、タフトライド処理)。
設計工夫:水が溜まらないようにする、紫外線が直接当たらないようにする。
適切な保守・点検:劣化した部品を早めに交換し、長寿命化を図る。

まとめ

耐候性を考慮しない設計では、部品の劣化が早まり、トラブルや修理コストが増加します。特に屋外で使う機械や、温度変化の大きい環境では、適切な材料選定や表面処理が重要です。

機械設計をする際には、「この部品はどんな環境で使われるのか?」を意識し、耐候性のある材料や対策を取り入れるようにしましょう!


はじめ
はじめ

設計において欠かせない材料の特性や用途を解説しています。
適材適所の選定をサポートします。

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