機械のカバーや保護板などで、
よく使われる透明樹脂があります。
それが PET(ペット)材 です。
図面や仕様書では
▶ PETプレート
▶ PET樹脂
▶ PET板
などと表記されることがあります。
PETと聞くと多くの人が思い浮かべるのは
ペットボトルかもしれません。
実はこのPET、機械設計の世界でも非常に使いやすい材料で、
透明樹脂の中でもかなり万能な材料として知られています。
透明性がありながら
□ 割れにくい
□ 加工しやすい
□ 比較的安価
といった特徴があり、
カバー部品や保護部品にとてもよく使われます。
この記事では、PET樹脂とはどんな材料なのか?
特徴
他の透明樹脂との違い
よくある用途
をわかりやすく解説します。
PETとは?
PETとはポリエチレンテレフタレートという樹脂の略称です。
非常に長い名前なので、一般的にはPET(ペット)と呼ばれています。
最も有名な用途はペットボトルです。
しかしPETはそれだけではなく
など、さまざまな分野で使われています。
PETは透明樹脂の中でも万能材料
透明樹脂にはいくつか種類があります。
例えば
などです。
その中でもPETはバランスの良い万能材料と言われることが多いです。
理由は次の特徴です。
PETの特徴① 透明性が高い
PETは透明性が高い樹脂です。
見た目はアクリルに近く、
ガラスのように中がよく見える
透明度があります。
そのため
などで使われることがあります。
PETの特徴② 割れにくい
PETの大きなメリットが割れにくいことです。
アクリルは透明度は高いですが、
衝撃で割れることがあります。
PETはそれに比べて粘りがあり割れにくい
という特徴があります。
そのため
などにも使いやすい材料です。
PETの特徴③ 加工しやすい
PETは加工しやすい樹脂でもあります。
例えば
などが比較的容易です。
そのため、試作部品や簡易カバーとしてもよく使われます。
PETの特徴④ 比較的安価
透明樹脂の中でも価格が比較的安いのもメリットです。
例えば
| 材料 | 特徴 |
|---|---|
| アクリル | 透明度が高い |
| ポリカーボネート | 非常に強い |
| PET | バランスが良く安価 |
そのため「とりあえず透明カバーを作りたい」という場合に
まずPETが検討されることも多い材料です。
透明カバーの材料で迷ったら?
機械設計をしていると、意外と悩むのが透明カバーの材料選定です。
例えばこんな場面です。
このような場合、透明樹脂のカバーを設計することになります。
しかし透明樹脂にはいくつか種類があり、
設計者は材料選びで迷うことがよくあります。
機械設計でよく比較されるのは次の4種類です。
| 材料 | 特徴 |
|---|---|
| アクリル | 透明度が高い |
| ポリカーボネート | 強度が高い |
| PET | バランスが良い |
| 塩ビ(PVC) | 安価で加工しやすい |
それぞれの特徴を簡単に見てみましょう。
とりあえず使いやすいのはPET
実務では「とりあえずPETで検討する」というケースも多くあります。
その理由は、PETが
のバランスが良い材料だからです。
つまり、万能タイプの透明樹脂と言えます。
特に
などではPETがよく使われます。
強度が必要ならポリカーボネート
もし
といった用途ならポリカーボネート
が有力な候補になります。
ポリカーボネートは
透明樹脂の中でもトップクラスの強度
を持っています。
そのため
- 安全カバー
- 防護カバー
- 工場設備のカバー
などでよく使われます。
ただし
といった特徴もあります。
見た目重視ならアクリル
透明度を最優先するならアクリルが候補になります。
アクリルの特徴は非常に透明度が高いことです。
ガラスに近い透明感があります。
そのため
- 表示窓
- 展示装置
- デザイン部品
などではよく使われます。
ただし、衝撃で割れやすいという弱点があります。
コスト重視なら塩ビ(PVC)
コストを抑えたい場合には塩ビ(PVC:ポリ塩化ビニル)が使われることがあります。
塩ビの特徴は
といった点です。
そのため
- 簡易カバー
- 試作カバー
- 保護板
などで使われることがあります。
ただし塩ビは
- 透明度はアクリルほど高くない
- 耐熱性はあまり高くない
といった点には注意が必要です。
設計での簡単な選び方
透明カバーの材料は、次のように考えると選びやすくなります。
| 条件 | 材料 |
|---|---|
| バランス重視 | PET |
| 強度重視 | ポリカーボネート |
| 透明度重視 | アクリル |
| コスト重視 | 塩ビ |
この中でもPETは価格・強度・加工性のバランスが良い材料です。
そのため機械設計では「迷ったらPET」
という選び方をする設計者も少なくありません。
PETを使うときの注意点
便利なPETですが、注意点もあります。
耐熱温度はそれほど高くない
PETの耐熱温度はおよそ70〜120℃程度です。
高温環境では
が起きることがあります。
そのため高温装置には不向きです。
傷がつきやすい
透明樹脂全般に言えることですが
表面に傷がつきやすい特徴があります。
カバー用途では
などを検討することもあります。
まとめ
PET(ポリエチレンテレフタレート)は、
透明樹脂の中でも非常にバランスの良い材料です。
主な特徴は次の通りです。
▶ 透明性が高い
▶ 割れにくい
▶ 加工しやすい
▶ 比較的安価
そのため機械設計では
□ 機械カバー
□ 表示窓
□ 防塵カバー
□ 保護板
など、さまざまな用途で使われます。
透明樹脂には
アクリル
塩ビ
ポリカーボネート
などもありますが、PETは
「透明樹脂の中でも万能タイプ」
と言える材料です。
もし透明カバーや保護板の材料で迷った場合は、
まずPET材を検討してみるのも一つの選択肢です。




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