【高温・低温】シリコンゴム(Si)の特性と選定ポイント【絶縁性】

材料選定

機械設計において、ゴム材料の選定は使用環境や用途に応じた
適切な特性を持つものを選ぶことが重要です。

その中でも、シリコンゴム(Si)は
耐熱性・耐寒性・耐候性・電気絶縁性に優れたゴムとして、
多くの用途で使用されています。

本記事では、シリコンゴムの特性や選定ポイントについて、
わかりやすく解説します!


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シリコンゴム(Si)とは?

シリコンゴム(Si)は、シリコーンポリマーを主成分とする合成ゴムで、
一般的なゴムと比べて極端な温度環境(高温・低温)でも
安定した性能を発揮するのが特徴です。

そのため、高温や低温環境でのシール材や電気絶縁部品として
幅広く使用されています。

シリコンゴムの主な用途

  • シール材(Oリング、ガスケット)
  • 医療機器や食品機器のパッキン
  • 高温部品(エンジン周辺、家電製品)
  • 電気・電子部品の絶縁材
  • キーパッド、ホース

シリコンゴムの主な特性

耐熱性が非常に高い

シリコンゴムは、200~250℃の高温環境でも性能を維持できるため、
エンジン周辺部品や高温機械部品に適しています。

  • ポイント

250℃程度の環境でも使用可能
一般的なゴム(NBRやCR)は100℃程度で劣化するが、シリコンゴムは長期間安定

耐熱性を最重視するなら、フッ素ゴム(FKM)も検討

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耐寒性が優れる

-60℃程度の低温でも硬化せず、弾力性を維持できるため、極寒環境での使用にも適しています。

  • ポイント

冷凍庫や寒冷地での使用もOK
一般的なゴム(NBRやCR)は-30℃程度で硬化するが、
シリコンゴムは-60℃でも柔軟性を維持

極端な耐寒性が必要ならフッ素ゴム(FKM)やEPDMも選択肢

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耐候性・耐オゾン性が高い

シリコンゴムは、紫外線やオゾン、風雨による劣化が少なく、
屋外環境でも長期間使用可能です。

  • ポイント

屋外環境や直射日光が当たる場所での使用に適している
劣化しにくく、長寿命

さらに耐候性が必要ならEPDM(エチレンプロピレンゴム)も検討


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電気絶縁性が高い

シリコンゴムは、非常に優れた電気絶縁性を持っているため、
電気・電子部品のカバーや絶縁材として使用されます。

  • ポイント

高電圧環境でも安心して使用可能
絶縁保護カバーやコネクタ周辺のシール材として最適

さらに高い絶縁性が求められる場合はフッ素ゴム(FKM)も検討

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耐薬品性は限定的

シリコンゴムは、酸やアルカリに対しては比較的強いですが、
有機溶剤や石油系の油に対しては耐性が低いです。

  • ポイント

酸やアルカリ環境では比較的安定
有機溶剤や石油系オイルには弱い(膨潤・劣化しやすい)

耐油性が必要なら、ニトリルゴム(NBR)やフッ素ゴム(FKM)を選ぶ

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シリコンゴムの選定ポイント

シリコンゴムを選定する際は、以下の点に注意しましょう。

項目シリコンゴム(Si)の適性代替材料
耐熱性◎ 250℃まで使用可能FKM(フッ素ゴム)は300℃対応
耐寒性◎ -60℃でも柔軟性維持EPDMも耐寒性が高い
耐候性◎ 紫外線・オゾンに強いEPDMがさらに優れる
耐油性△ 弱い(石油系オイルNG)NBR(ニトリルゴム)が優れる
電気絶縁性◎ 絶縁性が非常に高いFKMも絶縁性がある

高温・低温環境でのシール材や電気絶縁材に最適
屋外環境でも劣化しにくく、長期間安定した性能を発揮
医療・食品用途にも適した安全性の高い材料

耐油性が必要ならNBR(ニトリルゴム)を選ぶ
有機溶剤にさらされる環境では使用不可


まとめ:シリコンゴムは高温・低温環境に強い万能ゴム!

シリコンゴム(Si)は、
耐熱性・耐寒性・耐候性・電気絶縁性に優れた合成ゴムであり、
シール材、電気絶縁部品、医療・食品用途など幅広い分野で使用されています。

✅ -60℃~250℃の温度環境に対応可能
✅ 紫外線・オゾンに強く、屋外環境でも長持ち
✅ 優れた電気絶縁性を持つため、電子部品の保護に適している
✅ 安全性が高く、医療・食品分野でも使用可能

用途や環境に応じて適切なゴム材料を選定し、
機械設計の信頼性を向上させましょう!



はじめ
はじめ

設計において欠かせない材料の特性や用途を解説しています。
適材適所の選定をサポートします。

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