機械を動かすうえで「速さ」と「力(トルク)」の
コントロールはとても重要です。
それを実現するのが、ギア(歯車)の役割です。
では、なぜギアを使うと速度が変えられるのでしょうか?
この記事では、その仕組みと
「変速比」「トルク」の関係をやさしく解説します。
ギアの基本:かみ合う歯の数で回転が変わる
ギアとは、歯車同士がかみ合って回転を伝える部品です。
そして、ギアの歯の数=直径の大きさによって
「回転のスピード」が変わります。
たとえば…
| 駆動側ギア(入力) | 従動側ギア(出力) | 結果 |
|---|---|---|
| 歯数:20 | 歯数:40 | 回転は1/2倍(遅くなる)、トルクは2倍に |
この「回転数が変わる割合」を変速比(へんそくひ)と呼びます。
「変速比」は「減速比」とも呼ばれることがある
機械設計の現場では、「変速比」=「減速比」
という言い方をすることがあります。
これは特に、モーターなどの高速回転を
“ゆっくり・力強く”動かしたいときによく使われます。
たとえば、変速比が「3:1」なら、
モーターが3回まわる間に機械側が1回まわるという意味。
このように回転が「遅くなる」方向なので、
減速比(げんそくひ)と呼ばれるのです。
✔ ポイント
つまり、意味は同じでも、
使う場面のニュアンスが少し違うということなんです。
変速比ってなに?
変速比(=ギア比)とは、
出力側の歯数 ÷ 入力側の歯数
で表されます。
たとえば
入力が歯数20、出力が歯数40 のとき:
→ 変速比 = 40 ÷ 20 = 2
この場合、
「出力側は入力側の1/2の速さ」で回ります。
逆に、歯数10:20だと、
変速比は 0.5、2倍の速さで回ります。
速度とトルクはトレードオフ!

ギアで速くすると、力(トルク)は弱くなり、
遅くすると、トルクは強くなるという関係があります。
これは、エネルギーの保存の法則に基づくものです。
たとえば…
| 変速比 | 回転速度(出力) | トルク(出力) |
|---|---|---|
| 2:1 | 半分になる | 2倍になる |
| 1:2 | 2倍になる | 半分になる |
つまり、スピードと力は反比例の関係にあるんです。
なぜギアで速度を変えるの?
どんな場面で使われる?目的別の変速の考え方
機械にギアを使うと、「速さ」や「力の強さ」を調整できます。
これを変速(へんそく)といい、
比率で表したものが変速比(へんそくひ)です。
変速比の使い方を知ることで、
「なぜこの装置はゆっくり動くのか?」
「どうしてこんなに速いのか?」
が理解できるようになります。
ゆっくり強く回したいときは「変速比を大きく(減速)」
モーターなどの高速回転を、
「ゆっくりだけど力強い動き」に変えたいとき、
変速比を大きくします(減速)。
使用例
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| 電動ドリル | ゆっくりだけど強い力でネジを締めるため |
| ロボットアーム | ゆっくり動かして正確に位置決めするため |
| 工作機械の送り装置 | ゆっくり動かして切削精度を高めるため |
大きな変速比にすることで、
スピードは遅くなるけどトルク(回す力)が強くなるんです。
速く軽く動かしたいときは「変速比を小さく(加速)」
一方で、「とにかく速く動かしたい」
「軽いものを効率よく動かしたい」ときは、
変速比を小さくします(加速)。
使用例
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| ミキサー | 高速で羽根を回して混ぜるため |
| 送風機 | 羽根を高速回転させて空気を送るため |
| コンベア | 軽い荷物を速く運ぶラインで使用される |
この場合は、
速く回す代わりに、力(トルク)は小さくなるという特徴があります。
設計ではどう使い分ける?
変速比の大小は、「力の強さ」と
「スピード」のトレードオフ(交換関係)です。
| 目的 | 選ぶ変速比 | 特徴 |
|---|---|---|
| パワー重視 | 大きい変速比(減速) | 動きが遅いが力が強い |
| スピード重視 | 小さい変速比(加速) | 速く動くが力は弱い |
設計者は、使用目的に応じて
最適な変速比を選定することが求められます。
変速比を変えることで、「スピード」と「力」を調整できる
減速すればトルクが強くなり、加速すれば動きは速くなる
使用用途(工作機械、家電、搬送機器など)に応じて選び方が異なる

ギアの使い方を理解することは、機械設計の基本のひとつ。
変速比の考え方を身につけて、目的に合った設計を目指しましょう!
まとめ:ギアは「速さ」と「力」を自由にコントロール!
変速比とは、ギアの歯数や回転数の比率で、
スピードと力のバランスを調整する考え方
変速比を大きくすると、
ゆっくりだけど強い動き(=減速)
変速比を小さくすると、
速いけれど軽い動き(=加速)
用途に応じて、ギアの選び方や
組み合わせが変わるのが設計のポイント!
ギアの仕組みを知ることで、
「ただ動けばいい」から
「目的に合った動きにする」設計ができるようになります。
機械の中の動きをコントロールする力 ― それが変速比なのです。




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