【第23回】複数ライン化と出荷場の仕様を再設計|目標出荷能力・最大出荷能力で工場を拡張する

機械設計×ゲーム

前回、第22回では、設備をクリックすると

  • 価格
  • 能力
  • サイズ
  • サイクル
  • 入出口

などを確認できる設備詳細UIを追加しました。

設備の種類が増えてきたことで、「置ける設備を増やす」だけでなく、
「何を選ぶか分かりやすくする」ことも重要になってきたからです。

そして設備選びの準備が整ったところで、今回はいよいよ次の大きなSTEPへ進みます。

複数ライン化です。

これまでは基本的に、

投入機1台 → 加工機1台 → 出荷場

という1本の生産ラインを調整するゲームでした。

ここからは投入機・加工機の1台制限を解除して、
複数の設備を組み合わせて工場全体の生産能力を上げるゲームへ進めていきます。

そして、この複数ライン化を考えている途中で、
もう一つ大きく見直したのが、出荷場の仕様です。


1本のラインだけでは、いつか限界がくる

これまで設備は、S・M・Lサイズと少しずつ強化してきました。

例えばLサイズなら、

  • 投入機L:1.20個/s
  • 加工機L:1.30個/s

と、かなり高い能力を持っています。

ただし、どれだけ高性能な設備でも1台には限界があります。
例えば、2.0個/sを安定して出荷したい。

でも投入機Lは1.20個/s。
これでは、1本のラインをどれだけ調整しても足りません。

ここで初めて、

「もう1本ラインを作ろう」

という理由が生まれます。
この流れはかなり自然です。


投入機・加工機の1台制限を解除する

そこで今回から、投入機と加工機を複数台配置できるようにしていきます。

これまでの、「1本のラインをどう最適化するか」から、
「何本のラインを、どんな設備構成で作るか」へ考える範囲が広がります。


複数ラインになると設備選びがさらに重要になる

ここで前回作った設備詳細UIも効いてきます。

例えば、「あと0.6個/sくらい能力が欲しい」となったとき、

  • Lサイズ設備をもう1台追加するのか。
  • Sサイズを追加するのか。
  • Mサイズを追加するのか。
  • あるいは既存設備を更新するのか。

選択肢が増えます。

例えば、高性能な設備1台にするのか、
安い設備を複数台にするのか。

ここでも、設備能力とコストのトレードオフが出てきます。


ここで出荷場の仕様も見直したくなった

複数ラインを考えていると、出荷場についても疑問が出てきました。
これまでは、最大出荷能力だけを持たせる予定でした。

第20回では、これまで単なるゴール地点だったGoalに「最大出荷能力」を持たせました。

例えば…

出荷場
最大出荷能力:0.50個/s

という感じです。

でも、工場をどんどん拡張していくゲームにするなら、
単純に、0.50 → 0.80 → 1.00個/sと同じ出荷場を
強化していくだけでは、少しもったいない気がしました。

そこで、出荷場に2つの能力を持たせることにしました。


「目標出荷能力」と「最大出荷能力」を分ける


新しい出荷場では、『 目標出荷能力 』と、『 最大出荷能力 』を別々に設定します。

例えば、

目標出荷能力:1.0個/s
最大出荷能力:3.0個/s

という感じです。

この2つは役割が違います。


目標出荷能力は「クリア目標」

まず、目標出荷能力は、プレイヤーが次へ進むための目標値です。

例えば、1.0個/sなら、
実ライン能力が1.0個/sを超えれば条件達成。

そして、次の出荷場がアンロックされます。

つまり、目標出荷能力は、
ステージクリア条件に近い数字です。


最大出荷能力は「その出荷場の上限」

一方、最大出荷能力は、その出荷場が実際に受け入れられる上限です。

例えば、

  • 目標:1.0個/s
  • 最大:3.0個/s

なら、1.0個/sを超えれば次の出荷場は解放できます。

でも、今の工場をさらに改善して…

2.0個/s。
2.6個/s。
2.9個/s。

と能力を上げる余地があります。

ただし、3.0個/sを超えると、
出荷場側では処理できません。

この関係がかなり使いやすそうです。


「クリアしたら終わり」ではなく、さらに伸ばせる

この仕様で良いと思ったのが、目標達成=その出荷場を使わなくなるではないことです。

例えば、

出荷場①。

  • 目標:0.3個/s
  • 最大:1.0個/s

まず0.45個/sを達成する。

すると、出荷場②がアンロック。

でも、出荷場①は消えません。
そのまま工場に残ります。

つまり、新しい受注先が増えるイメージです。


出荷場は「能力アップ装置」ではなく「新しい仕事」にする

ここは今回かなり重要な考え方です。

以前は、出荷場をアップグレードして、

  • 0.50個/s。
  • 0.80個/s。
  • 1.00個/s。

と強化するイメージでした。

でも今後は、古い出荷場を強化して置き換えるのではなく、
新しい出荷場が追加される形にしたいと思います。

イメージとしては、

出荷場①
↓ 条件達成
出荷場②を追加
↓ 条件達成
出荷場③を追加

工場が成長すると、受注先そのものが増えていく。
この方が、工場を広げている感じがかなり強くなります。


出荷場が増えると、複数ラインを作る理由もできる

例えば、出荷場①だけなら、1本のラインで十分だった。

ところが、

出荷場②も追加された。

すると、

既存ラインを分岐するのか。
新しいラインを作るのか。
加工機を増設するのか。

という問題が出てきます。

つまり、出荷場の追加そのものが、
工場を拡張する理由になります。

これは複数ライン化ともかなり相性が良いです。


出荷場ごとに「出荷条件」も変える

さらに、出荷場ごとに単純な能力だけでなく、
製品の条件も設定したいと思っています。

例えば・・・

  • 出荷場①
    • 加工1回のワークのみ出荷可能。
    • 目標:0.3個/s
    • 最大:1.0個/s
  • 出荷場②
    • 加工2回のワークのみ出荷可能。
    • 目標:0.5個/s
    • 最大:2.0個/s
  • 出荷場③
    • 加工1回のワークのみ出荷可能。
    • 目標:1.0個/s
    • 最大:3.0個/s

という感じです。

ここがかなり重要です。

単純に、「もっと速く作ればいい」だけではなくなります。


出荷場が変わると必要なラインも変わる

例えば、出荷場①が、加工1回なら、

投入機
↓
加工機
↓
出荷場①

で成立します。

でも出荷場②が、加工2回なら、

投入機
↓
加工機
↓
加工機
↓
出荷場②

が必要になるかもしれません。

あるいは…

1台の加工機を2回通す。
ラインを循環させる。
加工機を2台並べる。

といった設計も考えられます。

つまり、出荷条件そのものが新しいパズルになります。


「能力」と「工程」の2つを考えるゲームへ

これまでプレイヤーが主に考えていたのは、何個/s流せるかでした。

  • 投入能力
  • ストッパ能力
  • 加工能力
  • 出荷能力

ここへ、何を加工したワークなのかという条件が追加されます。

つまり今後は、必要な工程を満たしているか?と、
必要な能力を満たしているか?の両方を考える必要があります。

かなり工場設計っぽくなってきました。


出荷場①は安い設備で十分。でも、その先は違う

この仕組みは、最初から考えていた、
コストと性能のトレードオフとも相性が良さそうです。

例えば出荷場①なら、目標能力も低い。加工1回だけ。

なので、Sサイズ中心の安い工場でも十分かもしれません。

でも、出荷場③になると、目標出荷能力が高い。
さらに加工2回必要。となる。

そこで、

  • Lサイズ加工機を買う?
  • Mサイズ加工機を2台使う?
  • 高速コンベアを使う?
  • ラインを分岐する?

という判断が必要になります。

つまり、出荷場が増えるほど設備投資の判断も難しくなるということです。


「新しい出荷場を解放する」がゲーム進行になる

ここまで整理すると、ゲームの進行もかなり分かりやすくなります。
ただ設備を強化するだけではなく、新しい仕事が次々追加される。

これならゲームを進める目的もかなり分かりやすいです。


古い出荷場を残す意味もある

出荷場を追加方式にするなら、
以前の出荷場を消さないことにも意味があります。

例えば、出荷場①は、加工1回の簡単な製品。

利益は低い。でも安定して大量生産できる。

一方、出荷場③は、加工2回。
高い設備能力が必要。
でも利益も高い。

となれば、プレイヤーは、
どの出荷場へどれくらい能力を割り振るかまで考えられます。

将来的には、ライン分岐ともかなり相性が良さそうです。


出荷場が「ステージ」そのものになるかもしれない

これまでステージと言うと、
Startや加工機、Goalの配置が変わるイメージが強くありました。

でも今回の仕様なら、出荷場そのものを、
ステージやミッションのような存在にもできます。

例えば…

出荷場①
「加工済み部品を0.5個/sで納品してください」

出荷場②
「組立品を1.0個/sで納品してください」

出荷場③
「2工程加工品を2.0個/sで納品してください」

という形です。

工場のマップ自体は同じでも、要求される製品と能力が変われば、
まったく違うライン設計が必要になります。これはかなり面白そうです。


今回で「工場を拡張する理由」ができてきた

複数ライン化だけを先に実装しても、プレイヤー側からすると、
「なぜラインを2本にするの?」となる可能性があります。

でも…

  • 目標出荷能力が上がる。
  • 新しい出荷場が増える。
  • 出荷条件も複雑になる。

となれば、自然に、
「今の工場では足りないから増設しよう」となります。

つまり、ゲーム側から複数ラインを強制するのではなく、
要求が増えることで、プレイヤー自身がラインを増やしたくなる形にできます。

これはかなり理想的です。


今のゲームを一言で表すなら

ここまで来ると、ゲームの形もさらに変わってきました。

以前なら、設備能力に合わせて安定したラインを作る工場パズルでした。

今はもう少し広げて、
出荷場から要求される「製品条件」と「目標出荷能力」を満たすために、
設備を選び、工場を拡張していく生産ラインパズル

という感じになってきています。

かなり最初に考えていた、「要求仕様を満たすゲーム」へ戻ってきました。


今後は「複数ラインをつなぐ設備」も必要になりそう

今回、複数ライン化と出荷場の追加について考えたことで、
工場を広げていく方向性がかなり見えてきました。

ただ、実際に複数のラインを作ろうとすると、今の設備だけでは少し足りません。

例えば、

  • 1つの投入ラインを2方向へ分けたい。
  • 2本の加工ラインを1つの出荷場へまとめたい。

という場面です。

そこで今後は、

  • 分岐コンベア
  • 合流コンベア

も追加したいと考えています。

分岐コンベアがあれば、1本のラインを複数の加工機へ振り分けられる。
合流コンベアがあれば、複数ラインから流れてきたワークを1つの出荷場へまとめられる。

これが入ると、単純に設備を横へ並べるだけではなく、
「どこで分けて、どこでまとめるか」
まで考える必要が出てきます。

かなり工場レイアウトらしくなりそうです。


工場のグリッドも、そろそろ広げたくなってきた

もう一つ気になっているのが、12×8のグリッドサイズです。
最初は、MVPとしてかなりちょうどいい大きさでした。

ただ、

  • Lサイズ設備
  • 複数ライン
  • 複数の出荷場
  • 分岐・合流

まで考えると、少しずつスペースが足りなくなってきます。

設備が増えたのに、工場の床面積がそのままでは、レイアウトの自由度も限られてしまいます。
なので今後は、工場そのものを拡張できる仕組みも入れたいです。

  1. 最初は小さな工場。
  2. お金を稼ぐ。
  3. 設備を増やす。
  4. 床面積も広げる。
  5. さらにラインを増やす。

こうなると、設備だけでなく工場そのものが成長していく感じも出せそうです。


次回は、複数ラインを実際につなげてみる

今回までは、「複数ラインを作れるようにする」ところまで考えてきました。
次は、それらを実際に工場の中でどうつなぐかです。

投入機を複数置く。
加工機も複数置く。

そして、

分岐・合流を使って1つの生産システムとしてつなげる。

ここまでできれば、ゲームはかなり「1本のラインを調整するパズル」から、
「工場全体の流れを設計するパズル」へ変わってきます。

次回、第24回では、複数ラインを実際につなぐための分岐・合流の仕組みを考えていきます。

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