【第26回】ChatGPTとゲーム企画を壁打ち|工場パズルの「物足りなさ」をどう変える?

機械設計×ゲーム

前回、第25回では、工場の土地を12×3から少しずつ拡張していく仕組みを考えました。

  • 出荷場を攻略する。
  • お金を稼ぐ。
  • 土地を買う。
  • 設備を増やす。
  • さらに工場が広がる。

ここまで来ると、最初に作っていた単純なコンベアゲームとはかなり違います。
設備購入、加工機、ストッパ、出荷場、複数ライン、分岐・合流、土地拡張……。

機能だけを見れば、かなり「ゲームらしいもの」が揃ってきました。

ただ、実際にこの段階までのゲームを何度かプレイしてみると、
自分の中で少し引っかかるものがありました。

『 なんとなく、まだ物足りない。 』

ちゃんと動く。考えることもある。

でも、「もう1回やりたい!」
というところまでは届いていない気がする。

そこで今回は実装を少し止めて、
今後の方向性についてChatGPTと壁打ちしてみることにしました。


機能は増えた。でも「ゲームとしての気持ちよさ」は?

現状でも、

  1. 設備を選ぶ。
  2. ラインをつなぐ。
  3. 能力を調整する。
  4. 試運転する。
  5. 製品を出荷する。
  6. お金を稼ぐ。
  7. 土地を広げる。

という一連の流れはできています。

つまり、工場を設計する仕組みとしてはかなり形になっています。

でも、実際に遊んでみると、

「ラインが完成した!」
「これ気持ちいい!」
「もっと良くしたい!」

という感情が、まだ少し弱い。

そこでChatGPTに、そのまま聞いてみました。

はじめ
はじめ

「さらにゲーム性や達成感、やりがいを追加したいのですが、アイデアをください」

すると、最初に返ってきたのが、

ChatGPT
ChatGPT

「設計ツールとしてはかなり完成度が上がっているけれど、
ゲームとしての“気持ちよさ”がまだ弱い」

という指摘でした。

たしかに、今まで自分は、
どうすればライン設計として成立するかばかり考えていました。

でもゲームなら、成立した瞬間に気持ちいいことも必要です。


ChatGPTからゲーム性を強くする案を大量に出してもらう

ここから、かなりたくさんアイデアを出してもらいました。

ざっくり整理すると、こんな方向です。

アイデアどんな要素?
連続生産コンボJAMなし・連続出荷でボーナスや演出
生産能力ゲージ目標能力に対して現在何%かを視覚化
出荷演出出荷時のSE・エフェクト・金額表示を強化
ライン効率工場全体の効率を%表示
実績初出荷、100個生産、2.0個/s突破など
ミッション「加工1回製品を1.0個/sで生産」など
ランク評価S・A・Bなどでクリア結果を評価
設計スコア能力・コスト・面積・安定性を数値化
Factory Level工場レベルに応じて新設備を解放
AI設計レビュー完成したラインの改善点をAI風に表示
ワークの種類製品ごとに加工条件や特徴を変える
工具交換加工機に装着する工具によって工程を変更
精度低下設備が劣化すると少しずつ性能が低下
電気代・維持費高性能設備ほどランニングコストが高い
受注システム作る製品や必要数量が毎回変わる

どれも面白そうです。

特に、設計スコアはこのゲームとの相性がかなり良さそうでした。

例えば、生産能力は高い。
でも設備コストも高い。
工場面積も広い。

一方で別のプレイヤーは、少し能力を落として、
かなり安くコンパクトに作る。

そうすると、「どっちが良い設計?」という比較ができます。
かなり機械設計らしい。


「設計レビューAI」もかなり面白そう

ChatGPTから出てきた案の中には、
AI設計レビューというものもありました。

例えば試運転後に、

加工機Lの能力を持て余しています。
この区間のHighコンベアは過剰性能です。
ストッパ設定を見直すと能力を上げられそうです。

といったコメントを表示する。

これ、機械設計者としてはちょっと面白いです。

実際の仕事でも、

「この部品、本当にこのサイズいる?」
「ここ、もっと安くできない?」
「能力に余裕ありすぎない?」

みたいなレビューは普通にあります。

それをゲーム化する。

しかもAIを使ってゲームを作っているので、
ゲーム内にもAI設計主任がいるというのも面白い。

この案は、将来的にかなり使えそうなので残しておきます。


それでも、まだ「ゲームそのもの」を変える案が欲しい

ただ、自分としては、

  • コンボ
  • スコア
  • 実績
  • 演出

などを追加するだけでは、少し表面的な気もしました。

もちろん必要です。

でも、もっとゲームそのものの遊び方が変わる要素も欲しい。

そこで、

はじめ
はじめ

さらに振り切ったアイデアも出して

とChatGPTへ追加で聞いてみました。

すると、ここからかなり振り切った案が出てきました。

  • 設備の個体差
  • 工具交換
  • 設備劣化
  • 突然の仕様変更
  • 電気代
  • 注文
  • 週替わり課題
  • 設計レビュー

そして、その中で自分が一番気になったのが、

『 ワークに個体差を持たせる 』

という案でした。


今までのワークは全部同じだった

ここまでゲームを作ってきましたが、
実はワークについてはかなり単純です。

基本的には、

  1. 白い未加工ワークが流れてくる。
  2. 加工機を通る。
  3. 青い加工済みワーク

これだけです。

つまり、100個流れてきても、

  • 全部同じもの。
  • どのワークも同じ加工時間。
  • 同じ搬送条件。
  • 同じ利益。

これだと、どんなステージでも、最終的には似たラインになりやすい。

ここを変える。

ワークの種類を増やしたら、一気にライン設計が変わりそう

例えば、4種類の製品があるとします。

  • Aは標準品。
  • Bは重量物。
  • Cは精密品。
  • Dは小型品。
  • Aは特にクセなし。
  • Bは重いので搬送が遅い。
  • Cは加工条件が厳しい。
  • Dは高速搬送しやすい。

これだけでも、「全部同じ設備で流せばOK」ではなくなります。

さらに、

Aは加工1回。
Bは加工2回。
Cは加工+検査。
Dは組立。

のように工程まで変えれば、今まで作ってきた、
分岐・合流の意味も一気に大きくなります。


「設備の種類を増やす」より「作るものを増やす」

ここでかなり納得した考え方がありました。

それが、設備の能力差を増やすより、
製品ごとの差を増やすという方向です。

今までは、

  • 投入機S
  • 投入機M
  • 投入機L
  • 加工機S
  • 加工機M
  • 加工機L

というように、設備側の種類を増やしてきました。
もちろんこれは必要です。

でも設備だけ増やしていくと、覚えることもどんどん増えます。
一方、作るワークを変えれば、既存設備の意味を変えられます。

同じ加工機でも…

  • ある製品では十分。
  • 別の製品では能力不足。
  • 同じHighコンベアでも、
  • 軽いワークには便利。
  • 重量物には向かない。

そうなれば、今ある設備を使いながら、
新しいパズルを作れるわけです。

これはかなり良さそうです。


材質違いなんかも面白そう

さらに話を広げると、機械設計者らしく、
『 材質 』でワークを分ける案も出てきました。

例えば、

  • SS400
  • S45C
  • SUS304
  • アルミ

など。

  • SS400は加工しやすい。
  • S45Cは少し加工に時間がかかる。
  • SUS304はさらに加工負荷が高い。
  • アルミは軽くて高速搬送しやすい。

もちろん実際の材料特性をそのままゲームへ入れる必要はありません。

でも、材料によって加工性が違うという考え方は、機械設計者ならかなり直感的です。
工場ゲームとしても、ちょっと他にはない雰囲気が出せそうです。


加工ルートが違えば、分岐・合流ももっと面白くなる


第24回では、分岐コンベアと合流コンベアを作りました。

ただ現状では、単純に能力を分けたりまとめたりする役割が中心です。
ワークの種類が増えると、分岐の意味が変わります。

例えば、

  • A製品は加工1回で出荷。
  • B製品は加工2回。
  • C製品は加工後に検査。

となれば、製品によって進むべき経路が違うようになります。

すると、

  • どこで分岐する?
  • どこで合流する?
  • どの加工機を共用する?

というライン設計が必要になる。

これはかなりパズルとして面白そうです。


さらに「受注」と組み合わせられそう

ワークの種類を増やすなら、その先にあるのが、
受注システムです。

例えば、

「今日はA製品を200個」
「B製品を80個」
「C製品を50個」

という注文が来る。

Aは簡単だけど利益が低い。
Cは工程が多いけれど利益が高い。

そうなると、

どの製品を作る?
どの設備を使う?
今の工場を組み替える?

という判断が生まれます。

ここまで行けば、このゲームは単純な生産能力パズルではなく、
設計パズル × 工場経営 × 受注生産にかなり近づきます。


今後は「ワーク側」を増やしていく

色々と壁打ちしてみましたが、
今回、一番自分の中でしっくりきたのは、
ワークの種類を増やすという方向でした。

ここまでずっと、設備側を作ってきました。

でも、設備だけ増やすのではなく、
そこを流れる製品そのものを増やす。

これによって、今ある設備。

  • 分岐
  • 合流
  • ストッパ
  • 加工機
  • 出荷場

こうした仕組みを、もっと活かせそうです。


「何個/s作る?」だけではなく「何を作る?」へ

ここまでのゲームでは、主に、何個/s流せるかを考えていました。

でもワークに種類ができれば、
今後は、『 何を作るのか? 』も考える必要があります。

  • 何個/s作る?
  • どんな工程が必要?
  • どの設備を通す?
  • どの出荷場へ送る?

ここまで考えるようになれば、

ゲームの幅はかなり広がりそうです。


次はワークの種類を具体的に決めていく

今回の第26回では、実装を進めず、

一度ChatGPTと、

「このゲームに何が足りないのか?」

をかなり壁打ちしてみました。

結果として、

  • コンボ
  • スコア
  • 実績
  • 設計レビュー
  • 受注

など、今後入れたい要素はたくさん出てきました。

でもまずは、ゲームそのもののパズルを広げる要素として、
ワークの種類を増やすところから始めてみたいと思います。

次回は、どんなワークを用意するのか。

標準品。重量物。精密品。材質違い。加工回数違い。

などを整理しながら、「製品によって最適なラインが変わるゲーム」へ進めていきます。
ここからまた、工場の設計が一段面白くなりそうです。

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