【第44回】Steam用予告編動画の前にUIを英語化|Unityで日本語・英語切替を実装

機械設計×ゲーム

前回、第43回では、Steamストアで使う、

  • ヘッダーカプセル
  • 小型カプセル
  • メインカプセル
  • 垂直カプセル
  • スクリーンショット
  • ライブラリアセット

などをまとめて作りました。

文章だけだったSteamストアページに、ようやくPUZFLOの見た目が入ってきました。
そして次に作ろうとしたのが、Steam用の予告編動画です。

  • コンベアが動く
  • ワークが流れる
  • 加工する
  • 分岐する
  • 詰まる
  • 改善する

PUZFLOは静止画よりも、実際に動いているところを
見せた方がゲーム内容が伝わりやすいと思います。

そこで、「よし、次は予告編動画を作ろう」と考えました。

ところがChatGPTへ相談してみると、
「先に英語版UIを作った方がいい」という話になりました。

今回は、予告編を作る前に急きょ始まった、
PUZFLOのゲーム内UI英語化について書いていきます。


なぜ最初に英語版を作るのか?

ここで自分も少し迷いました。

「日本で作っているゲームなんだから、まず日本語版の予告編を作ればいいのでは?」

とも思ったからです。

ただ、Steamは日本だけではなく、世界中のユーザーが見るストアです。

PUZFLOも、せっかくSteamで販売するなら、
日本だけでなく海外のプレイヤーにも見てもらいたい。

そう考えると、最初のトレーラーは、
英語UIで録画したものを基準にした方が使いやすそうです。

特にPUZFLOは、

  • 設備名
  • 生産能力
  • 出荷条件
  • エラー表示
  • 設定項目
  • ボタン

など、ゲーム画面の中にかなり文字があります。

日本語UIのまま英語字幕だけを追加しても、
画面の中には日本語が大量に残ります。

それよりも、ゲーム自体をEnglish表示にして録画する。
そのうえで必要なら、日本語版トレーラーも別に作る。

この方が、海外ユーザーから見ても自然です。
さらに、一度ゲーム本体を英語対応しておけば、

英語版トレーラーだけでなく、
Steam用スクリーンショットや実際の製品版にもそのまま使えます。

つまり今回の英語化は、予告編だけのためではありません。
Steamで海外向けに販売するための土台作りにもなります。

そこで今回は、トレーラー編集へ進む前に、
まずPUZFLOそのものを英語で遊べる状態にすることにしました。

最初はそのまま日本語版を録画するつもりだった

Steam用の予告編を作るといっても、
最初はそこまで深く考えていませんでした。

今のPUZFLOを録画する。
↓
見せたい場面を切り取る。
↓
BGMを付ける。
↓
Steamへアップロードする。

こんな感じで考えていました。

ただ、Steamは日本だけではありません。

そこでChatGPTに、

はじめ
はじめ

「とりあえず最初に英語版の予告動画を作りたいんだけど、どうすればいい?」

と聞いてみました。

すると、英語UIで録画したトレーラーを基準にした方がいい
というアドバイスがありました。


英語字幕だけでは少し弱い

最初は、日本語UIのまま録画して、
その上に英語字幕を載せればいいのかな?とも思いました。

ただPUZFLOは、かなりUI内の文字が多いゲームです。

例えば、

  • 設備名
  • 生産能力
  • 出荷条件
  • 設備情報
  • エラー表示
  • ボタン
  • ステータス
  • How To Play

などがあります。

画面の端に小さく日本語がある程度ならまだしも、
右側の設備情報やエラー表示まで日本語のままだと、海外の人から見ると、
「日本語のゲーム画面に英語字幕を付けただけ」という印象になりそうです。

そこで、予告編を作る前に、
ゲームそのものを英語表示できるようにすることにしました。

予告編制作の前に、また仕事が増えました。


現在のUIには「日本語+小さい英語」がある

ここでPUZFLO特有の問題があります。

現在のUIでは、例えば、

生産開始
START PRODUCTION

のように、大きな日本語の下に、
小さな英語を表示している場所があります。

これは日本語版では結構気に入っています。

工場の操作盤や設備パネルっぽく見えて、
PUZFLOのUIデザインにも合っています。

でも、英語版でもそのままにすると、

生産開始
START PRODUCTION

という表示になります。

英語圏のプレイヤーから見ると、日本語が一番大きい。
これは少し変です。


日本語版と英語版で表示ルールを分ける

ChatGPTと相談して、表示ルールを決めました。

日本語モード

日本語をメイン表示
+
一部の小さい英語表記はデザインとして残す

例えば、

生産開始
START PRODUCTION

設計中
DESIGN MODE

のような形です。


英語モード

こちらは、英語のみにします。

例えば、

START PRODUCTION

DESIGN MODE

だけを表示。

日本語は残しません。

さらに、もともと小さく表示していた英語も非表示にして、
同じ英語が二重表示されないようにします。

このルールなら、日本語版の現在の雰囲気を壊さず、
英語版だけ自然にできそうです。


まずはCodexに英語対応を依頼する

方針が決まったので、いつもの流れです。

自分ではコードを書けないので、
ChatGPTにCodexへの指示文を作ってもらいました。

内容はかなり長くなりましたが、大きくまとめると、

  • 日本語 / Englishを切り替えられるようにする
  • 設定画面に言語切替を追加
  • 日本語版では現在のデザインを維持
  • 英語版では日本語を消す
  • 英語の重複表示も消す
  • タイトルや設定だけでなく、ゲーム全体を対象にする
  • 翻訳は一元管理する
  • 将来、中国語なども追加しやすくする
  • ゲームロジックには触れない
  • 英語で文字が長くなってもUIが崩れないようにする

という感じです。


翻訳対象は思っていたより多かった

自分としては、
「ボタンを英語にするくらいかな」
という感覚もありました。

でも実際に確認すると、かなりあります。

例えば、

  • タイトル画面
  • 設定画面
  • 操作方法
  • ポーズ画面
  • 設計画面
  • 生産画面
  • 設備一覧
  • 設備詳細
  • 出荷場情報
  • ワーク情報
  • 売上情報
  • エラー表示
  • 確認ダイアログ
  • チュートリアル
  • ステージ関連UI
  • ツールチップ

など。

ゲームを日本語だけで作っていると気付きませんでしたが、
ゲームって、結構文字が多い。PUZFLOも例外ではありませんでした。


用語も一つずつ英語へ

英語化するにあたって、単純な直訳ではなく、
ゲームUIとして短く分かりやすい表現を意識しました。

例えば、

日本語英語
設定Settings
設計中DESIGN MODE
生産中RUNNING
生産開始START PRODUCTION
生産停止STOP PRODUCTION
出荷場Shipping Station
目標生産能力Target Production Rate
現在の生産能力Current Production Rate
処理能力Capacity
購入価格Cost
設備仕様Equipment Specs
操作ガイドControls
出荷実績Shipping Results

という感じです。

特にPUZFLOでは、

  • Production
  • Processing
  • Capacity
  • Shipping

など、

機械設計では普通に使えそうな単語でも、
ゲームUIとして見ると少し硬く感じる場合があります。

なので、意味が正しいだけでなく、
海外プレイヤーが一瞬で理解できるかも意識していきます。


英語は日本語より横に長い

そして英語化で怖かったのが、文字切れです。

日本語なら、目標生産能力で済むところが、
英語では、Target Production Rateになります。

かなり長い。

他にも、

Priority Merge Conveyor
Required Processes

など、横幅を使う英語がかなりあります。

そこでCodexには、

  • 文字切れ
  • ボタンからのはみ出し
  • 不自然な改行
  • TextMeshProのAuto Size
  • 左右パネル内の幅
  • 1920×1080での表示

まで確認するよう依頼しました。

英語化って、ただ文章を翻訳すれば終わりではないんですね。


Codexが日本語/英語切替を実装

そしてCodexへ依頼した結果、
日本語と英語を切り替えられるようになりました。

設定画面の、

設定 → 表示 → 言語 / Language

から、

日本語
English

を選択できます。

変更すると、その場でUIへ反映。
さらに、選んだ言語も保存される仕様です。

初回は、OSが日本語なら日本語。
それ以外ならEnglish。という形にしました。


翻訳はEnglish.jsonへまとめる

今回かなり良かったのが、翻訳データを、
English.jsonへ一元化したことです。

各ボタンや各Scriptへ、英語を直接ベタ書きするのではなく、
翻訳データをまとめて管理します。

これなら、「Shipping Stationという英語を変えたい」
となったときも、一か所を修正すれば済みます。

さらに今後、中国語などを追加するときにも、
同じ仕組みを使えます。

最初は英語トレーラーを作りたかっただけなのに、
結果的に、ちゃんとしたローカライズの仕組みまで作ることになりました。


Codexの静的チェックではかなり多くの翻訳があった

Codexの報告では、

  • 翻訳 508件
  • 設備関連 78項目
  • UI文字列 665か所

を静的に確認したとのこと。

  • コンパイルエラーも0件。
  • 模擬環境では、言語切替。
  • サブ英語表示の復元。
  • 保存値の読み込み。

なども確認できたようです。

ただし、実際の画面はまだ自分で確認する必要があります。

Codex側ではPlay Modeでの最終表示確認ができていないので、
ここからは自分の出番です。


UnityでEnglishへ切り替えて確認する

まず設定画面から、Englishへ変更。

すると、今まで日本語だったゲーム画面が、
一気に英語になります。

ここで確認したのは、

  • 日本語が残っていないか
  • 文字が枠から出ていないか
  • 不自然な改行がないか
  • ボタンが崩れていないか
  • 小さい英語が二重表示されていないか

コードの中身は分かりません。
でも、画面を見て変かどうかは分かる。
これはUI制作やバグ修正と同じです。


英語チェックもChatGPTにお願いする

さらに、英語版が表示できたから終わり、ではありません。

自分は英語ネイティブではないので、

「意味は通じるけど、ゲームでは変な英語」

になっている可能性があります。

そこで、英語表示にした各UIをスクリーンショットにして、
ChatGPTへ1画面ずつチェックしてもらうことにしました。


英訳チェックで見るポイント

ChatGPTには、

主に、

  • 英語として自然か
  • UIとして長すぎないか
  • 用語が統一されているか
  • 海外プレイヤーに意味が伝わるか
  • 日本語が残っていないか
  • 改行がおかしくないか

を見てもらいます。

例えば、意味としては正しいけど、
ゲームUIでは少し長い。

という場合は、短い表現へ変えます。

文章として完璧な英語より、
ゲーム中に一瞬で読める英語
の方が大事な場面もあります。


タイトル画面から順番にチェック

英語版が完成したあと、実際に、

  • タイトル画面
  • 設定
  • 操作方法
  • ポーズ
  • How To Play
  • 設備情報
  • 売上計算
  • ワーク情報
  • エラー表示

など、かなり多くの画面をChatGPTへ送っていきました。

画面ごとに、

「これは自然」
「ここは短くした方がいい」
「この表現よりこちらの方がゲームUIらしい」

という形で確認。

修正内容をまとめて、またCodexへ渡します。

そしてUnityで確認。

ここでも結局、

ChatGPT → Codex → Unityで確認という、

いつもの開発方法でした。


英語対応するとゲームが少し違って見える

個人的に面白かったのが、英語表示にすると、
PUZFLOの印象が少し変わることです。

日本語だと、かなり機械設計・生産設備っぽい。
英語にすると、少し、海外の工場パズルゲームっぽい雰囲気が出ます。

同じUIなのに、文字が変わるだけで結構印象が変わります。
そしてSteamで海外ユーザーにも見てもらうことを考えると、
英語対応しておいてよかったと思います。


予告編を作ろうとしたら、ゲーム本体が進化した

今回の始まりは、ただ、
「Steamの予告編を作りたい」でした。

でも、

英語版を作った方がいい。
↓
英語UIが必要。
↓
言語切替が必要。
↓
翻訳管理が必要。
↓
英語レイアウト調整が必要。
↓
英語表現のチェックが必要。

と、かなり話が広がりました。

最初から、「多言語対応を作ろう!」と考えていたら、
少し面倒に感じたかもしれません。

でも、Steamで予告編を作りたいという具体的な目的があったので、
必要なものを一つずつ作っていくことができました。


第44回まとめ|予告編の前に英語版PUZFLOができた

今回、第44回では、Steam用の予告編を作ろうとしたところから、
PUZFLOの英語対応へ進みました。

実装したのは、

  • 日本語 / English切替
  • 言語設定の保存
  • 日本語モードでは従来の日英併記を維持
  • 英語モードでは英語のみ表示
  • プレイヤー向けUI全体の英語化
  • English.jsonによる翻訳一元管理
  • 英語用レイアウト調整

さらに、英語化した各画面をChatGPTへ送り、
ゲームUIとして自然な英語になっているかも一つずつ確認していきました。

予告編を作る前に、思っていたより大きな作業になりました。

でもこれで、

  • Steamの英語スクリーンショット
  • 英語版トレーラー
  • 海外ユーザー向けのゲーム本体

すべてにつながります。

そして、ようやく準備が整いました。


次回は本当にSteam予告編を作る

ここまで来て、やっと本来やりたかった作業に戻ります。
次回、第45回では、PUZFLOのSteam用予告編を実際に作っていきます。

  • 英語UIでゲームを録画。
  • どの場面を使うか決める。
  • 最初の数秒で何を見せるか。
  • 動画の長さはどうするか。
  • BGMはどうするか。
  • 最後にロゴをどう見せるか。

静止画では伝わらなかった、「ラインが動くPUZFLO」を、今度は動画で見せていきます。

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