前回、第47回では、PUZFLOのSteamストアページを審査へ提出し、
「近日登場」ページとして公開するところまで進みました。
- Steamworks登録
- 税務情報
- ストアページ
- カプセル画像
- 英語対応
- トレーラー
- ゲーム本体のアップロード
ここまで一気にSteam側の準備を進めてきました。
そして、ひとまず、「Steamで販売するための準備」
は大きな区切りを迎えました。
ただし、PUZFLO本体はまだ完成ではありません。
これまで、「あとで追加しよう」
と保留していた設備がいくつか残っています。
そこで今回は久しぶりに、Steamworksではなく、
Unityでゲーム本体の開発へ戻ります。
追加するのは、
- 2連加工機
- 3連加工機
- クロスコンベア
- ロボットアーム
それぞれ、
という違った役割があります。
今回は、この4種類を一気に実装して、
PUZFLOのライン設計をもう一段広げていきます。
Steam公開まで進んだけど、ゲームはまだ完成ではない

Steamの「近日登場」ページが公開されると、
かなり、「ゲームが完成した」ような感覚になります。
でも、実際には違います。
ストアページは公開できても、
ゲーム本体にはまだ、
- 追加したい設備
- 調整したいバランス
- 改善したいUI
- 直したい細かい挙動
が残っています。
今回追加する設備も、その一つです。
以前から、
2連・3連加工機
クロスコンベア
ロボットアーム
は候補にありました。
ただ、『 他の設備 』『 UI 』『 Steam対応 』
などを優先していたため、後回しになっていました。
そこで第48回では、
「Steamに出す準備ができたから、もう一度ゲームを面白くする」
というところへ戻ります。
まずは2連・3連加工機

最初に追加するのが、2連加工機と、3連加工機です。
これまでの加工機は、基本的に、
ワークを1工程ずつ加工する設備でした。
例えば、
1回加工
↓
コンベアで搬送
↓
次の加工機へ移動
↓
さらに加工
という形です。
ただ、必要加工回数が増えてくると、
加工機を何台も並べる必要があります。
そこで、1台の設備の中で複数工程をまとめて加工できる設備を追加します。
2連加工機とは?
2連加工機は、その名の通り、
1台の中に2つの加工工程を持つ設備です。
イメージとしては、
ワークが設備へ入る
↓
1工程目を加工
↓
設備内部で次の位置へ移動
↓
2工程目を加工
↓
排出
という流れです。
今までは、加工機 → コンベア → 加工機と並べていたものを、
2連加工機1台で処理できるようになります。
3連加工機なら3工程まとめて処理
3連加工機は、さらに1工程増えます。
ワークを投入すると、3回分の加工を1台の設備内で処理します。
当然、普通の加工機よりも、
- 価格
- サイズ
- 設置スペース
- 設備能力
などに差を付ける必要があります。
高性能だから全部これでいい。
になってしまうと、PUZFLOらしくありません。
「まとめて加工できる=最強」にはしたくない
PUZFLOでずっと意識しているのが、
高性能設備が必ず正解にならないことです。
2連・3連加工機も、便利だからといって、
どこでも置けばいい設備にはしたくありません。
メリット
一方で、
デメリット
といった違いを作ります。
つまり、
「加工機3台を並べる?」
「3連加工機1台にまとめる?」
を考える設備です。
設備が増えるほど「選ぶゲーム」になっていく
開発初期のPUZFLOは、そもそも、
設備を置けるかどうかが中心でした。
でも今は、同じ目的でも、
複数の設備から選べます。
普通の加工機。
2連加工機。
3連加工機。
どれでも成立する。
でも、
価格。
スペース。
ラインの長さ。
能力。
が変わる。
この、「どれを選ぶ?」が増えてきたのは、
かなり良い変化だと思っています。
次はクロスコンベア

続いて追加するのが、クロスコンベアです。
名前の通り、ラインを交差させるための設備です。
これまでPUZFLOでは、コンベアを配置するとき、
別のラインとぶつかる場所では、
などを考える必要がありました。
でも、工場が大きくなるほど、
「ここをそのまま横切れたら楽なのに」
という場面が増えてきます。
そこで、ライン同士を交差させられる設備を追加します。
ただ交差するだけでも、かなり便利
クロスコンベア自体の機能は、かなりシンプルです。
例えば、横方向のワークはそのまま横へ。
縦方向のワークはそのまま縦へ。
お互いの進行方向を変えずに、
同じ場所を交差します。
普通のコンベアなら、ラインがぶつかった時点で、
どちらかを迂回させる必要があります。
クロスコンベアがあれば、そのまま通せます。
便利すぎるとライン設計が簡単になりすぎる
ただし、ここでも問題があります。
クロスコンベアを、どこにでも安く置けるようにすると、
ライン設計がかなり簡単になります。
それでは、PUZFLOの、
限られたスペースでどう通すか?
という面白さが弱くなります。
「通せる」と「使うべき」は別
これは実際の機械設計でも似ています。
技術的にはできる。でも、
コスト。
保守性。
スペース。
構造。
を考えると、別の方法の方がいい。
ということがあります。
クロスコンベアも、「置けば解決」ではなく、
「使う価値があるか考える」設備にしたいです。
最後はロボットアーム

そして今回、一番見た目の変化が大きいのが、ロボットアームです。
PUZFLOはこれまで、基本的に、
コンベアでワークを運ぶゲームでした。
そこへ、コンベアとは違う搬送方法を追加します。
コンベアをつながなくてもワークを渡せる
ロボットアームでは、
ある場所にあるワークを持ち上げて、
別の場所へ移動させます。
つまり、今までのように、
コンベアを連続してつなぐ必要がありません。
例えば、
加工機の出口
↓
ロボットアームが持つ
↓
別の設備へ置く
という流れにできます。
これだけでラインの作り方がかなり変わる
ロボットアームを入れると、今まで、
「ここはコンベアを回り込ませるしかない」
と思っていた場所でも、直接ワークを移動できるようになります。
さらに、
- 狭い場所を飛び越える
- 別ラインへ受け渡す
- 設備間を短距離搬送する
- コンベア交差を回避する
など、ライン設計の選択肢が一気に増えます。
見た目にも動きがあるので、工場らしさもかなり強くなります。
ロボットアームも万能にはしない
ただ、これも万能設備にはしたくありません。
例えば、
- 価格が高い
- 1回の搬送に時間がかかる
- 同時に1個しか持てない
- アームが戻る時間が必要
など、コンベアとは違う弱点を持たせます。
そうすると、大量搬送ならコンベア。
短距離の受け渡しならロボットアーム。
という使い分けができます。
コンベアとロボットアームの役割を分けたい
PUZFLOで重要なのは、設備を増やすこと自体ではありません。
設備を増やした結果、考えることが増えるかです。
ロボットアームを追加しても、コンベアより完全に上位互換なら、
結局、「全部ロボットアームでいい」になります。
それでは意味がありません。
なので、
コンベアは、安い・連続搬送が得意
ロボットアームは、高い・自由な受け渡しが得意
というように、役割を分けます。
今回の3方向の追加がちょうどいい

今回追加した設備を並べてみると、役割がきれいに分かれています。
- 2連・3連加工機
- 加工方法を増やす
- クロスコンベア
- ライン配置の自由度を増やす
- ロボットアーム
- 搬送方法を増やす
つまり、加工・配置・搬送の
3方向を同時に広げたことになります。
単純に設備数を増やしたというより、
プレイヤーが考えられる選択肢を増やしたという方が近いです。
設備を増やすときは「何が変わるか」を考える
以前、PUZFLOを本気で遊んだときに、
設備数が増えれば面白くなるわけではないと感じました。
例えば、
加工能力0.5個/s。
1.0個/s。
1.5個/s。
という設備を増やすだけなら、
数字が増えただけです。
でも、今回のように、
となると、今までとは違う設計ができます。
こういう設備を増やした方が、
PUZFLOには合っていると思います。
3つを組み合わせると一気に工場らしくなる
単体で見ると、それぞれシンプルな設備です。
でも組み合わせると、かなり面白くなります。
例えば、
投入
↓
分岐
↓
2連加工機
↓
ロボットアームで別ラインへ移動
↓
クロスコンベアで他の搬送ラインと交差
↓
出荷
という構成も作れます。
今までなら、コンベアを長く回り込ませていたところが、
かなり違う形になります。
画面の見た目も少し変わってきた
特にロボットアームが入ると、ゲーム画面の印象が結構変わります。
今までは、コンベアの上をワークが流れる。
という動きが中心でした。
そこへ、アームが回転してワークをつかみ、
別の場所へ移すという動きが入ります。
ただ設備が並んでいるだけでなく、
工場が動いている感じがかなり強くなりました。
Codexへの指示も設備ごとに分ける

今回のように複数設備を追加するときも、
Codexへ、

「新しい設備を全部作って」
と一気に任せるのではなく、設備ごとに仕様を整理します。
例えば、
2連加工機なら、
- 何工程処理するか
- Capacityはどうするか
- サイズ
- 価格
- ワークの内部移動
- 加工アニメーション
- 排出条件
クロスコンベアなら、
- 横方向
- 縦方向
- 交差中の判定
- ワーク同士の干渉
- 入口・出口
- 回転
ロボットアームなら、
- ピック位置
- プレース位置
- 搬送時間
- 受け取り条件
- 出力先が埋まっている場合
- アニメーション
など。一つずつ決めます。
新設備ほど「設備同士の接続」が怖い
第36回で、最近の不具合は、
設備単体より設備同士の境界で起こりやすいという話を書きました。
今回の設備も、まさにその対象です。
例えば、2連加工機単体は正常。
でも、2連加工機 → 優先合流。となるとどうなる?
ロボットアーム単体は正常。
でも、ロボットアーム → ストッパ。ではどうなる?
クロスコンベアへ、上下左右から同時にワークが来たら?
こうした組み合わせを実際に試さないと、
本当に使える設備かは分かりません。
実装したら、結局また自分で遊ぶ
今回も最後は、実際に遊ぶです。
Codexが実装できた。
コンパイルエラーがない。
設備が表示された。
これだけでは完成ではありません。
- 実際に、設備を置く
- 生産する
- 詰まる
- 動きを見る
- 他設備とつなぐ
- 価格を考える
- 使いたくなるか確認する
というところまでやります。
「便利」より「選びたくなる」設備にしたい
設備追加で今一番意識しているのが、便利かどうかだけではありません。
そう思える設備にしたい。
2連・3連加工機も、クロスコンベアも、ロボットアームも、
「使う理由」と「使わない理由」の両方がある状態が理想です。
それが、PUZFLOでやりたい、
コスト・能力・スペースのトレードオフにつながります。
第48回まとめ|加工・配置・搬送の選択肢を一気に増やした

今回、第48回では、Steam側の準備から一度離れて、
久しぶりにゲーム本体へ戻りました。
追加したのは、
- 2連加工機
- 3連加工機
- クロスコンベア
- ロボットアーム
2連・3連加工機で、加工工程のまとめ方が変わる。
クロスコンベアで、ラインの通し方が変わる。
ロボットアームで、ワークの運び方が変わる。
それぞれ、単純な上位設備ではなく、
ライン設計の選択肢そのものを広げる設備になりました。
Steamのストアページが公開され、
一度は、「販売するゲーム」という段階まで来ました。
でも、ゲーム本体はまだ伸ばせます。
今回の追加で、またPUZFLOらしい、
考えて試して改善するライン設計の幅が広がってきました。
次回は「Tick処理」を導入する
新しい設備を追加して、
PUZFLOのライン設計の幅はかなり広がってきました。
ただ、設備が増えて、ワーク数も多くなってくると、
今度はゲーム内部の処理方法も気になるようになってきます。
特に、
- 同じ条件なのに結果が微妙に変わる
- 処理が重い場面で挙動が不安定になる
- FPSに影響されない形で生産処理を動かしたい
といった部分です。
そこで次回、第49回では、
これまでのフレーム依存の処理から一歩進めて、
「Tick処理」
を導入していきます。
難しそうな言葉ですが、考え方はシンプルです。
ゲーム画面の描画とは分けて、
一定の間隔で生産処理を進める仕組みを作ります。
PUZFLOのように、
設備能力やワークの流れを安定して再現したいゲームでは、かなり重要な部分です。
次回、第49回は、
なぜTick処理が必要になったのか?
導入すると何が変わるのか?
を、コードが分からなくても理解できる形でまとめていきます。




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